「血清応答因子」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==


 血清刺激によって最初期遺伝子c''-fos''の発現誘導が起こるが、c-''fos''遺伝子の[[wikidepia:JA:転写開始点|転写開始点]]より上流に存在し、[[wikidepia:JA:血清|血清]]に応答して転写を制御する働きをもつ塩基配列を血清応答要素(serum response element, SRE)、SREに結合する分子を血清応答因子(serum response factor, SRF)と名付けた<ref name=ref15><pubmed>3524858</pubmed></ref>。1988年にはSRF cDNAが単離され、ホモ二量体を形成してDNAに結合することが指摘された<ref name=ref3><pubmed>3203386</pubmed></ref>。SRE配列には、CC(A/T)<sub>6</sub>GG、いわゆる[[wikidepia:JA:CArGボックス|CArGボックス]]<ref name=ref2><pubmed>2823106</pubmed></ref>が含まれており、SRFが結合する配列はこのCArGボックスである。CArGボックスは、c-''fos''や[[''egr''-1]]などの最初期遺伝子だけではなく、アクチンなどの細胞骨格系遺伝子にも存在していることが判明し、実際のSRFの標的遺伝子もしくは標的遺伝子候補となっている<ref name=ref5><pubmed>15880109</pubmed></ref><ref name=ref16><pubmed>3785189</pubmed></ref><ref name=ref17><pubmed>12788374</pubmed></ref><ref name=ref18><pubmed>20414257</pubmed></ref>。また、SRFを含む多くの転写因子に相同性の高い領域があることが判明し、その領域を4つの転写因子(Minichromosome maintenance 1 protein, Agamous, Deficiens, SRF)の頭文字をとってMADSボックス(MADS-box)と名付けた<ref name=ref1><pubmed>7744019</pubmed></ref>。したがって、MADSボックス(MADS-box)を持つ分子はMADSボックス(MADS-box)ファミリーに属し、SRFもその一つである<ref name=ref1><pubmed>7744019</pubmed></ref>。  
 血清刺激によって最初期遺伝子c''-fos''の発現誘導が起こるが、c-''fos''遺伝子の[[wikipedia:JA:転写開始点|転写開始点]]より上流に存在し、[[wikidepia:JA:血清|血清]]に応答して転写を制御する働きをもつ塩基配列を血清応答要素(serum response element, SRE)、SREに結合する分子を血清応答因子(serum response factor, SRF)と名付けた<ref name=ref15><pubmed>3524858</pubmed></ref>。1988年にはSRF cDNAが単離され、ホモ二量体を形成してDNAに結合することが指摘された<ref name=ref3><pubmed>3203386</pubmed></ref>。SRE配列には、CC(A/T)<sub>6</sub>GG、いわゆる[[wikidepia:JA:CArGボックス|CArGボックス]]<ref name=ref2><pubmed>2823106</pubmed></ref>が含まれており、SRFが結合する配列はこのCArGボックスである。CArGボックスは、c-''fos''や[[''egr''-1]]などの最初期遺伝子だけではなく、アクチンなどの細胞骨格系遺伝子にも存在していることが判明し、実際のSRFの標的遺伝子もしくは標的遺伝子候補となっている<ref name=ref5><pubmed>15880109</pubmed></ref><ref name=ref16><pubmed>3785189</pubmed></ref><ref name=ref17><pubmed>12788374</pubmed></ref><ref name=ref18><pubmed>20414257</pubmed></ref>。また、SRFを含む多くの転写因子に相同性の高い領域があることが判明し、その領域を4つの転写因子(Minichromosome maintenance 1 protein, Agamous, Deficiens, SRF)の頭文字をとってMADSボックス(MADS-box)と名付けた<ref name=ref1><pubmed>7744019</pubmed></ref>。したがって、MADSボックス(MADS-box)を持つ分子はMADSボックス(MADS-box)ファミリーに属し、SRFもその一つである<ref name=ref1><pubmed>7744019</pubmed></ref>。


== 細胞内制御機構 ==
== 細胞内制御機構 ==