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細編集の要約なし |
細 (→運動機能障害) |
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このようにPPNから視床および上丘、基底核(特に黒質緻密部)への上行性投射、そして橋網様体への下行性投射が存在し、またPPNは基底核の黒質網様部や淡蒼球内節からGABA作動性の抑制を受ける。したがって、PPNの機能低下が生じると、黒質緻密部から線条体へ投射するドーパミン作動系の活動は低下し、黒質網様部や淡蒼球内節へ投射する間接路の活動充進と直接路の活動低下が誘発され、その結果、淡蒼球内節・黒質網様部からPPNへのGABA抑制が増強し、筋活動抑制系の活動は減弱し、筋固縮が誘発されるとおもわれる。また視床大脳投射系へのGABA抑制の充進は大脳皮質から脳幹・脊髄への出力を減弱させ、運動低下や運動不能を誘発させる。さらにPPNの障害は脳幹網様体などへの投射を介して意識レベルの異常や睡眠・覚醒の異常を誘発する可能性がある。加えて、PPNが姿勢反射や歩行運動の制御に関連することや上丘への投射系を介して眼球運動の制御にも関与する可能性を考慮すると、PPNの障害により、姿勢の異常や歩行運動、眼球運動の障害などが発現すると考えられる。また、サルの片側PPNに[[カイニン酸]]を注入すると、反対側の上肢と下肢の運動低下が発現することが知られている<ref name="ref29"><pubmed> 9159502 </pubmed></ref>。 | このようにPPNから視床および上丘、基底核(特に黒質緻密部)への上行性投射、そして橋網様体への下行性投射が存在し、またPPNは基底核の黒質網様部や淡蒼球内節からGABA作動性の抑制を受ける。したがって、PPNの機能低下が生じると、黒質緻密部から線条体へ投射するドーパミン作動系の活動は低下し、黒質網様部や淡蒼球内節へ投射する間接路の活動充進と直接路の活動低下が誘発され、その結果、淡蒼球内節・黒質網様部からPPNへのGABA抑制が増強し、筋活動抑制系の活動は減弱し、筋固縮が誘発されるとおもわれる。また視床大脳投射系へのGABA抑制の充進は大脳皮質から脳幹・脊髄への出力を減弱させ、運動低下や運動不能を誘発させる。さらにPPNの障害は脳幹網様体などへの投射を介して意識レベルの異常や睡眠・覚醒の異常を誘発する可能性がある。加えて、PPNが姿勢反射や歩行運動の制御に関連することや上丘への投射系を介して眼球運動の制御にも関与する可能性を考慮すると、PPNの障害により、姿勢の異常や歩行運動、眼球運動の障害などが発現すると考えられる。また、サルの片側PPNに[[カイニン酸]]を注入すると、反対側の上肢と下肢の運動低下が発現することが知られている<ref name="ref29"><pubmed> 9159502 </pubmed></ref>。 | ||
PPN障害による「PPNから黒質緻密部のドーパミンニューロンへの興奮性投射の機能低下」と「黒質網様部からPPN細胞への抑制性投射の機能充進」が[[パーキンソン病]]における運動障害を発現させることを示唆する。最近、従来の視床下核を標的にした[[脳内深部刺激]](Deep Brain Stimulation, DBS)のみならず、PPNを標的としたDBSがパーキンソン氏病による運動障害の改善に効果がある<ref name="ref30"><pubmed> 18412282 </pubmed></ref>という報告が数多くなされており、治療に向けた今後の研究が待たれる。 | |||
PPN障害による「PPNから黒質緻密部のドーパミンニューロンへの興奮性投射の機能低下」と「黒質網様部からPPN細胞への抑制性投射の機能充進」が[[パーキンソン病]]における運動障害を発現させることを示唆する。最近、従来の視床下核を標的にした[[脳内深部刺激]](Deep Brain Stimulation, DBS)のみならず、PPNを標的としたDBSがパーキンソン氏病による運動障害の改善に効果がある<ref name="ref30"><pubmed> 18412282 </pubmed></ref>という報告が数多くなされており、治療に向けた今後の研究が待たれる。 | |||
=== 睡眠・覚醒の制御 === | === 睡眠・覚醒の制御 === |