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===構成=== | ===構成=== | ||
中脳・脳幹を中心に、尾側から吻側へ9つの神経核B1-B9が分布する。 | 中脳・脳幹を中心に、尾側から吻側へ9つの神経核B1-B9が分布する。 | ||
=== 尾側核群 === | ==== 尾側核群 ==== | ||
[[橋]]、[[延髄]]腹側に分布し、[[淡蒼縫線核]](nucleus raphe pallidus, NRP, B1)・[[不確縫線核]](nucleus raphe obscures, NRO, B2)・[[大縫線核]](nucleus raphe magnus ,B3)が含まれる。これらの核からは脊髄や脳幹内に投射している。 | [[橋]]、[[延髄]]腹側に分布し、[[淡蒼縫線核]](nucleus raphe pallidus, NRP, B1)・[[不確縫線核]](nucleus raphe obscures, NRO, B2)・[[大縫線核]](nucleus raphe magnus ,B3)が含まれる。これらの核からは脊髄や脳幹内に投射している。 | ||
=== 吻側核群 === | ==== 吻側核群 ==== | ||
中脳に分布し、そのうち最大の核B7とその尾側につながるやや小さいB6は合わせて[[背側縫線核]](dorsal raphe nucleus, DRN)と呼ばれる。背側縫線核は[[中心灰白質]]の腹側、吻側は[[動眼神経核]]レベルから[[第4脳室]]尾側端まで分布する。背側縫線核はさらにinterfascicular、ventromedial, ventrolateral (いわゆるlateral wings)、caudal・rostral componentsに分けられ、それぞれからの入出力も異なる<ref name=ref1><pubmed>1783685</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>9466453</pubmed></ref>。特に外側のwingsと呼ばれる部位は、[[wj:ヒト|ヒト]]や[[wj:サル|サル]]では[[滑車神経]]周辺によく発達している。 | 中脳に分布し、そのうち最大の核B7とその尾側につながるやや小さいB6は合わせて[[背側縫線核]](dorsal raphe nucleus, DRN)と呼ばれる。背側縫線核は[[中心灰白質]]の腹側、吻側は[[動眼神経核]]レベルから[[第4脳室]]尾側端まで分布する。背側縫線核はさらにinterfascicular、ventromedial, ventrolateral (いわゆるlateral wings)、caudal・rostral componentsに分けられ、それぞれからの入出力も異なる<ref name=ref1><pubmed>1783685</pubmed></ref> <ref name=ref2><pubmed>9466453</pubmed></ref>。特に外側のwingsと呼ばれる部位は、[[wj:ヒト|ヒト]]や[[wj:サル|サル]]では[[滑車神経]]周辺によく発達している。 | ||
B8とB5は[[内側縫線核]](median raphe)または[[上中心核]](nucleus centralis superior)と呼ばれ、吻側は[[上小脳脚]]交叉レベル、尾側は[[顔面神経丘]]の吻側レベルまで分布する。 | B8とB5は[[内側縫線核]](median raphe)または[[上中心核]](nucleus centralis superior)と呼ばれ、吻側は[[上小脳脚]]交叉レベル、尾側は[[顔面神経丘]]の吻側レベルまで分布する。 | ||
===投射=== | ===投射=== | ||
==== 吻側核群からの投射 ==== | ==== 吻側核群からの投射 ==== | ||
吻側核群からの軸索は[[小脳]]、[[中脳]]、[[間脳]]、辺縁系、[[大脳皮質]]に投射する。また、内側縫線核から背側縫線核への、または背側縫線核内のセロトニン細胞間の相互連絡が豊富であり、[[セロトニン]]細胞の[[自己受容体]]を介した自己の発火率の調節の制御にかかわっている可能性がある。 | |||
背側縫線核・内側縫線核からの投射線維はともに[[視床下部]]内を上行する[[内側前脳束]](medial forebrain bundle, MFB)の一部となって[[前脳]]領域に投射する。[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]では約25%の線維は[[有髄神経|有髄]]で<ref name=ref3 />, 背側縫線核から[[内包]]を通って皮質へ投射する経路が最大のものである。縫線核からの投射先は、[[ドーパミン]]系のそれに比べると広汎で脳のほとんどの部位に投射しているが、一定の規則性はあり、例えば核の吻側の細胞は脳の吻側に、外側の細胞は外側に投射する。 | 背側縫線核・内側縫線核からの投射線維はともに[[視床下部]]内を上行する[[内側前脳束]](medial forebrain bundle, MFB)の一部となって[[前脳]]領域に投射する。[[wikipedia:ja:霊長類|霊長類]]では約25%の線維は[[有髄神経|有髄]]で<ref name=ref3 />, 背側縫線核から[[内包]]を通って皮質へ投射する経路が最大のものである。縫線核からの投射先は、[[ドーパミン]]系のそれに比べると広汎で脳のほとんどの部位に投射しているが、一定の規則性はあり、例えば核の吻側の細胞は脳の吻側に、外側の細胞は外側に投射する。 | ||