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== サブファミリー ==
== サブファミリー ==
 一般的に単にアクチビンと表記される場合は、アクチビンAを示すことが多い。主要な二量体のアクチビンはアクチビンA、B、ABである。TGF-βスーパーファミリーには、多くが知られており、TGF-βサブグループ、[[骨形成因子]] ([[bone morphogenetic protein]]; [[BMP]])サブグループ、アクチビン/[[ノーダル]]サブグループに大別される。構造上、アクチビンは、[[マイオスタチン]]、[[成長分化因子11]] ([[growth differentiation factor 11]]); [[GDF11]])に類似している。アクチビンを構成するアクチビンβ鎖はそれぞれ9個のシステインを持つが、多くのTGF-βファミリーに属する分子で保存されている。そのうちの1つのシステインがアクチビンβ鎖の二量体形成に寄与し、他のシステインはサブユニット内のジスルフィド結合に関与し二量体の安定化を支持している。サブファミリーとして、アクチビンには、アクチビンβ鎖を共有した阻害因子のインヒビンが存在することがTGF-βスーパーファミリーの中でユニークである。
 一般的に単にアクチビンと表記される場合は、アクチビンAを示すことが多い。主要な二量体のアクチビンはアクチビンA、B、ABである。TGF-βスーパーファミリーには、多くが知られており、TGF-βサブグループ、[[骨形成因子]] ([[bone morphogenetic protein]]; [[BMP]])サブグループ、アクチビン/[[ノーダル]]サブグループに大別される。構造上、アクチビンは、[[マイオスタチン]]、[[成長分化因子11]] ([[growth differentiation factor 11]]; [[GDF11]])に類似している。アクチビンを構成するアクチビンβ鎖はそれぞれ9個のシステインを持つが、多くのTGF-βファミリーに属する分子で保存されている。そのうちの1つのシステインがアクチビンβ鎖の二量体形成に寄与し、他のシステインはサブユニット内のジスルフィド結合に関与し二量体の安定化を支持している。サブファミリーとして、アクチビンには、アクチビンβ鎖を共有した阻害因子のインヒビンが存在することがTGF-βスーパーファミリーの中でユニークである。
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig4.png|サムネイル|'''図3. アクチビンのII型およびI型受容体''']]
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=== I型受容体 ===
=== I型受容体 ===
 I型受容体は、[[activin-receptor like kinase]] ([[ALK]])と総称され、[[ALK1]]~[[ALK7|7]]まで存在する。主に[[ALK4]]([[ActRIB]], ACVRIB)であり、アクチビンA、ABのシグナルを伝達する。アクチビンBに関しては、その生理活性がアクチビンAより弱いことが知られていたが、II型受容体への結合が弱いためと考えられている。そして、I型受容体として主としてALK7 ([[ACVR1C]]、[[ActRIC]])を活性化する<ref name=Bernard2006><pubmed>17040568</pubmed></ref><ref name=Tsuchida2004><pubmed>15196700</pubmed></ref>(Table 1)。ALK7(ACVR1C)は神経系と脂肪組織での発現が高く、アクチビンB以外に、[[成長分化因子3]] ([[GDF3]]), [[成長分化因子1]] ([[GDF1]]), ノーダルの受容体としても働く<ref name=Reissmann2001><pubmed>11485994</pubmed></ref><ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref>。GDF3、GDF1、ノーダルの場合は[[EGF-CFC]]ファミリーに属する[[cripto]]または[[cryptic]]が補助因子として受容体の活性化に寄与する。
 I型受容体は、[[activin-receptor like kinase]] ([[ALK]])と総称され、[[ALK1]]~[[ALK7|7]]まで存在する。主に[[ALK4]]([[ActRIB]], ACVRIB)であり、アクチビンA、ABのシグナルを伝達する。アクチビンBに関しては、その生理活性がアクチビンAより弱いことが知られていたが、II型受容体への結合が弱いためと考えられている。そして、I型受容体として主としてALK7 ([[ACVR1C]]、[[ActRIC]])を活性化する<ref name=Bernard2006><pubmed>17040568</pubmed></ref><ref name=Tsuchida2004><pubmed>15196700</pubmed></ref>(Table 1)。ALK7(ACVR1C)は神経系と脂肪組織での発現が高く、アクチビンB以外に、[[成長分化因子3]] ([[GDF3]]), [[成長分化因子1]] ([[GDF1]])、[[ノーダル]]の受容体としても働く<ref name=Reissmann2001><pubmed>11485994</pubmed></ref><ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref>。GDF3、GDF1、ノーダルの場合は[[EGF-CFC]]ファミリーに属する[[cripto]]または[[cryptic]]が補助因子として受容体の活性化に寄与する。
 
=== II型受容体 ===
=== II型受容体 ===
 アクチビンは、II型受容体の細胞外領域に結合する。II型受容体は恒常的に[[リン酸化]]されている。II型受容体としては、[[ActRIIA]] (ACVR2A)が[[発現クローニング]]の手法で最初に同定された。その後、[[ActRIIB]] (ACVR2B)が発見された<ref name=Mathews1991><pubmed>1646080</pubmed></ref><ref name=Attisano1992><pubmed>1310075</pubmed></ref><ref name=Tsuchida2008><pubmed>17878607</pubmed></ref>。ACVR2AとACVR2Bの両者はアクチビンのII型受容体として働く。
 アクチビンは、II型受容体の細胞外領域に結合する。II型受容体は恒常的に[[リン酸化]]されている。II型受容体としては、[[ActRIIA]] (ACVR2A)が[[発現クローニング]]の手法で最初に同定された。その後、[[ActRIIB]] (ACVR2B)が発見された<ref name=Mathews1991><pubmed>1646080</pubmed></ref><ref name=Attisano1992><pubmed>1310075</pubmed></ref><ref name=Tsuchida2008><pubmed>17878607</pubmed></ref>。ACVR2AとACVR2Bの両者はアクチビンのII型受容体として働く。
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 I型受容体はアクチビン二量体のくぼみの部分に、II型受容体にはナックル領域に結合する<ref name=Greenwald2004><pubmed>15304227</pubmed></ref><ref name=Thompson2003><pubmed>12660162</pubmed></ref>。
 I型受容体はアクチビン二量体のくぼみの部分に、II型受容体にはナックル領域に結合する<ref name=Greenwald2004><pubmed>15304227</pubmed></ref><ref name=Thompson2003><pubmed>12660162</pubmed></ref>。


 インヒビンAは[[アクチビンII型受容体]]に結合し、[[βグリカン]]を共受容体とすることでアクチビンのII型受容体への結合を抑制しアクチビンに拮抗する。インヒビンBのアクチビンII型受容体への結合は下垂体前葉の[[性線刺激ホルモン]]産生細胞([[ゴナドトロフ]])に特異的に発現する[[transforming growth factor beta receptor 3 like]] ([[TGFBR3L]])を[[共受容体]]とすることで高まりアクチビンと拮抗する<ref name=Brule2021><pubmed>34910520</pubmed></ref><ref name=Lewis2000><pubmed>10746731</pubmed></ref>'''(表1)'''。
 インヒビンAは[[アクチビンII型受容体]]に結合し、[[βグリカン]]を共受容体とすることでアクチビンのII型受容体への結合を抑制しアクチビンに拮抗する。インヒビンBのアクチビンII型受容体への結合は下垂体前葉の[[性腺刺激ホルモン]]産生細胞([[ゴナドトロフ]])に特異的に発現する[[transforming growth factor beta receptor 3 like]] ([[TGFBR3L]])を[[共受容体]]とすることで高まりアクチビンと拮抗する<ref name=Brule2021><pubmed>34910520</pubmed></ref><ref name=Lewis2000><pubmed>10746731</pubmed></ref>'''(表1)'''。


 アクチビン受容体にはスプライシングの違いによるアイソフォームが存在する。ActRIIA (ACVR2A)には、神経系特異的なActRIIA-Nが知られている<ref name=Shoji1998><pubmed>9610356</pubmed></ref>。ActRIIB(ACVR2B)にも4種のスプライシングバリアントが報告されている<ref name=Attisano1992><pubmed>1310075</pubmed></ref>。ActRIB (ACVRIB)には[[下垂体腺腫]]特異的バリアントが存在する。カルボキシル末端欠損型が見られ、[[優勢阻害体]]として作用する<ref name=Alexander1996><pubmed>8636304</pubmed></ref>。ActRIC(ACVR1C)にもバリアントが知られている<ref name=Roberts2003><pubmed>12606401</pubmed></ref>。
 アクチビン受容体にはスプライシングの違いによるアイソフォームが存在する。ActRIIA (ACVR2A)には、神経系特異的なActRIIA-Nが知られている<ref name=Shoji1998><pubmed>9610356</pubmed></ref>。ActRIIB(ACVR2B)にも4種のスプライシングバリアントが報告されている<ref name=Attisano1992><pubmed>1310075</pubmed></ref>。ActRIB (ACVRIB)には[[下垂体腺腫]]特異的バリアントが存在する。カルボキシル末端欠損型が見られ、[[優性阻害体]]として作用する<ref name=Alexander1996><pubmed>8636304</pubmed></ref>。ActRIC(ACVR1C)にもバリアントが知られている<ref name=Roberts2003><pubmed>12606401</pubmed></ref>。


 フォリスタチンは、細胞外でアクチビンと2:1(フォリスタチン2分子にアクチビン1分子)で結合しその機能を阻害する。詳細はフォリスタチンの項を参照されたい。
 [[フォリスタチン]]は、細胞外でアクチビンと2:1(フォリスタチン2分子にアクチビン1分子)で結合しその機能を阻害する。詳細は[[フォリスタチン]]の項を参照されたい。


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[[ファイル:Tsuchida Activin Fig5.png|サムネイル|'''図5. アクチビンのシグナル伝達の概要''']]
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig5.png|サムネイル|'''図5. アクチビンのシグナル伝達の概要''']]
===細胞内情報伝達===
===細胞内情報伝達===
 アクチビンがII型受容体の細胞外領域と結合しI型受容体と複合体を形成すると、I型受容体の細胞内領域にある[[グリシン]]/[[セリン]]に富んだGS領域がII型受容体によりリン酸化を受ける。アクチビンの細胞内シグナルは、受容体の下流ではTGF-β型の[[Smad]]である[[Smad2]]/[[Smad3|3]]をリン酸化し、[[Smad4]]と共に[[核]]移行し様々な[[転写活性因子]]と相互作用し転写を調節している('''図5''')。フィードバックにより、抑制型Smadである[[Smad6]]/[[Smad7|7]]で阻害される。アクチビンのI型受容体(ACVR1BとACVR1C)はTGF-βのI型受容体である[[ALK5]]と構造及び機能面で類似しており、細胞内シグナルもTGF-βと共通点が多い<ref name=Tsuchida2008><pubmed>17878607</pubmed></ref>。
 アクチビンがII型受容体の細胞外領域と結合しI型受容体と複合体を形成すると、I型受容体の細胞内領域にある[[グリシン]]/[[セリン]]に富んだGS領域がII型受容体によりリン酸化を受ける。アクチビン受容体の細胞内シグナルは、[[Smad]]と呼ばれる一群の分子によって伝達される。受容体が活性化されると[[Smad2]]/[[Smad3|3]]をリン酸化し、[[Smad4]]と共に[[核]]移行し様々な[[転写活性因子]]と相互作用し転写を調節している('''図5''')。フィードバックにより、抑制型Smadである[[Smad6]]/[[Smad7|7]]で阻害される。アクチビンのI型受容体(ACVR1BとACVR1C)はTGF-βのI型受容体である[[ALK5]]と構造及び機能面で類似しており、細胞内シグナルもTGF-βと共通点が多い<ref name=Tsuchida2008><pubmed>17878607</pubmed></ref>。


== 発現 ==
== 発現 ==
 アクチビンAの[[mRNA]]やタンパク質は多くの組織で発現が確認される。神経系では、海馬では[[CA1]], [[CA3]], [[歯状回]]での発現が確認されている。[[長期増強]]([[long-term potentiation]]; [[LTP]])誘導刺激で、海馬での発現が顕著に上昇する<ref name=Andreasson1995><pubmed>8596648</pubmed></ref><ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref><ref name=Tretter1996><pubmed>8905672</pubmed></ref>。
 アクチビンAの[[mRNA]]やタンパク質は多くの組織で発現が確認される。神経系では、海馬では[[CA1]], [[CA3]], [[歯状回]]での発現が確認されている。[[長期増強]]([[long-term potentiation]]; [[LTP]])誘導刺激で、海馬での発現が顕著に上昇する<ref name=Andreasson1995><pubmed>8596648</pubmed></ref><ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref><ref name=Tretter1996><pubmed>8905672</pubmed></ref>。


 アクチビンBのmRNAやタンパク質は、神経系では、[[大脳皮質]]、海馬、[[嗅球]]、[[延髄]]、[[小脳]]、[[視床]]で発現する。ACVR2Aの神経系での発現は、[[皮質]][[サブプレート]]、海馬、嗅球で多く見られる。ACVR1Bは、神経系で大脳皮質、海馬、嗅球、[[線状体]]など多くの組織で発現する。ACVR1Cは、[[前脳]]、海馬CA3、[[基底核]]、視床、小脳での発現が見られる<ref name=Tsuchida1996><pubmed>8875430</pubmed></ref>。
 アクチビンBのmRNAやタンパク質は、神経系では、[[大脳皮質]]、海馬、[[嗅球]]、[[延髄]]、[[小脳]]、[[視床]]で発現する。ACVR2Aの神経系での発現は、[[皮質]][[サブプレート]]、海馬、嗅球で多く見られる。ACVR1Bは、神経系で大脳皮質、海馬、嗅球、[[線条体]]など多くの組織で発現する。ACVR1Cは、[[前脳]]、海馬CA3、[[基底核]]、視床、小脳での発現が見られる<ref name=Tsuchida1996><pubmed>8875430</pubmed></ref>。


== 機能 ==
== 機能 ==
 アクチビンは、多彩な作用を持つ。生殖腺顆粒膜細胞や[[膵]]内分泌細胞の分化促進、[[赤芽球]]分化促進、[[肝細胞]]や免疫[[B細胞]]の[[アポトーシス]]誘導、神経細胞の保護作用を列挙することができる。神経細胞の生存因子としても精製されている<ref name=Schubert1990><pubmed>2330043</pubmed></ref>。アクチビンの存在する組織にはフォリスタチンが共存し作用を調節している。アクチビンのシグナルでフォリスタチンの発現は上昇する。肝臓特異的な発現をするアクチビンCとアクチビンEは代謝調節に関与している。
 アクチビンは、多彩な作用を持つ。生殖腺顆粒膜細胞や[[膵]]内分泌細胞の分化促進、[[赤芽球]]分化促進、[[肝細胞]]や免疫[[B細胞]]の[[アポトーシス]]誘導、神経細胞の保護作用を列挙することができる。肝臓特異的な発現をするアクチビンCとアクチビンEは代謝調節に関与している。神経細胞の生存因子としても精製されている<ref name=Schubert1990><pubmed>2330043</pubmed></ref>。アクチビンの存在する組織にはフォリスタチンが共存し作用を調節している。アクチビンのシグナルでフォリスタチンの発現は上昇する。


===内分泌系===
===内分泌系===
 ラット下垂体前葉細胞では主にオートクリンの機構で作用する。阻害抗体でFSH分泌が抑制されることから下垂体ではアクチビンBが自己分泌機能により基礎的なFSH分泌・産生を主に調節している<ref name=Corrigan1991><pubmed>1900235</pubmed></ref><ref name=Bilezikjian1993><pubmed>8243276</pubmed></ref>。FSHβ鎖サブユニットのmRNA発現を安定化させFSH分泌を促す作用を持つ<ref name=Justice2011><pubmed>21700720</pubmed></ref>。パラクリン作用で下垂体内の他のホルモン分泌にも寄与する可能性がある。
 [[ラット]]下垂体前葉細胞では主にオートクリンの機構で作用する。阻害抗体でFSH分泌が抑制されることから下垂体ではアクチビンBが自己分泌機能により基礎的なFSH分泌・産生を主に調節している<ref name=Corrigan1991><pubmed>1900235</pubmed></ref><ref name=Bilezikjian1993><pubmed>8243276</pubmed></ref>。FSHβ鎖サブユニットのmRNA発現を安定化させFSH分泌を促す作用を持つ<ref name=Justice2011><pubmed>21700720</pubmed></ref>。パラクリン作用で下垂体内の他のホルモン分泌にも寄与する可能性がある。
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig6.png|サムネイル|'''図6. 脳におけるアクチビンの機能''']]
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig6.png|サムネイル|'''図6. 脳におけるアクチビンの機能''']]
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig7.png|サムネイル|'''図7. シナプスでのアクチビンのシグナル''']]
[[ファイル:Tsuchida Activin Fig7.png|サムネイル|'''図7. シナプスでのアクチビンのシグナル''']]
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 海馬などに見られる[[興奮性シナプス]]では、[[神経伝達物質]]の受け取り側の[[シナプス後部]]は[[樹状突起棘]]([[スパイン]])の上に形成され、[[記憶素子]]として重要である。アクチビンには、スパイン頸部を伸長させる効果と各スパインに接触する[[シナプス前部]]数を増加させる作用がある<ref name=Shoji-Kasai2007><pubmed>17940062</pubmed></ref>。この効果は、[[Erk1]]/[[Erk2|2]]のリン酸化を介している。
 海馬などに見られる[[興奮性シナプス]]では、[[神経伝達物質]]の受け取り側の[[シナプス後部]]は[[樹状突起棘]]([[スパイン]])の上に形成され、[[記憶素子]]として重要である。アクチビンには、スパイン頸部を伸長させる効果と各スパインに接触する[[シナプス前部]]数を増加させる作用がある<ref name=Shoji-Kasai2007><pubmed>17940062</pubmed></ref>。この効果は、[[Erk1]]/[[Erk2|2]]のリン酸化を介している。


 興奮性シナプス入力によりアクチビンβAのmRNAが急速かつ一過性に誘導される<ref name=Andreasson1995><pubmed>8596648</pubmed></ref><ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref>。長期増強を誘導するテタヌス刺激によって海馬の顆粒細胞ニューロンで誘導され、それは[[NMDA型グルタミン酸受容体]]依存性である。[[カイニン酸]]刺激による[[てんかん]]誘導や海馬損傷でも強く誘導される<ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref><ref name=Tretter1996><pubmed>8905672</pubmed></ref>。[[塩基性繊維芽細胞増殖因子]] ([[basic fibroblast growth factor]], [[bFGF]])には神経保護作用があるが、アクチビンが仲介している<ref name=Tretter2000><pubmed>10888932</pubmed></ref>。bFGFと協調し線状体ニューロンで[[チロシン水酸化酵素]]を誘導する<ref name=Bao2005><pubmed>15749808</pubmed></ref>。また、アクチビンAには[[パーキンソン病]]のモデル動物で[[中脳]]神経細胞の保護作用と抗炎症作用を持つことが報告されている<ref name=Stayte2015><pubmed>25902062</pubmed></ref><ref name=Stayte2017><pubmed>28121982</pubmed></ref>。脳[[虚血]]時に誘導され、[[p38]]や[[JNK]]を介して神経保護作用・神経細胞生存作用を持つ<ref name=Tretter2000><pubmed>10888932</pubmed></ref>。
 興奮性シナプス入力によりアクチビンβAのmRNAが急速かつ一過性に誘導される<ref name=Andreasson1995><pubmed>8596648</pubmed></ref><ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref>。[[長期増強]]を誘導するテタヌス刺激によって海馬の顆粒細胞ニューロンで誘導され、それは[[NMDA型グルタミン酸受容体]]依存性である。[[カイニン酸]]刺激による[[てんかん]]誘導や海馬損傷でも強く誘導される<ref name=Inokuchi1996><pubmed>8612762</pubmed></ref><ref name=Tretter1996><pubmed>8905672</pubmed></ref>。[[塩基性線維芽細胞増殖因子]] ([[basic fibroblast growth factor]], [[bFGF]])には神経保護作用があるが、アクチビンが仲介している<ref name=Tretter2000><pubmed>10888932</pubmed></ref>。bFGFと協調し線条体ニューロンで[[チロシン水酸化酵素]]を誘導する<ref name=Bao2005><pubmed>15749808</pubmed></ref>。また、アクチビンAには[[パーキンソン病]]のモデル動物で[[中脳]]神経細胞の保護作用と抗炎症作用を持つことが報告されている<ref name=Stayte2015><pubmed>25902062</pubmed></ref><ref name=Stayte2017><pubmed>28121982</pubmed></ref>。脳[[虚血]]時に誘導され、[[p38]]や[[JNK]]を介して神経保護作用・神経細胞生存作用を持つ<ref name=Tretter2000><pubmed>10888932</pubmed></ref>。


 一方、アクチビンの発現レベルが[[神経新生]]に関与する。フォリスタチンによってアクチビン活性が抑制されると、神経新生が低下し、その結果、[[不安行動]]が増強される<ref name=Ageta2008><pubmed>18382659</pubmed></ref>。さらに、アクチビンは、海馬CA1での[[前期LTP]] ([[early-LTP]], [[E-LTP]])の持続期間を長くし、[[後期LTP]]([[late-LTP]], [[L-LTP]])の維持に関与する。脳内のアクチビンのレベルに依存して、記憶の強化あるいは記憶の[[再固定化]]や[[記憶消去]]に関与する<ref name=Ageta2010><pubmed>20332189</pubmed></ref>'''(図6)'''。
 一方、アクチビンの発現レベルが[[神経新生]]に関与する。フォリスタチンによってアクチビン活性が抑制されると、神経新生が低下し、その結果、[[不安行動]]が増強される<ref name=Ageta2008><pubmed>18382659</pubmed></ref>。さらに、アクチビンは、海馬CA1での[[前期LTP]] ([[early-LTP]], [[E-LTP]])の持続期間を長くし、[[後期LTP]]([[late-LTP]], [[L-LTP]])の維持に関与する。脳内のアクチビンのレベルに依存して、記憶の強化あるいは記憶の[[再固定化]]や[[記憶消去]]に関与する<ref name=Ageta2010><pubmed>20332189</pubmed></ref>'''(図6)'''。


 アクチビンは海馬ニューロンにおいて、持続的なNMDA型グルタミン酸受容体の[[リン酸化]]を引き起こすことで[[カルシウム]]を流入させる。アクチビンII型受容体は、カルボキシル末端で後シナプスの裏打ちタンパク質である[[S-SCAM]] ([[ARIP1]])や[[PSD-95]]と結合する。アクチビン受容体、NMDA型グルタミン酸受容体、PSD-95、[[S-SCAM]]が複合体を形成し、[[Fyn]]を含む[[Src]]ファミリーの[[チロシンキナーゼ]]を活性化することが持続的なNMDA型グルタミン酸受容体の活性化につながると想定されている<ref name=Kurisaki2008><pubmed>18201830</pubmed></ref>(図7)。
 アクチビンは海馬ニューロンにおいて、持続的なNMDA型グルタミン酸受容体の[[リン酸化]]を引き起こすことで[[カルシウム]]を流入させる。アクチビンII型受容体は、カルボキシル末端で後シナプスの裏打ちタンパク質である[[S-SCAM]] ([[ARIP1]])や[[PSD-95]]と結合する。アクチビン受容体、NMDA型グルタミン酸受容体、PSD-95、S-SCAMが複合体を形成し、[[Fyn]]を含む[[Src]]ファミリーの[[チロシンキナーゼ]]を活性化することが持続的なNMDA型グルタミン酸受容体の活性化につながると想定されている<ref name=Kurisaki2008><pubmed>18201830</pubmed></ref>(図7)。


 ACVR1C (ALK7)は海馬を含めた中枢神経での発現が高い。運動負荷を与えると、CA1領域を含めた背側海馬での発現が上昇し、記憶に関与する分子として作用するとの報告がある<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref><ref name=LaTour2024><pubmed>39137861</pubmed></ref>。主に記憶の固定化における[[空間記憶]]と[[認知]]機能を評価する試験として、[[物体位置記憶]] ([[object location memory]]; [[OLM]])がある。物体の位置を記憶させ、後で再認識することで、主に記憶の固定化における空間的記憶と認知機能を評価する試験である。増加したACVR1Cは、記憶の固定化、LTPに寄与すること、阻害剤でそれが抑制されることから記憶に深く関わる分子と考えられている。こうしたACVR1Cの発現挙動は[[脳由来神経成長因子]] ([[brain-derived neurotrophic factor]]; [[BDNF]])と類似している。自発的運動と長期増強やシナプス可塑性をつなぐ数少ない遺伝子である。[[アルツハイマー病]]や老化モデル動物の海馬ではACVR1Cが低下しており、強制発現させると記憶機能の回復が見られた<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref>。
 ACVR1C (ALK7)は海馬を含めた中枢神経での発現が高い。運動負荷を与えると、[[CA1]]領域を含めた背側海馬での発現が上昇し、記憶に関与する分子として作用するとの報告がある<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref><ref name=LaTour2024><pubmed>39137861</pubmed></ref>。主に記憶の固定化における[[空間記憶]]と[[認知]]機能を評価する試験として、物体の位置を記憶させ、後で再認識するかどうかを確かめる[[物体位置記憶]] ([[object location memory]]; [[OLM]])がある。増加したACVR1Cは、LTPに寄与するばかりではなく、物体位置記憶の固定化を促すこと、されに阻害剤でそれらが抑制されることから記憶に深く関わる分子と考えられている。こうしたACVR1Cの発現挙動は[[脳由来神経成長因子]] ([[brain-derived neurotrophic factor]]; [[BDNF]])と類似している。自発的運動と長期増強やシナプス可塑性をつなぐ数少ない遺伝子である。[[アルツハイマー病]]や老化モデル動物の海馬ではACVR1Cが低下しており、強制発現させると記憶機能の回復が見られた<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref>。


 [[シナプスタギング]]は、特定のシナプスが可塑的変化を維持するために「タグ(標識)」を形成し、その後のタンパク質合成依存的なL-LTPを形成する過程である([[シナプスタグ仮説]]は関連項目を参照。)。アクチビン受容体の一つであるACVR1Cが、シナプスタギングによる可塑性と長期増強の両者に関与する機構が想定されている<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref><ref name=Park2017><pubmed>28927503</pubmed></ref>。
 [[シナプスタギング]]は、特定のシナプスが可塑的変化を維持するために「タグ(標識)」を形成し、その後のタンパク質合成依存的なL-LTPを形成する過程である([[シナプスタグ仮説]]は関連項目を参照。)。アクチビン受容体の一つであるACVR1Cが、シナプスタギングによる可塑性と長期増強の両者に関与する機構が想定されている<ref name=Keiser2024><pubmed>38714691</pubmed></ref><ref name=Park2017><pubmed>28927503</pubmed></ref>。


=== 発生===
=== 発生===
 アクチビンの[[ツメガエル]]胚の[[アニマルキャップ]]刺激による強力な[[中胚葉]]誘導作用は関連研究を大きく進展させた。アクチビンの濃度依存的に様々な臓器形成を誘導することが可能なことが明らかになっており、再生医療の発端であったと言える<ref name=Asashima2024><pubmed>38295873</pubmed></ref>。
 アクチビンの[[ツメガエル]]胚の[[アニマルキャップ]]に作用させると[[中胚葉]]が誘導される。アクチビンの濃度依存的に様々な臓器形成を誘導することが可能なことが明らかになっており、再生医療の発端であったと言える<ref name=Asashima2024><pubmed>38295873</pubmed></ref>。


 [[多能性幹細胞]]である[[胚性幹細胞]] ([[ES細胞]]; [[embryonic stem cell]])の培養系やembryoid bodyにおいて多分化能の維持や分化には多くの因子が働いている。アクチビンは、幹細胞の神経誘導に関与する。また、胚性幹細胞由来の[[終脳]][[神経前駆細胞]]における[[皮質]][[介在ニューロン]]分化を制御している<ref name=Cambray2012><pubmed>22588303</pubmed></ref>。ES, [[iPS細胞]]を用いた研究から、アクチビンは線状体投射ニューロンへの細胞分化の決定に関与するものと考えられる<ref name=Arber2015><pubmed>25804741</pubmed></ref>。近年の再生医療研究に欠かせない因子となっている。
 [[多能性幹細胞]]である[[胚性幹細胞]] ([[ES細胞]]; [[embryonic stem cell]])の培養系や[[embryoid body]]において[[多分化能]]の維持や分化には多くの因子が働いている。アクチビンは、[[幹細胞]]の神経誘導に関与する。また、胚性幹細胞由来の[[終脳]][[神経前駆細胞]]における[[皮質]][[介在ニューロン]]分化を制御している<ref name=Cambray2012><pubmed>22588303</pubmed></ref>。ES, [[iPS細胞]]を用いた研究から、アクチビンは線条体投射ニューロンへの細胞分化の決定に関与するものと考えられる<ref name=Arber2015><pubmed>25804741</pubmed></ref>。近年の再生医療研究に欠かせない因子となっている。


=== 骨格筋===
=== 骨格筋===
 アクチビンと構造上類似した[[マイオスタチン]]は[[骨格筋]]により産生され全身の骨格筋に作用し筋肉量を負に調節していることが、[[マウス]]、[[ウシ]]、[[ヒツジ]]、[[魚類]]で確認されている<ref name=Kresak2023><pubmed>36642816</pubmed></ref><ref name=Lee1999><pubmed>10508689</pubmed></ref>。[[マイオカイン]]の1種である。アクチビンも筋量を調節しており、特に[[ヒト]]を含めた[[霊長類]]ではマイオスタチンと共にアクチビンが筋量を調節している可能性が高い<ref name=Latres2017><pubmed>28452368</pubmed></ref><ref name=Lee2007><pubmed>17726519</pubmed></ref><ref name=Lee2010><pubmed>20810712</pubmed></ref>。
 アクチビンと構造上類似した[[マイオスタチン]]は[[骨格筋]]により産生され全身の骨格筋に作用し筋肉量を負に調節していることが、[[マウス]]、[[ウシ]]、[[ヒツジ]]、[[魚類]]で確認されている<ref name=Lee1999><pubmed>10508689</pubmed></ref>。[[マイオカイン]]の1種である。アクチビンも筋量を調節しており、特に[[ヒト]]を含めた[[霊長類]]ではマイオスタチンと共にアクチビンが筋量を調節している可能性が高い<ref name=Latres2017><pubmed>28452368</pubmed></ref><ref name=Lee2007><pubmed>17726519</pubmed></ref><ref name=Lee2010><pubmed>20810712</pubmed></ref>。


 加齢にともなう筋萎縮である[[サルコペニア]]誘導や[[がん]][[悪液質]]では、アクチビンシグナルが過剰に働いており、その阻害によって病態改善効果が期待されている<ref name=Chen2014><pubmed>24378873</pubmed></ref><ref name=Lee2011><pubmed>21798080</pubmed></ref><ref name=Zhou2010><pubmed>20723755</pubmed></ref>。
 加齢にともなう筋萎縮である[[サルコペニア]]誘導や[[がん]][[悪液質]]では、アクチビンシグナルが過剰に働いており、その阻害によって病態改善効果が期待されている<ref name=Chen2014><pubmed>24378873</pubmed></ref><ref name=Lee2011><pubmed>21798080</pubmed></ref><ref name=Zhou2010><pubmed>20723755</pubmed></ref>。


=== ノックアウト動物 ===
=== ノックアウト動物 ===
 アクチビンと関連する受容体については、遺伝子破壊ノックアウト(KO)マウスが作製され解析されている。
 アクチビンと関連する受容体の遺伝子破壊[[ノックアウトマウス|ノックアウト(KO)マウス]]が作製され解析されている。


 アクチビンA(アクチビンβA遺伝子)のKOマウスは、生後24時間以内に死亡する。マウスの解析から、アクチビンAは[[口蓋]]、[[頬鬚]]、[[下顎]][[切歯]]形成、[[頭蓋]]顔面形成に関与する<ref name=Matzuk1995><pubmed>7885474</pubmed></ref>。
 アクチビンA(アクチビンβA遺伝子)のKOマウスは、生後24時間以内に死亡する。このマウスの解析から、アクチビンAは[[口蓋]]、[[頬鬚]]、[[下顎]][[切歯]]形成、[[頭蓋]]顔面形成に関与することが明らかになった<ref name=Matzuk1995><pubmed>7885474</pubmed></ref>。


 アクチビンB(アクチビンβB遺伝子)のKOマウスは、胎生後期に[[眼瞼]]融合障害が見られる。胎児の発育不全を主とした生殖異常が見られる<ref name=Vassalli1994><pubmed>8125256</pubmed></ref>。
 アクチビンB(アクチビンβB遺伝子)のKOマウスは、胎生後期に[[眼瞼]]融合障害が見られる。胎児の発育不全を主とした生殖異常が見られる<ref name=Vassalli1994><pubmed>8125256</pubmed></ref>。
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 ActRIIBのKOマウスでは、左右軸発生異常、[[心房]]および[[心室中隔欠損]]、[[肺]]や[[脾臓]]の低形成が見られる<ref name=Oh1997><pubmed>9242489</pubmed></ref>。
 ActRIIBのKOマウスでは、左右軸発生異常、[[心房]]および[[心室中隔欠損]]、[[肺]]や[[脾臓]]の低形成が見られる<ref name=Oh1997><pubmed>9242489</pubmed></ref>。


 ActRIB(ALK4)のKOマウスでは、[[原始線条]]形成異常が見られ、胎生致死である<ref name=Gu1998><pubmed>9512518</pubmed></ref>。ACVR1B遺伝子の細胞内領域のフレームシフトや欠損による早期翻訳停止等の体性変異が、[[膵がん]]、[[胃がん]]、[[肝がん]]で見られる<ref name=Reissmann2001><pubmed>11485994</pubmed></ref>。
 ActRIB(ALK4)のKOマウスでは、[[原始線条]]形成異常が見られ、胎生致死である<ref name=Gu1998><pubmed>9512518</pubmed></ref>。ACVR1B遺伝子の細胞内領域の[[フレームシフト]]や欠損による早期[[翻訳]]停止等の体性変異が、[[膵がん]]、[[胃がん]]、[[肝がん]]で見られる<ref name=Su2001><pubmed> 11248065 </pubmed></ref>。


 ActRIC(ALK7)は、神経系、成熟[[脂肪細胞]]等に高発現する。KOマウスは、生存や繁殖には問題がないが、脂肪沈着の低下と摂食性[[肥満]]に対して部分的な抵抗性を示す<ref name=Andersson2008><pubmed>18480259</pubmed></ref>。この表現型は[[Gdf3]]KOマウスの表現系と類似している<ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref><ref name=Shen2009><pubmed>19008465</pubmed></ref>。また、加齢に伴う高[[インスリン]]血症と[[肝硬変]]が観察される。これはアクチビンβBのKOマウスの表現型と類似している<ref name=Tsuchida2004><pubmed>15196700</pubmed></ref><ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref>。GDF3とアクチビンBの生体内でのI型受容体がActRIC(ALK7)であることを示している。さらに、ACVR1C(ALK7)はノーダルの受容体としても作用する<ref name=Nadeem2011><pubmed>21356369</pubmed></ref>。
 ActRIC(ALK7)は、神経系、成熟[[脂肪細胞]]等に高発現する。KOマウスは、生存や繁殖には問題がないが、脂肪沈着の低下と[[摂食]]性[[肥満]]に対して部分的な抵抗性を示す<ref name=Andersson2008><pubmed>18480259</pubmed></ref>。この表現型は[[Gdf3]]KOマウスの表現系と類似している<ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref><ref name=Shen2009><pubmed>19008465</pubmed></ref>。また、加齢に伴う高[[インスリン]]血症と[[肝硬変]]が観察される。これはアクチビンβBのKOマウスの表現型と類似している<ref name=Tsuchida2004><pubmed>15196700</pubmed></ref><ref name=Bertolino2008><pubmed>18480258</pubmed></ref>。GDF3とアクチビンBの生体内でのI型受容体がActRIC(ALK7)であることを示している。


== 疾患との関わり ==
== 疾患との関わり ==