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2011年に入り、多くのグループが共同して設立されたPsychiatric GWAS Consortium (PGC)は、メガ解析を行い、7個の領域でgenome-wide significanceを超える統合失調症関連遺伝子を報告している<ref><pubmed> 21926974 </pubmed></ref>。[[主要組織適合遺伝子複合体]] ([[major histocompatibility complex]], [[MHC]])領域は、リスクとして代表的な領域であるが、この領域が高い[[wikipedia:ja:連鎖不平衡|連鎖不平衡]]を示すという特性から、リスク遺伝子を絞り込むことは困難である。一方、PGCの結果でトップに位置づけられた新規遺伝子は、[[miR137]]をコードする領域であり、P=1.6x10<sup>-11</sup>であった。miR137は、発現を制御する[[micro RNA]]であり、特に、神経発達や成熟に関与する遺伝子の調整因子であることが判明している。 | 2011年に入り、多くのグループが共同して設立されたPsychiatric GWAS Consortium (PGC)は、メガ解析を行い、7個の領域でgenome-wide significanceを超える統合失調症関連遺伝子を報告している<ref><pubmed> 21926974 </pubmed></ref>。[[主要組織適合遺伝子複合体]] ([[major histocompatibility complex]], [[MHC]])領域は、リスクとして代表的な領域であるが、この領域が高い[[wikipedia:ja:連鎖不平衡|連鎖不平衡]]を示すという特性から、リスク遺伝子を絞り込むことは困難である。一方、PGCの結果でトップに位置づけられた新規遺伝子は、[[miR137]]をコードする領域であり、P=1.6x10<sup>-11</sup>であった。miR137は、発現を制御する[[micro RNA]]であり、特に、神経発達や成熟に関与する遺伝子の調整因子であることが判明している。 | ||
== | ==コピー数変化の関与 == | ||
また、GWASは、SNPのみならず、[[copy number | また、GWASは、SNPのみならず、[[コピー数変化]] ([[copy number variation]], [[CNV]])が統合失調症と関連することも報告している。特に、1q21.1欠失、[[ニューレキシン1]] ([[NRXN1]])欠失、[[血管作動性腸管ペプチド]] ([[vasoactive intestinal peptide receptor 2]], [[VIPR2]]) 重複、15q13.3欠失、16p11.2重複、22q11.21欠失などの領域は、統合失調症患者でCNVが統計的有意に多く認められており、この領域に位置する遺伝子も統合失調症候補遺伝子として有望であると言える<ref><pubmed> 21285140 </pubmed></ref>。また、これら領域は、[[自閉症]]や[[知的障害]]との関連を示す領域であり、これら疾患との重複も想定される。 | ||
== おわりに == | == おわりに == |