「チロシンリン酸化」の版間の差分

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=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
=== 非受容体型チロシンフォスファターゼ===
 非受容体型チロシンフォスファターゼは受容体型チロシンフォスファターゼと異なり、膜貫通ドメインを持たず、1つのフォスファターゼドメインとそのN末かC末側に様々なドメインを有する。神経系で重要な役割を果たすものとして、PTP1B、[[wikipedia:PTEN_(gene)|PTEN]]、STEP、PTP-SL、SHP1、[[wikipedia:PTPN11|SHP-2]]、PTPMEG等などがある<ref><pubmed>14625689</pubmed></ref>。小脳プルキンエ細胞において、グルタミン酸受容体GluD2にPTPMEGが結合し、AMPA型グルタミン酸受容体GluA2のチロシンリン酸化状態を制御して、長期抑圧の誘導に関与する、等の研究報告が知られている。
 非受容体型チロシンフォスファターゼは受容体型チロシンフォスファターゼと異なり、膜貫通ドメインを持たず、1つのフォスファターゼドメインとそのN末かC末側に様々なドメインを有する。神経系で重要な役割を果たすものとして、PTP1B、[[wikipedia:PTEN_(gene)|PTEN]]、STEP、PTP-SL、SHP1、[[wikipedia:PTPN11|SHP-2]]、PTPMEG等などがある<ref><pubmed>14625689</pubmed></ref>。小脳プルキンエ細胞において、グルタミン酸受容体GluD2にPTPMEGが結合し、AMPA型グルタミン酸受容体GluA2のチロシンリン酸化状態を制御して、長期抑圧の誘導に関与する、等の研究報告が知られている<ref><pubmed>23431139</pubmed></ref>。


==生理機能==
==生理機能==


 チロシンリン酸化の神経機能における役割としては、[[シナプス前膜]]側からの[[神経伝達物質]]放出の調節、様々な[[電位依存性イオンチャネル]]および[[リガンド依存性イオンチャネル]]の[[コンダクタンス]]と[[開口確率]]の制御<ref><pubmed>11668044</pubmed></ref>、[[グルタミン酸受容体]]をはじめとした多くのタンパク質分子の[[シナプス]]での局在と輸送過程の制御が報告されている。更に、それらに伴い、神経可塑性と個体レベルの行動に変化がおこることが知られている。また、他の役割として、神経回路、[[神経筋接合部]]や[[ミエリン]]構造の形成、[[樹状突起]]の形態形成や[[軸索]]伸長等の過程において、チロシンリン酸化依存的な制御が挙げられる<ref><pubmed>21508038</pubmed></ref>。(総説だけでなく、原著も入れて頂ければと思います)
 チロシンリン酸化の神経機能における役割としては、[[シナプス前膜]]側からの[[神経伝達物質]]放出の調節、様々な[[電位依存性イオンチャネル]]および[[リガンド依存性イオンチャネル]]の[[コンダクタンス]]と[[開口確率]]の制御<ref><pubmed>11668044</pubmed></ref>、[[グルタミン酸受容体]]をはじめとした多くのタンパク質分子の[[シナプス]]での局在と輸送過程の制御が報告されている。更に、それらに伴い、神経可塑性と個体レベルの行動に変化がおこることが知られている。また、他の役割として、神経回路、[[神経筋接合部]]や[[ミエリン]]構造の形成、[[樹状突起]]の形態形成や[[軸索]]伸長等の過程において、チロシンリン酸化依存的な制御が挙げられる<ref><pubmed>21508038</pubmed></ref>


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
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