内側視索前野

2013年9月6日 (金) 16:48時点におけるTfuruya (トーク | 投稿記録)による版

佐久間 康夫
東京医療学院大学
DOI XXXX/XXXX 原稿受付日:2012年6月14日 原稿完成日:2013年月日
担当編集委員:藤田 一郎(大阪大学 大学院生命機能研究科)

羅:area praeoptica medialis 英:medial preoptic area 英略称:MPOA

 脳の腹側部、前交連の尾側から視交叉までの第三脳室最吻側部を囲む領域をいう。(項目の内容全体の要約を御願い致します。)

発生

 主なニューロンは第三脳室壁から発生する。3脳胞のうち前脳 (forebrain)の尾側端に由来するので、発生学的には終脳 (telencephalon)に属するが、脳原基の部域化に関わる多くの転写因子やシグナル分子が視床下部と共通で、機能的にも関連が深いことから、時に間脳 (diencephalon)である視床下部の最吻側部とされる(文献を御願い致します)。ニューロンの化学的性質、受容体発現、コネクトーム(プロテオーム、あるいはトランスクリプトームでしょうか?)も視床下部との共通点が多い(文献を御願い致します)。

 第三脳室壁から発生するニューロンに加え、齧歯類(Kallmann症候群はヒトですが、GnRHホルモンが移行するのは齧歯類に限定されるのでしょうか?)では性腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone, GnRH)産生ニューロンが鋤鼻器原基に発生し視索前野に進入する(文献を御願い致します)。低ゴナドトロピン性性腺機能不全無嗅覚症を主徴とするヒトのKallmann症候群は、Xp22.3上のKAL-1遺伝子の異常によりこの移動が妨げられた結果である(文献を御願い致します)。

構造

 明確な核構造は存在しないが、内・外側、中央部、背・腹側に大別され、幾つかの細胞集積がある(文献を御願い致します)。

 性ホルモンを始め末梢のホルモン、サイトカイン受容体を持つニューロンが多数分布し、第三脳室壁に接するエストロゲン受容体陽性ニューロンの集積は前室周囲核(このパラグラフの1行目の分類には無いようです。内・外側、中央部、背・腹側とどのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれ、排卵に不可欠である(文献を御願い致します)。前室周囲核はラット、マウスでは雌で雄より大きい(文献を御願い致します)。

 視索前野の中央には雄で大きい視索前野の性的二型核(これもパラグラフの1行目の分類には無いようです。どのような関係にあるのでしょうか)と呼ばれる細胞集積がヒトを含む多数の動物種で認められ、性的指向(嗜好でしょうか?)性に関わるとされる(文献を御願い致します)。

 共に遺伝的性別に関わりなく、脳の形態形成の途上の性ホルモン作用(男性ホルモンでしょうか?)により雄型となる(文献を御願い致します)。

入出力

入力

 扁桃核から分界条経由で、あるいは海馬から脳弓を経て多数の経シナプス性入力を受ける。迷走神経求心枝や味覚に関わる脳神経入力は孤束核を経てこの部位に届く。

出力

 GnRHニューロンは正中隆起下垂体門脈第一次血管叢に軸索を終わる。情動自律機能調節に関わるニューロンは、内側前脳束を通り中脳中心灰白質腹側被蓋野中脳運動領域に至る下行性投射に加え、マイネルト核と呼ばれるコリン作動性ニューロンの集積から大脳皮質へ広汎な上行性投射を送るものがある。

 左右の結合は前交連による。

機能

 刺激により心拍減少、血圧降下、膀胱収縮、体温低下、発汗が起こる(文献を御願い致します)。散熱には温感受性ニューロンが関わる(文献を御願い致します)。産熱に関わる冷感受性ニューロンも存在する(文献を御願い致します)。腹外側部に分布するγアミノ酪酸(GABA)やガラニン作動ニューロンはnon-REM睡眠を起こす(文献を御願い致します)。

 上行性中脳辺縁ドーパミン作動性投射からの入力は摂食性行動などの動機付けに関与する(文献を御願い致します)。この部位の破壊により雄ラットは雌の発情状態を弁別できず、雌に対する関心を失う(文献を御願い致します)。被破壊雌は雄を忌避するが、性行動の一要素であるロードーシス反射は中脳を介する抑制系が除去され亢進する(文献を御願い致します)。血管内皮で産生され脳内に拡散するプロスタグランジンE2による散熱反応(文献を御願い致します)、オキシトシンによる養育行動発現(文献を御願い致します)、ソマトスタチンによるGnRHニューロン抑制(文献を御願い致します)など非シナプス性調節も多い。

関連項目

(もしございましたら、ご指摘下さい)

参考文献