「Transient receptor potentialチャネル」の版間の差分

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 TRPは、元来、1989年に[[ショウジョウバエ]]の[[光受容]]応答変異株の原因遺伝子として発見された遺伝子名である<ref name=Montell1989><pubmed>2516726</pubmed></ref> 。命名は、trp変異株で[[光受容器電位]](receptor potential)変化が一過性(transient)であることに由来する。TRP遺伝子により構成されるイオンチャネルは多くがNa<sup>+</sup>及び[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]の透過性が高い[[陽イオンチャネル]]であるが、Ca<sup>2+</sup>[[イオン選択性|選択性]]は大きく異なる<ref name=Mulier2017><pubmed>28807146</pubmed></ref> 。
 TRPは、元来、1989年に[[ショウジョウバエ]]の[[光受容]]応答変異株の原因遺伝子として発見された遺伝子名である<ref name=Montell1989><pubmed>2516726</pubmed></ref> 。命名は、trp変異株で[[光受容器電位]](receptor potential)変化が一過性(transient)であることに由来する。TRP遺伝子により構成されるイオンチャネルは多くがNa<sup>+</sup>及び[[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]の透過性が高い[[陽イオンチャネル]]であるが、Ca<sup>2+</sup>[[イオン選択性|選択性]]は大きく異なる<ref name=Mulier2017><pubmed>28807146</pubmed></ref> 。


 TRPチャネルは[[ホスファチジルイノシトール|PIP<sub>2</sub>]]、Ca<sup>2+</sup>、[[環状ヌクレオチド]]、温度、[[浸透圧]]などの細胞の[[シグナル伝達因子]]や、環境因子などに応答することから、物理学的・化学的刺激に対して広い範囲で応答するセンサーとして機能している<ref name=Clapham2003><pubmed>14654832</pubmed></ref> 。TRPチャネルの活性化開口により、[[膜電位]]の変化、Ca<sup>2+</sup>の細胞内流入によるCa<sup>2+</sup>依存性経路の活性化、酵素活性の変化、[[エンドサイトーシス]]・[[エキソサイトーシス]]などの細胞応答が引き起こされる。このため、TRPチャネルは、[[wj:受精|受精]]、[[感覚]]変換、細胞生存、発生など生命の基本的過程において重要な役割を担うことができる<ref name=Sawamura2017><pubmed>29356477</pubmed></ref> 。
 TRPチャネルは[[ホスファチジルイノシトール|PIP<sub>2</sub>]]、Ca<sup>2+</sup>、[[環状ヌクレオチド]]、温度、[[浸透圧]]などの細胞の[[シグナル伝達因子]]や、環境因子などに応答することから、物理学的・化学的刺激に対して広い範囲で応答するセンサーとして機能している<ref name=Clapham2003><pubmed>14654832</pubmed></ref> 。TRPチャネルの活性化開口により、[[膜電位]]の変化、Ca<sup>2+</sup>の細胞内流入によるCa<sup>2+</sup>依存性経路の活性化、酵素活性の変化、[[エンドサイトーシス]]・[[エキソサイトーシス]]などの細胞応答が引き起こされる。このため、TRPチャネルは、[[wj:受精|受精]]、[[感覚]]変換、細胞生存、発生など生命の基本的過程において重要な役割を担うことができる<ref name=Sawamura2017>'''Sawamura S, Shirakawa H, Nakagawa T, Mori Y, Kaneko S.'''<br>TRP Channels in the Brain: What Are They There For?.<br>In: Emir TLR, editor. ''Neurobiology of TRP Channels''. 2nd edition. Boca Raton (FL): CRC Press/Taylor & Francis; 2017. Chapter 16., ''Frontiers in Neuroscience''</ref> 。


== 構造 ==
== 構造 ==

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