571
回編集
細編集の要約なし |
|||
8行目: | 8行目: | ||
英:conversion disorder 独:Konversionsstörung 仏:troubles de conversion | 英:conversion disorder 独:Konversionsstörung 仏:troubles de conversion | ||
同義語:転換、転換性障害 | |||
{{box|text= | {{box|text= 変換とは、受け容れがたい無意識の心的葛藤が抑圧され、身体症状へと置き換えられる過程を意味する。変換症とは、その症状が神経学的あるいは医学的状態と矛盾しているにも関わらず、運動または感覚に関する症状のために日常生活において苦痛や機能の障害がみられる病態をいう。運動症状としては、脱力・麻痺、振戦、異常運動、異常な肢位、歩行障害、嚥下困難、失声、けいれん発作などがある。感覚症状としては、知覚麻痺や感覚脱失、複視や筒状視野などの視力障害、聴力障害などがある。要因としては幼少期の虐待やネグレクトなどが指摘されている。予後は症状の持続期間と大いに関連しているため、早期に精神医学的治療を開始することが望まれる。認知行動療法や行動療法、精神分析療法、薬物療法などの効果が報告されており、これらの治療法と理学療法などを適宜組み合わせることが推奨される。}} | ||
==変換症とは== | ==変換症とは== | ||
変換症とは、訴える症状が運動機能ないしは感覚機能の変化であるが、その症状が生理・解剖学的には説明できない状態を指す。以前は解離性障害と訳され、さらに以前には、転換ヒステリーとも呼ばれていたが、アメリカ精神医学会によるDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, fifth edition)の日本語版では、[[変換症]]との訳語が併記されるようになった。 | |||
19世紀末、[[wj:ピエール・ジャネ|ジャネ]]は正常にあっては統合されている自己の[[意識]]、[[記憶]]、[[同一性]]、[[行動]]、[[運動]]、[[身体感覚]]などが、強い[[外傷体験]]によって分離するという[[解離]]の視点から[[ヒステリー]]を捉えようとした。 | |||
ほぼ同じ時期に[[wj:ジークムント・フロイト|フロイト]]は、受け容れがたい[[無意識]]の心的葛藤が[[抑圧]]され、[[身体症状]]へと置き換えられる過程を転換/変換(conversion)と呼び、こうした転換型ヒステリーに注目することで[[精神分析]]を創始した。 | |||
19世紀末、[[wj:ピエール・ジャネ|ジャネ]]は正常にあっては統合されている自己の[[意識]]、[[記憶]]、[[同一性]]、[[行動]]、[[運動]]、[[身体感覚]] | |||
ほぼ同じ時期に[[wj:ジークムント・フロイト|フロイト]] | |||
==症状== | ==症状== |