「カルシウムドメイン」の版間の差分

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==サイズ  ==
==サイズ  ==


 カルシウムドメインのサイズは、多くの場合、光学解像度の限界を超えるため実測できない。そのため次善の策として、カルシウム結合速度の異なる[[カルシウムキレート剤]](表)を細胞内に負荷して、それによるカルシウム依存性機能の抑制率を定量して、ドメインサイズを推定することが行われている。
 カルシウムドメインのサイズは、多くの場合、光学解像度の限界を超えるため実測できない。そのため次善の策として、カルシウム結合速度の異なる[[カルシウムキレート剤]](表)を細胞内に負荷して、それによるカルシウム依存性機能の抑制率を定量して、ドメインサイズを推定することが行われている。


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|-
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| [[EGTA]]<ref name=ref11106608 />  
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| 1.0 x 10<sup>6</sup>  
| 1.0 x 10<sup>7</sup>  
| 0.07
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λ = (D<sub>Ca</sub>/K<sub>on</sub>B)<sup>0.5</sup>  
λ = (D<sub>Ca</sub>/K<sub>on</sub>B)<sup>0.5</sup>  


で与えられる。ここでD<sub>Ca</sub>は細胞質内におけるカルシウムの[[wikipedia:ja:拡散定数|拡散定数]](220 μm2/s)<ref name="ref2"><pubmed>9278532</pubmed></ref>、Bはキレート剤の濃度に相当する。この式から算定されるカルシウムドメインのλは図1のようになる。 例えば、細胞内に1 mM EGTAが存在すると起点から105 nm離れた位置におけるカルシウム濃度は起点濃度の1/e(37%)となる。同様に、細胞内に1 mM BAPTAが存在する場合のカルシウム拡散の長さ定数は23 nmと算定される(図1b)。したがって、一定濃度のEGTAまたはBAPTAを細胞内に注入し、それによるカルシウム依存性機能の抑制率を測定することによって、この機能に関わるカルシウムドメインのサイズを推定することができる。
で与えられる。ここでD<sub>Ca</sub>は細胞質内におけるカルシウムの[[wikipedia:ja:拡散定数|拡散定数]](220 μm2/s)<ref name="ref2"><pubmed>9278532</pubmed></ref>、Bはキレート剤の濃度に相当する。この式から算定されるカルシウムドメインのλは図1のようになる。例えば、細胞内に1 mM EGTAが存在すると起点から105 nm離れた位置におけるカルシウム濃度は起点濃度の1/e(37%)となる。同様に、細胞内に1 mM BAPTAが存在する場合のカルシウム拡散の長さ定数は23 nmと算定される(図1b)。したがって、一定濃度のEGTAまたはBAPTAを細胞内に注入し、それによるカルシウム依存性機能の抑制率を測定することによって、この機能に関わるカルシウムドメインのサイズを推定することができる。


==マイクロドメインとナノドメイン  ==
==マイクロドメインとナノドメイン  ==


 便宜上、カルシウムドメインのサイズが10-20 nm以下のものをナノドメイン、100-200 nm以上のものをマイクロドメインと呼び分けることが行われている<ref name="ref3"><pubmed>9539117</pubmed></ref>。例えば、「ナノドメインカルシウムに依存する小胞開口放出」のように使われている。しかし一方「マイクロドメイン」はカルシウムドメインの総称としても使われているので注意を要する。  
 便宜上、カルシウムドメインのサイズが10-20 nm以下のものをナノドメイン、100-200 nm以上のものをマイクロドメインと呼び分けることが行われている<ref name=ref11106608 />。例えば、「ナノドメインカルシウムに依存する小胞開口放出」のように使われている。しかし一方「マイクロドメイン」はカルシウムドメインの総称としても使われているので注意を要する。  


==関連項目==
==関連項目==

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