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Junko kurahashi (トーク | 投稿記録) 細 (→精神疾患との関連) |
Junko kurahashi (トーク | 投稿記録) 細編集の要約なし |
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H2受容体拮抗薬には、シメチジン、ファモチジン、ラニチジンなどがある。消化性潰瘍治療薬として用いられる。 | H2受容体拮抗薬には、シメチジン、ファモチジン、ラニチジンなどがある。消化性潰瘍治療薬として用いられる。 | ||
H3受容体拮抗薬には、チオペラミド、クロベンプロピット、プロキシファンがある。H3拮抗薬は、[[アルツハイマー病]]、[[注意欠陥・多動性障害]](ADHD)、[[統合失調症]]、[[多発性硬化症]]の治療薬としての開発が進められている。 | |||
H4拮抗薬には、チオペラミド、JNJ7777120(Johnson & Johnson社)がある。アレルギー性疾患や、リューマチなどの[[自己免疫疾患]]の治療薬としての可能性がある。 | H4拮抗薬には、チオペラミド、JNJ7777120(Johnson & Johnson社)がある。アレルギー性疾患や、リューマチなどの[[自己免疫疾患]]の治療薬としての可能性がある。 | ||
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ヒスタミンの中枢機能は、2つに大別される。 | ヒスタミンの中枢機能は、2つに大別される。 | ||
# 脳内各ニューロンに存在するH1受容体、あるいはH2受容体刺激を介した作用 | # 脳内各ニューロンに存在するH1受容体、あるいはH2受容体刺激を介した作用 | ||
# | #ニューロン終末部位のH3受容体に作用し、ヒスタミン、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなどの遊離抑制による作用 | ||
H1受容体、H2受容体を介した機能としては、[[睡眠]]・[[覚醒]]<ref><pubmed>21318261</pubmed></ref>[33]、[[学習記憶]]<ref><pubmed>28838882</pubmed></ref>[34]、[[食欲調節]]<ref><pubmed>16584790</pubmed></ref>[35]などがある。これらの機能を担う神経回路の特定のニューロンに、H1受容体、あるいはH2受容体が発現していて、ヒスタミンが作用することによりニューロン活動を調節(modulate)していると考えられる。 | H1受容体、H2受容体を介した機能としては、[[睡眠]]・[[覚醒]]<ref><pubmed>21318261</pubmed></ref>[33]、[[学習記憶]]<ref><pubmed>28838882</pubmed></ref>[34]、[[食欲調節]]<ref><pubmed>16584790</pubmed></ref>[35]などがある。これらの機能を担う神経回路の特定のニューロンに、H1受容体、あるいはH2受容体が発現していて、ヒスタミンが作用することによりニューロン活動を調節(modulate)していると考えられる。 | ||
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== 精神疾患との関連 == | == 精神疾患との関連 == | ||
[[パーキンソン病]]患者では、黒質、[[被殻]]、[[淡蒼球]]でヒスタミンレベルが顕著に増加している<ref><pubmed>12065607</pubmed></ref>[38]。H3受容体に作用してドパミン遊離低下が起こっている可能性がある。[[統合失調症]]患者の[[前頭前皮質]]、[[帯状回]]のH1受容体量が減少している<ref><pubmed>1912125</pubmed></ref><ref><pubmed>15695063</pubmed></ref>[39,40] | [[パーキンソン病]]患者では、黒質、[[被殻]]、[[淡蒼球]]でヒスタミンレベルが顕著に増加している<ref><pubmed>12065607</pubmed></ref>[38]。H3受容体に作用してドパミン遊離低下が起こっている可能性がある。[[統合失調症]]患者の[[前頭前皮質]]、[[帯状回]]のH1受容体量が減少している<ref><pubmed>1912125</pubmed></ref><ref><pubmed>15695063</pubmed></ref>[39,40]。アルツハイマー病患者では、[[前頭葉]]、[[側頭葉]]でヒスタミンレベルが低下している<ref><pubmed>10974435</pubmed></ref>[41]。 | ||
H3受容体は各種の神経系のシナプス前膜に存在し、ヒスタミンの他、アセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、グルタミン酸、GABAの遊離を抑制する。H3拮抗薬は、これらの抑制を解除し遊離量を増やすため、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、統合失調症、多発性硬化症の治療薬となる可能性がある<ref name=Leurs2011/><ref name=Vohora2012/><ref><pubmed>10974435</pubmed></ref>[36,37,42]。 | |||
ヒスタミンは動揺病(乗り物酔い)の原因となる。空間認知の情報処理における齟齬からヒスタミンニューロンが活性化され、[[嘔吐中枢]]のH1受容体を活性化することによる。 | ヒスタミンは動揺病(乗り物酔い)の原因となる。空間認知の情報処理における齟齬からヒスタミンニューロンが活性化され、[[嘔吐中枢]]のH1受容体を活性化することによる。 |