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細 (→神経心理学の知見) |
細 (→イメージング研究の知見) |
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言語学では、ヒトが使用する言語を客観的に記述し説明することを目的としており、その分野は多岐にわたる。[[音韻論]]は言語の構成要素である音声の機能、[[形態論]]は語を構成する仕組み、そして[[統語論]]は語が文を構成する仕組みをそれぞれ研究対象としている。また、[[意味論]]は語、句、文などの言語表現が表す意味、[[語用論]]は言語表現とその使用者(話し手、聞き手、書き手、読み手)や文脈との関係をそれぞれ研究対象としている。 | 言語学では、ヒトが使用する言語を客観的に記述し説明することを目的としており、その分野は多岐にわたる。[[音韻論]]は言語の構成要素である音声の機能、[[形態論]]は語を構成する仕組み、そして[[統語論]]は語が文を構成する仕組みをそれぞれ研究対象としている。また、[[意味論]]は語、句、文などの言語表現が表す意味、[[語用論]]は言語表現とその使用者(話し手、聞き手、書き手、読み手)や文脈との関係をそれぞれ研究対象としている。 | ||
代表的な理論(言語的モデル)としては、[[生成文法]]、[[認知意味論]] | 代表的な理論(言語的モデル)としては、[[生成文法]]、[[認知意味論]]([[認知言語学]]の主要な理論)、そして[[関連性理論]]を挙げることができる。 | ||
*'''生成文法'''(generative grammar)は<ref name=Chomsky1955>'''Chomsky, Noam.'''<br>The logical structure of linguistic theory<br>''Chicago : University of Chicago Press'': 1985(1955).</ref>、ヒトの発達においてごく短期間に言語獲得が成功することに注目し、生得的に言語の初期状態である[[普遍文法]](universal grammar, UG)を備えていると仮定したモデル化をしている。そのため、新生児が育つ国や文化によってどのような言語でも短期間に獲得できるのは、この生得的な普遍文法によると考えられている。 | *'''生成文法'''(generative grammar)は<ref name=Chomsky1955>'''Chomsky, Noam.'''<br>The logical structure of linguistic theory<br>''Chicago : University of Chicago Press'': 1985(1955).</ref>、ヒトの発達においてごく短期間に言語獲得が成功することに注目し、生得的に言語の初期状態である[[普遍文法]](universal grammar, UG)を備えていると仮定したモデル化をしている。そのため、新生児が育つ国や文化によってどのような言語でも短期間に獲得できるのは、この生得的な普遍文法によると考えられている。 | ||
*''' | *'''認知言語学'''(cognitive linguistics)は<ref name=William2004>'''Croft, William, & Cruse, D. Alan.'''<br>Cognitive linguistics<br>''Cambridge : Cambridge University Press'': 2004.</ref>、生得的で自動的な認知能力(autonomous cognitive faculty)として言語を捉える生成文法の立場に異議を唱え、動的に概念構成(conceptualization)していくという文法の役割を強調し、ことばの意味は使用を通してあらわれるという仮説を唱えている。研究は、[[意味論]]に集中しており、'''認知意味論'''(cognitive semantics)は<ref name=Lakoff1987>'''Lakoff, George.'''<br>Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reveal About the Mind.<br>''University of Chicago Press'': 1987.</ref>、[[隠喩]](metaphor)、[[換喩]](metonymy)、[[イメージスキーマ]](image schema)を用いて言語の実態の究明を目指している。 | ||
*'''関連性理論'''(relevance theory)は<ref name=Sperber1986>'''Sperber, D. and Wilson, D'''<br>Relevance: Communication and cognition.<br>''Oxford: Blackwell'':1986 (『関連性理論:伝達と認知』, 内田聖二他訳, 研究社出版; 第二版は1995年)</ref>、[[関連性]]という[[認知効果]]と[[処理労力]]のバランスで定まる情報の属性を手掛かりとして、聞き手は「話し手が伝えたいと思っている意味」を推論しているという論を展開している。 | *'''関連性理論'''(relevance theory)は<ref name=Sperber1986>'''Sperber, D. and Wilson, D'''<br>Relevance: Communication and cognition.<br>''Oxford: Blackwell'':1986 (『関連性理論:伝達と認知』, 内田聖二他訳, 研究社出版; 第二版は1995年)</ref>、[[関連性]]という[[認知効果]]と[[処理労力]]のバランスで定まる情報の属性を手掛かりとして、聞き手は「話し手が伝えたいと思っている意味」を推論しているという論を展開している。 | ||
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神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。言語処理に関与する脳の領域は、大まかには、[[環シルビウス溝言語領域]](言語中枢)、[[環・環シルビウス溝言語領域]]、そして[[右半球言語領域]]の三領域に分けることができる(図3)<ref name=Yamadori1996>'''山鳥重'''<br>言語生成の大脳機構<br>''音声言語医学, 37(2), 262-266'':1996</ref>。 | 神経心理学では、脳の物理的損傷の患者を対象として、その損傷により引き起こされたと考えられる症状との関係から、脳における言語機能を明らかにしようとしている。言語処理に関与する脳の領域は、大まかには、[[環シルビウス溝言語領域]](言語中枢)、[[環・環シルビウス溝言語領域]]、そして[[右半球言語領域]]の三領域に分けることができる(図3)<ref name=Yamadori1996>'''山鳥重'''<br>言語生成の大脳機構<br>''音声言語医学, 37(2), 262-266'':1996</ref>。 | ||
*'''環シルビウス溝言語領域'''(perisylvian speech zone)は<ref name=Benson1979>'''Benson, D.F.'''<br>Aphasia, alexia, and agraphia.<br>''New York: Churchill Livingstone'': 1979.</ref>、[[ブローカ野]]と[[ウェルニッケ野]]という[[言語野]]、および両者をつなぐ[[弓状束]]を含み、[[音声系列]]の処理において重要な役割を果たしていると考えられている<ref name=Geschwind1972><pubmed>5014017</pubmed></ref><ref name=Mesulam1990><pubmed>2260847</pubmed></ref>。19世紀のフランスの医師である[[wj:ピエール・ポール・ブローカ|ポール・ブローカ]]は、語の理解はできるが発語が困難と診断された患者の死後解剖により、左下[[前頭回]]([[44野]]と[[45野]]、[[ブローカ野]])に[[脳梗塞]]を発見し、そこが[[運動性失語]]の病巣で、発話などの中枢と推定した<ref name=Broca1861>'''Broca, P.'''<br>Remarques sur le siège de la faculté du langage articulé; suivies d’une observation d’aphémie (perte de la parole).<br>''Bull Soc Anat Paris''. 1861, 6; 330-357.</ref>。一方、19世紀のドイツの医師である[[w:Carl Wernicke|カール・ウェルニッケ]]は、多弁によく発話するが意味ある話にならない患者を扱い、左上[[側頭回]]から[[角回]]のあたり([[22野]]、[[ウェルニッケ野]])に病変を見つけ、そこが[[感覚性失語]]([[受容性失語]])の病巣で、言語理解の中枢と推定した<ref name=Wernicke1874>'''Wernicke, C.'''<br>Der aphasische Symptomenkomplex. Eine psychologische Studie auf anatomischer Basis<br>''Breslau: Max Cohn & Weigert'': 1874. | *'''環シルビウス溝言語領域'''(perisylvian speech zone)は<ref name=Benson1979>'''Benson, D.F.'''<br>Aphasia, alexia, and agraphia.<br>''New York: Churchill Livingstone'': 1979.</ref>、[[ブローカ野]]と[[ウェルニッケ野]]という[[言語野]]、および両者をつなぐ[[弓状束]]を含み、[[音声系列]]の処理において重要な役割を果たしていると考えられている<ref name=Geschwind1972><pubmed>5014017</pubmed></ref><ref name=Mesulam1990><pubmed>2260847</pubmed></ref>。19世紀のフランスの医師である[[wj:ピエール・ポール・ブローカ|ポール・ブローカ]]は、語の理解はできるが発語が困難と診断された患者の死後解剖により、左下[[前頭回]]([[44野]]と[[45野]]、[[ブローカ野]])に[[脳梗塞]]を発見し、そこが[[運動性失語]]の病巣で、発話などの中枢と推定した<ref name=Broca1861>'''Broca, P.'''<br>Remarques sur le siège de la faculté du langage articulé; suivies d’une observation d’aphémie (perte de la parole).<br>''Bull Soc Anat Paris''. 1861, 6; 330-357. [http://psychclassics.yorku.ca/Broca/aphemie.htm HTML]</ref>。一方、19世紀のドイツの医師である[[w:Carl Wernicke|カール・ウェルニッケ]]は、多弁によく発話するが意味ある話にならない患者を扱い、左上[[側頭回]]から[[角回]]のあたり([[22野]]、[[ウェルニッケ野]])に病変を見つけ、そこが[[感覚性失語]]([[受容性失語]])の病巣で、言語理解の中枢と推定した<ref name=Wernicke1874>'''Wernicke, C.'''<br>Der aphasische Symptomenkomplex. Eine psychologische Studie auf anatomischer Basis<br>''Breslau: Max Cohn & Weigert'': 1874. | ||
[http://bsd.neuroinf.jp/ | [http://bsd.neuroinf.jp/w/images/e/ee/Der_aphasische_Symptomencomplex.pdf PDF] | ||
</ref>。 | </ref>。 | ||
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==イメージング研究の知見== | ==イメージング研究の知見== | ||
イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像や[[陽電子放射断層撮像法]](PET: Positron Emission Tomography)などの手法を用いて明らかにしようとしている。また、[[メタ分析]] (meta-analysis)、すなわち複数のイメージング研究の結果の俯瞰的な視点からの分析が行われている。Binder他は<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>、100以上の研究を集めたメタ分析を行ったところ、意味処理に関与する部位は68%が左半球で32%が右半球であった。また、一般的な意味処理(general semantic processing)に関与する部位として、大脳の左半球の3つの領域(後方の多種感覚の統合をおこなう[[連合皮質]]、多種感覚の統合をおこなう[[前頭前皮質]]、[[内側辺縁領域]])とそこに属する7つの部位(下頭頂葉後方、[[中側頭回]]、[[紡錘状回]]と[[海馬傍回]]、[[下前頭回]]、[[背内側前頭前野]]、[[腹内側前頭前野]]、[[後帯状回]])が重要な役割を果たすとしている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | イメージング研究では、主に健常者を対象として、あるタスクを行ってもらい、その際の脳の賦活部位を、機能的磁気共鳴画像や[[陽電子放射断層撮像法]]([[PET]]: [[Positron Emission Tomography]])などの手法を用いて明らかにしようとしている。また、[[メタ分析]] (meta-analysis)、すなわち複数のイメージング研究の結果の俯瞰的な視点からの分析が行われている。Binder他は<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>、100以上の研究を集めたメタ分析を行ったところ、意味処理に関与する部位は68%が左半球で32%が右半球であった。また、一般的な意味処理(general semantic processing)に関与する部位として、大脳の左半球の3つの領域(後方の多種感覚の統合をおこなう[[連合皮質]]、多種感覚の統合をおこなう[[前頭前皮質]]、[[内側辺縁領域]])とそこに属する7つの部位(下頭頂葉後方、[[中側頭回]]、[[紡錘状回]]と[[海馬傍回]]、[[下前頭回]]、[[背内側前頭前野]]、[[腹内側前頭前野]]、[[後帯状回]])が重要な役割を果たすとしている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | ||
* '''後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質'''(posterior heteromodal association cortex) | * '''後方の多種感覚の統合をおこなう連合皮質'''(posterior heteromodal association cortex) | ||
:'''1. 左下頭頂葉後方'''(posterior inferior parietal lobe; temporo-parietal junction, TPJ)は、多様な情報の[[統合]]と内的[[知識]]の検索をおこなっている<ref name=Ni2000><pubmed>10769310</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Newman2003><pubmed>12668239</pubmed></ref><ref name=Humphries2007><pubmed>17500009</pubmed></ref>。具体的には、文や文脈の理解、問題解決、そして計画立案など、概念をうまく組み合わせるという役割を担っていると考えられている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | :'''1. 左下頭頂葉後方'''(posterior inferior parietal lobe; temporo-parietal junction, TPJ)は、多様な情報の[[統合]]と内的[[知識]]の検索をおこなっている<ref name=Ni2000><pubmed>10769310</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Newman2003><pubmed>12668239</pubmed></ref><ref name=Humphries2007><pubmed>17500009</pubmed></ref>。具体的には、文や文脈の理解、問題解決、そして計画立案など、概念をうまく組み合わせるという役割を担っていると考えられている<ref name=Binder2009><pubmed>19329570</pubmed></ref>。 | ||
:'''2. 左中側頭回'''(middle temporal gyrus, MTG)は、物やその属性に関する概念情報の蓄積をおこなっている<ref name=Martin1995><pubmed>7569934</pubmed></ref><ref name=Martin1996><pubmed>8628399</pubmed></ref><ref name=Cappa1998><pubmed>9811553</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>10491613</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=Chao2000><pubmed>10988041</pubmed></ref><ref name=Moore1999><pubmed>10355678</pubmed></ref><ref name=Perani1999><pubmed>10199643</pubmed></ref><ref name=Grossman2002><pubmed>11906234</pubmed></ref><ref name=Kable2002><pubmed>12167263</pubmed></ref><ref name=Phillips2002><pubmed>12183352</pubmed></ref><ref name=Noppeney2003><pubmed>12805112</pubmed></ref><ref name=Tyler2003><pubmed>12595206</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Kable2005><pubmed>16356324</pubmed></ref><ref name=Noppeney2005><pubmed>16242924</pubmed></ref><ref name=Wallentin2005><pubmed>15812326</pubmed></ref>。一方、上側頭回はこれまで神経心理学の知見では言語理解の中心的な役割を担っていると考えられてきたが<ref name=Wernicke1874></ref><ref name=Geschwind1971><pubmed>5545606</pubmed></ref><ref name=Bogen1976><pubmed>1070943</pubmed></ref><ref name=Hillis2001><pubmed>11706960</pubmed></ref>、イメージング研究の知見ではことばの意味の検索というよりはむしろことばの知覚や音韻処理との関連が強いと考えられている<ref name=Binder2000><pubmed>10847601</pubmed></ref><ref name=Hickok2003><pubmed>12965041</pubmed></ref><ref name=Scott2003><pubmed>12536133</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Liebenthal2005><pubmed>15703256</pubmed></ref><ref name=Buchsbaum2008><pubmed>18201133</pubmed></ref><ref name=Graves2008><pubmed>18345989</pubmed></ref>。 | :'''2. 左中側頭回'''(middle temporal gyrus, MTG)は、物やその属性に関する概念情報の蓄積をおこなっている<ref name=Martin1995><pubmed>7569934</pubmed></ref><ref name=Martin1996><pubmed>8628399</pubmed></ref><ref name=Cappa1998><pubmed>9811553</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>10491613</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=Chao2000><pubmed>10988041</pubmed></ref><ref name=Moore1999><pubmed>10355678</pubmed></ref><ref name=Perani1999><pubmed>10199643</pubmed></ref><ref name=Grossman2002><pubmed>11906234</pubmed></ref><ref name=Kable2002><pubmed>12167263</pubmed></ref><ref name=Phillips2002><pubmed>12183352</pubmed></ref><ref name=Noppeney2003><pubmed>12805112</pubmed></ref><ref name=Tyler2003><pubmed>12595206</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Kable2005><pubmed>16356324</pubmed></ref><ref name=Noppeney2005><pubmed>16242924</pubmed></ref><ref name=Wallentin2005><pubmed>15812326</pubmed></ref>。一方、上側頭回はこれまで神経心理学の知見では言語理解の中心的な役割を担っていると考えられてきたが<ref name=Wernicke1874></ref><ref name=Geschwind1971><pubmed>5545606</pubmed></ref><ref name=Bogen1976><pubmed>1070943</pubmed></ref><ref name=Hillis2001><pubmed>11706960</pubmed></ref>、イメージング研究の知見ではことばの意味の検索というよりはむしろことばの知覚や音韻処理との関連が強いと考えられている<ref name=Binder2000><pubmed>10847601</pubmed></ref><ref name=Hickok2003><pubmed>12965041</pubmed></ref><ref name=Scott2003><pubmed>12536133</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Liebenthal2005><pubmed>15703256</pubmed></ref><ref name=Buchsbaum2008><pubmed>18201133</pubmed></ref><ref name=Graves2008><pubmed>18345989</pubmed></ref>。 | ||
:'''3. 左紡錘状回'''(fusiform gyrus)は物の[[視覚]]的な属性に関する内的知識の検索に<ref name=DEsposito1997><pubmed>9153035</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10390028</pubmed></ref><ref name=Wise2000><pubmed>10775709</pubmed></ref><ref name=Kan2003><pubmed>20957583</pubmed></ref><ref name=Vandenbulcke2006><pubmed>16767090</pubmed></ref><ref name=Simmons2007><pubmed>17575989</pubmed></ref> | :'''3. 左紡錘状回'''(fusiform gyrus)は物の[[視覚]]的な属性に関する内的知識の検索に<ref name=DEsposito1997><pubmed>9153035</pubmed></ref><ref name=Chao1999><pubmed>9950712</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10390028</pubmed></ref><ref name=Wise2000><pubmed>10775709</pubmed></ref><ref name=Kan2003><pubmed>20957583</pubmed></ref><ref name=Vandenbulcke2006><pubmed>16767090</pubmed></ref><ref name=Simmons2007><pubmed>17575989</pubmed></ref>、'''左海馬傍回'''(parahippocampal gyrus)は外側の[[意味記憶]]と内側の[[エピソード記憶]]の仲介をしている可能性が示唆されている<ref name=Insausti1987><pubmed>2445796</pubmed></ref><ref name=Suzuki1994><pubmed>7890828</pubmed></ref><ref name=Levy2004><pubmed>15090653</pubmed></ref>。 | ||
*'''多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質'''(heteromodal prefrontal cortex) | *'''多種感覚の統合をおこなう前頭前皮質'''(heteromodal prefrontal cortex) | ||
:'''4. 左下前頭回'''(inferior frontal gyrus, IFG)は、意味処理<ref name=Petersen1988><pubmed>3277066</pubmed></ref><ref name=Frith1991><pubmed>1791928</pubmed></ref><ref name=Kapur1994><pubmed>7865775</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1997><pubmed>9405692</pubmed></ref><ref name=Gabrieli1998><pubmed>9448258</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10433263</pubmed></ref><ref name=Wagner2000><pubmed>11073867</pubmed></ref><ref name=Roskies2001><pubmed>11564326</pubmed></ref><ref name=Wagner2001><pubmed>11502262</pubmed></ref><ref name=Chee2002><pubmed>11969333</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Simmons2005><pubmed>16009569</pubmed></ref><ref name=Goldberg2007><pubmed>17409243</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref>、音韻処理や[[文法]]処理<ref name=Demonet1992><pubmed>1486459</pubmed></ref><ref name=Zatorre1992><pubmed>1589767</pubmed></ref><ref name=Paulesu1993><pubmed>8455719</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=Smith1998><pubmed>9448254</pubmed></ref><ref name=Fiez1999><pubmed>10677038</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=Burton2000><pubmed>10936919</pubmed></ref><ref name=Embick2000><pubmed>10811887</pubmed></ref><ref name=Poldrack2001><pubmed>11506664</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Fiebach2005><pubmed>15455462</pubmed></ref><ref name=Owen2005><pubmed>15846822</pubmed></ref><ref name=Tan2005><pubmed>15846817</pubmed></ref><ref name=Grodzinsky2006><pubmed>16563739</pubmed></ref>に関与することが多数報告されている。左下前頭回内の詳細として、44野は音韻処理、45野と44野は文法処理、そして[[47野]]と45野は[[意味]]処理に関与することが示唆されている<ref name=Hagoort2005><pubmed>16054419</pubmed></ref>。 | :'''4. 左下前頭回'''(inferior frontal gyrus, IFG)は、意味処理<ref name=Petersen1988><pubmed>3277066</pubmed></ref><ref name=Frith1991><pubmed>1791928</pubmed></ref><ref name=Kapur1994><pubmed>7865775</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1997><pubmed>9405692</pubmed></ref><ref name=Gabrieli1998><pubmed>9448258</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=ThompsonSchill1999><pubmed>10433263</pubmed></ref><ref name=Wagner2000><pubmed>11073867</pubmed></ref><ref name=Roskies2001><pubmed>11564326</pubmed></ref><ref name=Wagner2001><pubmed>11502262</pubmed></ref><ref name=Chee2002><pubmed>11969333</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Simmons2005><pubmed>16009569</pubmed></ref><ref name=Goldberg2007><pubmed>17409243</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref>、音韻処理や[[文法]]処理<ref name=Demonet1992><pubmed>1486459</pubmed></ref><ref name=Zatorre1992><pubmed>1589767</pubmed></ref><ref name=Paulesu1993><pubmed>8455719</pubmed></ref><ref name=Fiez1997><pubmed>10096412</pubmed></ref><ref name=Smith1998><pubmed>9448254</pubmed></ref><ref name=Fiez1999><pubmed>10677038</pubmed></ref><ref name=Poldrack1999><pubmed>10385578</pubmed></ref><ref name=Burton2000><pubmed>10936919</pubmed></ref><ref name=Embick2000><pubmed>10811887</pubmed></ref><ref name=Poldrack2001><pubmed>11506664</pubmed></ref><ref name=Gold2002><pubmed>12194878</pubmed></ref><ref name=Friederici2003><pubmed>12507948</pubmed></ref><ref name=Nyberg2003><pubmed>12457761</pubmed></ref><ref name=Davis2004><pubmed>15120536</pubmed></ref><ref name=Indefrey2004><pubmed>15037128</pubmed></ref><ref name=Fiebach2005><pubmed>15455462</pubmed></ref><ref name=Owen2005><pubmed>15846822</pubmed></ref><ref name=Tan2005><pubmed>15846817</pubmed></ref><ref name=Grodzinsky2006><pubmed>16563739</pubmed></ref>に関与することが多数報告されている。左下前頭回内の詳細として、44野は音韻処理、45野と44野は文法処理、そして[[47野]]と45野は[[意味]]処理に関与することが示唆されている<ref name=Hagoort2005><pubmed>16054419</pubmed></ref>。 |