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[[ファイル:Ohashi Brevican Fig1.png|サムネイル|'''図1. ブレビカンアイソフォームの構造'''<br>文献<ref name=Frischknecht2012 />より改変]] | [[ファイル:Ohashi Brevican Fig1.png|サムネイル|'''図1. ブレビカンアイソフォームの構造'''<br>文献<ref name=Frischknecht2012 />より改変]] | ||
== 構造 == | == 構造 == | ||
アグリカンファミリーの[[コアタンパク質]]は相同性の高いN末端[[G1ドメイン]]とC末端[[G3ドメイン]]とその間の非相同領域からなる<ref name=Frischknecht2012 /> [5]。G1ドメインは[[ヒアルロン酸]]結合能をもつ。非相同(NH)領域はファミリー分子間で長さが異なり、その領域には異なる数のコンドロイチン硫酸鎖が結合する。ブレビカンにはコンドロイチン硫酸鎖が結合する部位が潜在的に1-5か所あるとされるが、コンドロイチン硫酸鎖が結合していないブレビカンも検出されており、[[パートタイムプロテオグリカン]]と呼ばれる。さらに第8エクソンでスプライシングを受けずイントロン部分をリードスルーして転写され、結果として分泌型にない21[[アミノ酸]]残基が翻訳され、GPIアンカー型アイソフォームが形成される('''図1''') <ref name=Seidenbecher1995 /> [3]。GPIアンカー型アイソフォームはアグリカンファミリーの中でブレビカンにのみに存在する。非相同領域に[[マトリックスメタロプロテアーゼ]] | アグリカンファミリーの[[コアタンパク質]]は相同性の高いN末端[[G1ドメイン]]とC末端[[G3ドメイン]]とその間の非相同領域からなる<ref name=Frischknecht2012 /> [5]。G1ドメインは[[ヒアルロン酸]]結合能をもつ。非相同(NH)領域はファミリー分子間で長さが異なり、その領域には異なる数のコンドロイチン硫酸鎖が結合する。ブレビカンにはコンドロイチン硫酸鎖が結合する部位が潜在的に1-5か所あるとされるが、コンドロイチン硫酸鎖が結合していないブレビカンも検出されており、[[パートタイムプロテオグリカン]]と呼ばれる。さらに第8エクソンでスプライシングを受けずイントロン部分をリードスルーして転写され、結果として分泌型にない21[[アミノ酸]]残基が翻訳され、GPIアンカー型アイソフォームが形成される('''図1''') <ref name=Seidenbecher1995 /> [3]。GPIアンカー型アイソフォームはアグリカンファミリーの中でブレビカンにのみに存在する。非相同領域に[[マトリックスメタロプロテアーゼ]]の一種である[[A Disintegrin and Metalloproteinase with Thrombospondin motifs]] ([[ADAMTS]])による切断箇所があるので、両アイソフォームとも翻訳後のプロセシングを受けることがある。プロテオグリカンのタンパク質分解断片はプロテオグリカンそのものとは独立した生物活性を持つことがあり、matrikinsあるいはmatricryptinsと呼ばれる。最近ブレビカンの分解断片もbrevikineと呼ぶことが提唱されている<ref name=Mead2022><pubmed>35785985</pubmed></ref>[6]。 | ||
なお、G3ドメインの中に相同性の高いC型[[レクチン]]様サブドメインがあることからアグリカンファミリーは[[レクティカン]](lectican)ファミリーとも呼ばれる<ref name=Yamaguchi2000><pubmed>10766023</pubmed></ref>[7]。 | なお、G3ドメインの中に相同性の高いC型[[レクチン]]様サブドメインがあることからアグリカンファミリーは[[レクティカン]](lectican)ファミリーとも呼ばれる<ref name=Yamaguchi2000><pubmed>10766023</pubmed></ref>[7]。 | ||