「座標系」の版間の差分

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 眼窩の中において、目の位置(向き)を中心にした空間座標。現在の眼球の位置情報を元にした眼球を中心とした不変な空間ベクトルで表現される(図1b、c、d青丸)。Angle –Gaze effect 15)は、網膜上同じ位置に視覚刺激を出しても眼球位置により、その視覚反応が異なるニューロン応答のことで、網膜座標系での視覚刺激の位置情報と眼球の位置情報の統合し、網膜座標系から頭部中心座標系への変換過程にあると考えられる。[[頭頂連合野]]のLIP、7a、PRR、VIP1、12)V3A16)にそうした座標表現に関わるニューロン活動が認められる。
 眼窩の中において、目の位置(向き)を中心にした空間座標。現在の眼球の位置情報を元にした眼球を中心とした不変な空間ベクトルで表現される(図1b、c、d青丸)。Angle –Gaze effect 15)は、網膜上同じ位置に視覚刺激を出しても眼球位置により、その視覚反応が異なるニューロン応答のことで、網膜座標系での視覚刺激の位置情報と眼球の位置情報の統合し、網膜座標系から頭部中心座標系への変換過程にあると考えられる。[[頭頂連合野]]のLIP、7a、PRR、VIP1、12)V3A16)にそうした座標表現に関わるニューロン活動が認められる。


===網膜座標系と眼球中心座標系===    
===網膜座標系と眼球中心座標系===
 網膜座標系は外界像を2次元座標系として記述する。網膜座標系を[[符号化]]する神経活動は、網膜上の刺激に依存するため、眼球の位置に関わらず網膜上の同じ位置に視覚刺激が像を結べば、同様の応答を示す。一方、眼球中心座標系は現在の眼球の位置情報を使い、注視点から対象物までの変位ベクトルを表現する。輻輳角も考えれば、3次元座標系での対象の位置の表現も可能となる7)。眼球中心座標系を符号化する神経活動は、眼の位置によって、たとえ視覚刺激が網膜上同じ位置にあっても、異なる応答をしめす1)。したがって、両者とも注視点が変化すると、見かけ上空間表現が変化するため、網膜座標系と眼球中心座標系は時として混同されるが、同じではない。  
 網膜座標系は外界像を2次元座標系として記述する。網膜座標系を[[符号化]]する神経活動は、網膜上の刺激に依存するため、眼球の位置に関わらず網膜上の同じ位置に視覚刺激が像を結べば、同様の応答を示す。一方、眼球中心座標系は現在の眼球の位置情報を使い、注視点から対象物までの変位ベクトルを表現する。輻輳角も考えれば、3次元座標系での対象の位置の表現も可能となる7)。眼球中心座標系を符号化する神経活動は、眼の位置によって、たとえ視覚刺激が網膜上同じ位置にあっても、異なる応答をしめす1)。したがって、両者とも注視点が変化すると、見かけ上空間表現が変化するため、網膜座標系と眼球中心座標系は時として混同されるが、同じではない。  


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===外界中心座標系・環境中心座標系===
===外界中心座標系・環境中心座標系===
[[image:座標系1.jpg|thumb|350px|'''図1.眼球中心、頭部中心、身体中心、外界中心座標系で表現される対象物'''<br>
a. 上からみた模式図。眼球(青)、頭部(ピンク)、身体(茶)対象物(黒)。<br>
b. 眼球だけを回転させる。眼球中心座標系で表現される対象物(青丸)は、眼球の回転に伴って表現される。<br>
c. 眼球と頭部を回転させる。頭部中心座標系で表現される対象物(赤丸)は、頭部の回転にのみ伴って表現される。<br>
d. 眼球、頭部、身体を回転させる。身体中心座標系で表現される対象物(茶丸)は、身体の回転にのみ伴って表現される。外界中心座標系で表現される対象物(黒丸)は,眼球、頭部、身体の動きに対して不変である。]]
world-centered coordinates
world-centered coordinates