9,444
回編集
細編集の要約なし |
細編集の要約なし |
||
5行目: | 5行目: | ||
== 分泌制御 == | == 分泌制御 == | ||
物理的、精神的などストレスの種類に関わらず、ストレスは[[視床下部 | 物理的、精神的などストレスの種類に関わらず、ストレスは[[視床下部|室傍核]]に神経細胞における[[コルチコトロピン放出ホルモン]](corticotropin-releasing hormone(CRH))の産生を高める。産生されたCRHは、神経細胞の軸索を通って[[下垂体]]茎周辺の毛細血管に放出され、[[下垂体前葉]]に運ばれ、前葉細胞の[[adrenocorticotropic hormone]] (ACTH)分泌細胞に作用し、ACTHの分泌を促進する。ACTHは血流に乗り、副腎皮質に至り、束状帯細胞に働きかけて[[細胞内情報伝達系]]を活性化し、[[ステロイド|コレステロール]]から[[プログネノロン]]の転換を促進し、グルココルチコイドの産生を促す。分泌されたグルココルチコイドは脂溶性であるため、[[血液脳関門]]による制御を受けずに脳内に入り、神経系の細胞に直接作用し、CRH、ACTHの分泌制御に留まらず、グルココルチコイド自身の分泌制御をも行うという、多重のループ機構を形成している。このように、脳はグルココルチコイドの分泌制御に重要な役割を演じているが、[[海馬]]における[[グルココルチコイド受容体]]の存在が明らかにされて以来<ref name=ref1><pubmed>4301849</pubmed></ref>、グルココルチコイドの脳内作用についての研究が進み、多くの知見が集積されてきている<ref name=ref2><pubmed>18067954</pubmed></ref>。例えば、ストレスに伴うグルココルチコイドの分泌亢進は、様々な脳の機能障害を引き起こすが、その脳内反応には、CRH、[[ノルアドレナリン]]や[[セロトニン]]などの[[モノアミン系]]、[[グルタミン酸]]などの[[興奮性アミノ酸]]、[[サイトカイン]]などが関与することが、新たに知られるようになった。そしてこれらの制御には、従来から考えられてきた[[hypothalamo-pituitary-adrenal(HPA)axis]]に加え、さらにその上位に位置する海馬や[[前頭前皮質]]のグルココルチコイド受容体を介したフィードバック機構が重要な役割を担っていると考えられるようになってきた<ref name=ref3><pubmed>10202533</pubmed></ref>。 | ||
== 受容体 == | == 受容体 == |