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この分泌経路のほかに最近、ソニック・ヘッジホッグタンパク質が[[サイトニーム]](cytoneme)と呼ばれる突起上の[[細胞膜]]構造の先端まで運搬され、そこで小胞を形成して細胞外へ分泌されるという経路が提唱されている。サイトニームは[[糸状仮足]]([[filopodia]])が長く変形した形状をしており、内部には[[アクチン]]が含まれている。ショウジョウバエの[[翅原基]](wing disc)ではヘッジホッグを産生する細胞がこのような構造を持っており<ref><pubmed>10367889</pubmed></ref>、発現部位から遠い細胞までシグナルを届けている<ref name=ref1></ref><ref><pubmed>23276604</pubmed></ref><ref><pubmed>25483805</pubmed></ref><ref><pubmed>25472772</pubmed></ref>]。サイトニームは近年[[脊椎動物]]でもその存在が知られるようになった<ref><pubmed>23624372</pubmed></ref>。 | この分泌経路のほかに最近、ソニック・ヘッジホッグタンパク質が[[サイトニーム]](cytoneme)と呼ばれる突起上の[[細胞膜]]構造の先端まで運搬され、そこで小胞を形成して細胞外へ分泌されるという経路が提唱されている。サイトニームは[[糸状仮足]]([[filopodia]])が長く変形した形状をしており、内部には[[アクチン]]が含まれている。ショウジョウバエの[[翅原基]](wing disc)ではヘッジホッグを産生する細胞がこのような構造を持っており<ref><pubmed>10367889</pubmed></ref>、発現部位から遠い細胞までシグナルを届けている<ref name=ref1></ref><ref><pubmed>23276604</pubmed></ref><ref><pubmed>25483805</pubmed></ref><ref><pubmed>25472772</pubmed></ref>]。サイトニームは近年[[脊椎動物]]でもその存在が知られるようになった<ref><pubmed>23624372</pubmed></ref>。 | ||
==発現== | |||
胚発生期では[[頭尾軸]]にかけて[[神経管]]の最も腹側に位置する[[底板]]領域(floor plate)とその下部に位置する[[中胚葉]]系の組織([[脊策]]:notochord)、さらに[[前脳]]の腹側と[[zona limitans intrathalamica]](ZLI)と呼ばれるる前脳<ref name=ref2 />の一領域、さらに[[肢芽]](limb bud<ref name=ref4 />; 四肢が発生する場所)の一部に、主に発現することが知られている。成体では[[脳室下帯]](subventricular zone)の[[神経幹細胞]]の周辺部に見られる<ref name=ref1 /><ref name=ref2 /><ref name=ref3 />。 | 胚発生期では[[頭尾軸]]にかけて[[神経管]]の最も腹側に位置する[[底板]]領域(floor plate)とその下部に位置する[[中胚葉]]系の組織([[脊策]]:notochord)、さらに[[前脳]]の腹側と[[zona limitans intrathalamica]](ZLI)と呼ばれるる前脳<ref name=ref2 />の一領域、さらに[[肢芽]](limb bud<ref name=ref4 />; 四肢が発生する場所)の一部に、主に発現することが知られている。成体では[[脳室下帯]](subventricular zone)の[[神経幹細胞]]の周辺部に見られる<ref name=ref1 /><ref name=ref2 /><ref name=ref3 />。 | ||