「チロシンリン酸化」の版間の差分

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=== 受容体型チロシンフォスファターゼ===
=== 受容体型チロシンフォスファターゼ===
 全ての受容体型チロシンフォスファターゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内の2つのフォスファターゼドメイン(D1およびD2)を持つ。細胞外には、イムノグロブリンドメインやフィブロネクチンⅢ型ドメインの繰り返し配列を持つ例が知られる。細胞内のD1およびD2ドメインは、280程のアミノ酸残基からなり、活性中心配列は(I/V)HCXAGXXR(S/T)Gである。これらのドメインは高度に保存されているが、膜に近い側のD1ドメインが主としてフォスファターゼ活性を担い、C末端側のD2ドメインは様々な結合タンパク質と会合する<ref><pubmed>17085782</pubmed></ref>。SyndecanがLARと結合してそのフォスファターゼ活性を抑制する、PleiotrophinがリガンドとしてPTP&zeta;に結合し、その活性を低下させて基質である&beta;cateninや&alpha;adducinのチロシンリン酸化を亢進し、神経突起伸長を制御する、等の例が知られる。
 全ての受容体型チロシンフォスファターゼは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内の2つのフォスファターゼドメイン(D1およびD2)を持つ。細胞外には、イムノグロブリンドメインやフィブロネクチンⅢ型ドメインの繰り返し配列を持つ例が知られる。細胞内のD1およびD2ドメインは、280程のアミノ酸残基からなり、活性中心配列は(I/V)HCXAGXXR(S/T)Gである。これらのドメインは高度に保存されているが、膜に近い側のD1ドメインが主としてフォスファターゼ活性を担い、C末端側のD2ドメインは様々な結合タンパク質と会合する<ref><pubmed>17085782</pubmed></ref>。PTPと結合する分子に付いては未だ不明な点が多いが、これまでに、(1) ヘパラン硫酸プロテオグリカンであるSyndecanがLARと結合してそのフォスファターゼ活性を抑制し、軸索伸長を制御する (2) PleiotrophinがリガンドとしてPTP&zeta;に結合し、その活性を低下させて基質である&beta;cateninのチロシンリン酸化を亢進し、神経突起形成を制御する (3) シナプス前膜側のPTP&delta;がシナプス後膜側の精神疾患原因遺伝子IL1RAPL1と''trans''-synapticに結合し、シナプス形成を促進する、等の研究報告が知られている。


=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
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