9,444
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
51行目: | 51行目: | ||
{{box|text= | {{box|text= | ||
Dab1は[[中枢神経系]]において[[神経細胞]]の正常な[[移動]]・配置に必須の細胞内[[シグナル伝達]]分子で、神経細胞の[[樹状突起]]の発達等にも関与していると考えられている<ref><pubmed>16512359</pubmed></ref><ref name="honda"><pubmed>21253854</pubmed></ref>。''dab1''遺伝子の欠損は層構造を形成する[[大脳新皮質]]、[[海馬]]、[[小脳]]、あるいは核構造を形成する[[脳幹]]、[[脊髄]]等の神経細胞の配置に異常を引き起こす。同様な表現型は、[[リーリン]]遺伝子に変異のある[[reeler'']][[wikipedia:ja:ハツカネズミ|マウス]]と、[[wikipedia:Low density lipoprotein receptor-related protein 8|''low density lipoprotein receptor-related protein 8'' (''apoER2'')]]と[[wikipedia:VLDL receptor|''very-low-density-lipoprotein receptor'' (''vldlr'')]]のダブル[[wikipedia:ja:ノックアウトマウス|ノックアウトマウス]]でも観察されている。様々な実験結果により、細胞外のリーリンがApoER2/VLDLRにより受容され、Dab1が細胞内でシグナルを伝達するシグナル伝達経路を形成していると考えられている。また、リーリン刺激によって[[wikipedia:ja:リン酸化|リン酸化]]を受けるDab1の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]5カ所を[[wikipedia:ja:フェニルアラニン|フェニルアラニン]]に変異させたマウスでは、''dab1''遺伝子の変異と同じ神経細胞の配置異常が引き起こされることから、Dab1のチロシンリン酸化はこのシグナル伝達経路に必須であることが示されている。チロシンリン酸化されたDab1により活性化される経路が調べられ、中でも[[wikipedia:CRK (gene)|Crk]]/[[wikipedia:CRKL|CrkL]]-[[wikipedia:RAPGEF1|C3G]]-[[wikipedia:Rap1|Rap1]]経路が、[[カドヘリン|N-cadherin]]や[[wikipedia:Integrin|Integrin]] <span class="texhtml">α</span>5<span class="texhtml">β</span>1の制御を行うことで神経細胞の移動調節を行っている可能性が示唆されている。 | Dab1は[[中枢神経系]]において[[神経細胞]]の正常な[[移動]]・配置に必須の細胞内[[シグナル伝達]]分子で、神経細胞の[[樹状突起]]の発達等にも関与していると考えられている<ref><pubmed>16512359</pubmed></ref><ref name="honda"><pubmed>21253854</pubmed></ref>。''dab1''遺伝子の欠損は層構造を形成する[[大脳新皮質]]、[[海馬]]、[[小脳]]、あるいは核構造を形成する[[脳幹]]、[[脊髄]]等の神経細胞の配置に異常を引き起こす。同様な表現型は、[[リーリン]]遺伝子に変異のある[[''reeler'']][[wikipedia:ja:ハツカネズミ|マウス]]と、[[wikipedia:Low density lipoprotein receptor-related protein 8|''low density lipoprotein receptor-related protein 8'' (''apoER2'')]]と[[wikipedia:VLDL receptor|''very-low-density-lipoprotein receptor'' (''vldlr'')]]のダブル[[wikipedia:ja:ノックアウトマウス|ノックアウトマウス]]でも観察されている。様々な実験結果により、細胞外のリーリンがApoER2/VLDLRにより受容され、Dab1が細胞内でシグナルを伝達するシグナル伝達経路を形成していると考えられている。また、リーリン刺激によって[[wikipedia:ja:リン酸化|リン酸化]]を受けるDab1の[[wikipedia:ja:チロシン|チロシン]]5カ所を[[wikipedia:ja:フェニルアラニン|フェニルアラニン]]に変異させたマウスでは、''dab1''遺伝子の変異と同じ神経細胞の配置異常が引き起こされることから、Dab1のチロシンリン酸化はこのシグナル伝達経路に必須であることが示されている。チロシンリン酸化されたDab1により活性化される経路が調べられ、中でも[[wikipedia:CRK (gene)|Crk]]/[[wikipedia:CRKL|CrkL]]-[[wikipedia:RAPGEF1|C3G]]-[[wikipedia:Rap1|Rap1]]経路が、[[カドヘリン|N-cadherin]]や[[wikipedia:Integrin|Integrin]] <span class="texhtml">α</span>5<span class="texhtml">β</span>1の制御を行うことで神経細胞の移動調節を行っている可能性が示唆されている。 | ||
}} | }} | ||