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== NeuNとは == | == NeuNとは == | ||
1992年Mullenらは、ニューロン[[分化]]の調節に重要な分子を同定する目的で、[[wj:オキナワハツカネズミ|オキナワハツカネズミ]](''Mus caroli'')脳の細胞核を[[マウス]](ハツカネズミ、''Mus musculus'' [[BALB/c]]系統)に[[免疫]]して[[wj:モノクローナル抗体|モノクローナル抗体]]を作製した。その結果、[[細胞分裂]]終了後のニューロンの核に特異的に反応する抗体(mAb A60)を得て、その抗原をNeuN(neuronal nuclei)と命名した<ref><pubmed>1483388</pubmed></ref>。NeuN抗体はニューロンのマーカーとして長年用いられてきたが、その抗原分子の性質は17年間不明なままであった。NeuNの正体は、2009年にKimら(Kawamotoのグループ)によって組織特異的[[スプライシング調節因子]]の[[RNA-binding Fox3]] ([[Rbfox3]])であることが明らかになった<ref name=kim><pubmed>19713214</pubmed></ref> | 1992年Mullenらは、ニューロン[[分化]]の調節に重要な分子を同定する目的で、[[wj:オキナワハツカネズミ|オキナワハツカネズミ]](''Mus caroli'')脳の細胞核を[[マウス]](ハツカネズミ、''Mus musculus'' [[BALB/c]]系統)に[[免疫]]して[[wj:モノクローナル抗体|モノクローナル抗体]]を作製した。その結果、[[細胞分裂]]終了後のニューロンの核に特異的に反応する抗体(mAb A60)を得て、その抗原をNeuN(neuronal nuclei)と命名した<ref><pubmed>1483388</pubmed></ref>。NeuN抗体はニューロンのマーカーとして長年用いられてきたが、その抗原分子の性質は17年間不明なままであった。NeuNの正体は、2009年にKimら(Kawamotoのグループ)によって組織特異的[[スプライシング調節因子]]の[[RNA-binding Fox3]] ([[Rbfox3]])であることが明らかになった<ref name=kim><pubmed>19713214</pubmed></ref>。この項ではNeuN/Rbfox3と記述する。 | ||
== 構造 == | == 構造 == | ||
[[ファイル:NeuN1.png|サムネイル|350px|右|'''図1. NeuN/Rbfox3の遺伝子構造'''<br>エクソンは数字付きの四角で示されている。赤い線はNeuNのエピトープを、青い線はRNA結合部位(RRM)を示している。a, ヒト(''Homo sapiens'')のNeuN/Rbfox3、b, マウス(''Mus musculus'')のNeuN/Rbfox3。マウスでは、選択的スプライシングにより6個のスプライシングバリアントを生じることが報告されている。c, ラット(''Rattus norvegicus'')のNeuN/RTbfox3。文献<ref name=duan><pubmed>25680637</pubmed></ref>より改変]] | [[ファイル:NeuN1.png|サムネイル|350px|右|'''図1. NeuN/Rbfox3の遺伝子構造'''<br>エクソンは数字付きの四角で示されている。赤い線はNeuNのエピトープを、青い線はRNA結合部位(RRM)を示している。a, ヒト(''Homo sapiens'')のNeuN/Rbfox3、b, マウス(''Mus musculus'')のNeuN/Rbfox3。マウスでは、選択的スプライシングにより6個のスプライシングバリアントを生じることが報告されている。c, ラット(''Rattus norvegicus'')のNeuN/RTbfox3。文献<ref name=duan><pubmed>25680637</pubmed></ref>より改変]] | ||
[[ウェスタンブロッティング]]では46kDaと48kDaの分子量を示す。NeuN/Rbfox3は[[feminizing locus on Xファミリー|Fox(feminizing locus on X)ファミリー]]に属する分子で、[[RNA]]認識モチーフであるRRM型RNA結合ドメインが分子の中心に1つある<ref name=duan><pubmed>25680637</pubmed></ref>。 | [[ウェスタンブロッティング]]では46kDaと48kDaの分子量を示す。NeuN/Rbfox3は[[feminizing locus on Xファミリー|Fox(feminizing locus on X)ファミリー]]に属する分子で、[[RNA]]認識モチーフであるRRM型RNA結合ドメインが分子の中心に1つある<ref name=duan><pubmed>25680637</pubmed></ref>。 |