「腹側線条体」の版間の差分

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=== 入力 ===
=== 入力 ===
 腹側線条体への入力元は皮質、皮質下入力、背側中脳ドーパミン細胞領域がある('''図2,3''')。shellはその他の腹側線条体にはない限定的な皮質領域、特に、内側・腹内側[[前頭野]]([[32野|32]],[[24野|24]],[[25野|25]]、[[14野]])、[[島皮質]]からの入力を受けている。これが扁桃体の諸核からの入力とオーバーラップする。また、中脳ドーパミン細胞のdorsal tier部からの入力を受ける<ref name=Humphries2010><pubmed>19941931</pubmed></ref>。
 腹側線条体への入力元は皮質、皮質下入力、背側中脳ドーパミン細胞領域がある('''図2,3''')。Shellはその他の腹側線条体にはない限定的な皮質領域、特に、内側・腹内側[[前頭野]]([[32野|32]],[[24野|24]],[[25野|25]]、[[14野]])、[[島皮質]]Iaからの入力を受けている。これが扁桃体の諸核からの入力とオーバーラップする。また、中脳ドーパミン細胞のdorsal tier部からの入力を受ける<ref name=Humphries2010><pubmed>19941931</pubmed></ref>。
   
   
==== 皮質入力 ====
==== 皮質入力 ====
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 前頭眼窩野とともに腹側線条体に感覚入力を送る皮質は島皮質である。島皮質は細胞構築学的・扱う知覚により
 前頭眼窩野とともに腹側線条体に感覚入力を送る皮質は島皮質である。島皮質は細胞構築学的・扱う知覚により


* Ia: [[顆粒細胞]]層を欠く[[無顆粒島]](agranular insula嗅覚と自律神経反応)
* Ia: [[顆粒細胞]]層を欠く[[無顆粒島]] (agranular insula嗅覚と自律神経反応)
* Id: [[亜顆粒島]](dysgranular insula味覚と一部の視覚・[[体性感覚]])
* Id: [[亜顆粒島]] (dysgranular insula味覚と一部の視覚・[[体性感覚]])
* Ig: 全ての層構造が明瞭な[[顆粒島]](granular insula[[体性感覚]]・[[聴覚]]と[[視覚]])
* Ig: 全ての層構造が明瞭な[[顆粒島]] (granular insula[[体性感覚]]・[[聴覚]]と[[視覚]])


 に大別される。
 に大別される。
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 扁桃体は複数の核から成るが、嗅覚を除くすべてのmodalityの高度知覚処理に関わる基底外側複合体(basolateral nuclear group, BLNG, 外側核、基底核、副基底核、basal and accessory basal nucleiから成る)がshellを除く腹側線条体への主な入力元である<ref name=Iwai1987><pubmed>3611417</pubmed></ref><ref name=Pitkanen1997><pubmed>9364666</pubmed></ref><ref name=Russchen1987><pubmed>3549796</pubmed></ref>。Shellへの扁桃体からの入力はやや複雑であり、基底外側複合体に加え、皮質核・内側核・中心核からの入力がある。中心核には外界(基底外側複合体を介して)や体内の状態(外側視床下部や脳幹を介して)の情報の入力があり、shellでは例えば外界の知覚入力と体内の例えば空腹という状態をあわせて、行動を引き起こす強い意欲を引き起こす。  
 扁桃体は複数の核から成るが、嗅覚を除くすべてのmodalityの高度知覚処理に関わる基底外側複合体(basolateral nuclear group, BLNG, 外側核、基底核、副基底核、basal and accessory basal nucleiから成る)がshellを除く腹側線条体への主な入力元である<ref name=Iwai1987><pubmed>3611417</pubmed></ref><ref name=Pitkanen1997><pubmed>9364666</pubmed></ref><ref name=Russchen1987><pubmed>3549796</pubmed></ref>。Shellへの扁桃体からの入力はやや複雑であり、基底外側複合体に加え、皮質核・内側核・中心核からの入力がある。中心核には外界(基底外側複合体を介して)や体内の状態(外側視床下部や脳幹を介して)の情報の入力があり、shellでは例えば外界の知覚入力と体内の例えば空腹という状態をあわせて、行動を引き起こす強い意欲を引き起こす。  


 海馬はさらに限られた領域であるshell へ投射し、扁桃体からの投射とオーバーラップしている<ref name=Friedman2002><pubmed>12209848</pubmed></ref><ref name=Saunders1988><pubmed>2454246</pubmed></ref> 。
 海馬はさらにshell へも投射し、扁桃体からの投射とオーバーラップしている<ref name=Friedman2002><pubmed>12209848</pubmed></ref><ref name=Saunders1988><pubmed>2454246</pubmed></ref> 。


===== 視床 =====
===== 視床 =====

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