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===細胞系譜とPDGFα受容体(PDGFRα) === | ===細胞系譜とPDGFα受容体(PDGFRα) === | ||
培養下でのO-2A細胞は、type 1-アストロサイトの培養上清により増殖が高まることが示され、この中に含まれるO-2A細胞に対する増殖因子が[[血小板由来成長因子]](platelet derived growth factor; PDGF)であることが明らかにされた<ref name=ref6><pubmed>2834067</pubmed></ref>。そして、O-2A前駆細胞がその[[受容体]] | 培養下でのO-2A細胞は、type 1-アストロサイトの培養上清により増殖が高まることが示され、この中に含まれるO-2A細胞に対する増殖因子が[[血小板由来成長因子]](platelet derived growth factor; PDGF)であることが明らかにされた<ref name=ref6><pubmed>2834067</pubmed></ref>。そして、O-2A前駆細胞がその[[受容体]]としてαサブユニット([[血小板由来成長因子受容体|PDGFR]]α)を発現していることも明らかにされた<ref name=ref7><pubmed>2558873</pubmed></ref>。これをもとに、発生段階の神経組織内でPDGFRαを発現している細胞の探索が行われた。その結果、脊髄では、ラットでは胎齢14.5日目(E14.5)、マウスではE12.5日目、ニワトリ胚ではHHstage32(孵卵7日目)の[[脳室層]]腹側部に限局して、PDGFRα陽性細胞が出現することから、これが脊髄のオリゴデンドロサイト前駆細胞の起源であると考えられるようになった<ref name=ref8><pubmed>8330523</pubmed></ref>。その後、PDGFRα陽性細胞を単離して培養を行ったり<ref name=ref9><pubmed>9012528</pubmed></ref>、PDGF欠損マウスや過剰発現させた[[wikipedia:JA:トランスジェニックマウス|トランスジェニックマウス]]でのOPCの発生を解析したりすること<ref name=ref10><pubmed>9620692</pubmed></ref><ref name=ref11><pubmed>9876175</pubmed></ref>により、PDGFRα陽性細胞がOPCであることが明らかにされた。このような早い時期の脳室層で、特定の細胞サブセットを特異的に標識することができた最初の例であり、その後の[[神経管]]の背腹軸ドメイン形成の顕幽へと発展していくことになる<ref name=ref12><pubmed>10625331</pubmed></ref>。さらにPDGFRαを指標として、同じような発現パターンを示す分子が報告されそれらの多くがOPCのマーカーであることが明らかにされた。 | ||
=== 細胞系譜マーカーと系譜解析 === | === 細胞系譜マーカーと系譜解析 === |