16,040
回編集
細 (→エピジェネティクス制御) |
細 (→プロモーターとは) |
||
11行目: | 11行目: | ||
== プロモーターとは == | == プロモーターとは == | ||
[[ファイル:Kida Fig.1.png|thumb|right|300px| '''図1 プロモーターの概略'''<br>転写調節因子、転写仲介因子の働きにより、TFIID中心とする基本転写因子群とRNA pol IIがTATAやイニシエーターを標的としてプロモーター上に誘引され、転写開始複合体を形成し、転写反応が開始される。 | |||
]] | |||
プロモーターとはDNAにおける遺伝子の転写制御を行う領域である。真核生物において、狭義では、転写基本因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターと呼ぶ<ref name=ref1>'''Jocelyn E Krebs, Elliott S Goldstein, Stephen T Kilpatrick'''<br>Genes XI, 11 edition<br>''Jones & Bartlett Learning, Burlington, 2013''<br></ref>。一方、広義では、この領域をコアプロモーターと呼び、[[転写調節因子]]群が結合する調節エレメントも含めてプロモーターと呼ぶことも多い。真核生物の場合、RNA合成酵素であるRNAポリメラーゼはPolI、PolII、PolIIの3種類存在し、3つのクラスのプロモーターが存在している。PolIが働くクラスIのプロモーターからはrRNA、PolIIが働くクラスIIのプロモーターからはmRNA、PolIIIが働くクラスIIIのプロモーターからはtRNAを中心とする低分子RNAが転写される1)。特に、mRNAの転写制御を担うクラスIIのプロモーターに関しては、各遺伝子がそれぞれ異なる転写制御を受けるため、多様な転写調節機構が存在している。コアプロモーターの上流あるいは下流には様々な転写調節因子が結合して正負の転写制御が行われる調節エレメントが存在している。 | プロモーターとはDNAにおける遺伝子の転写制御を行う領域である。真核生物において、狭義では、転写基本因子群とRNAポリメラーゼが結合するDNA領域をプロモーターと呼ぶ<ref name=ref1>'''Jocelyn E Krebs, Elliott S Goldstein, Stephen T Kilpatrick'''<br>Genes XI, 11 edition<br>''Jones & Bartlett Learning, Burlington, 2013''<br></ref>。一方、広義では、この領域をコアプロモーターと呼び、[[転写調節因子]]群が結合する調節エレメントも含めてプロモーターと呼ぶことも多い。真核生物の場合、RNA合成酵素であるRNAポリメラーゼはPolI、PolII、PolIIの3種類存在し、3つのクラスのプロモーターが存在している。PolIが働くクラスIのプロモーターからはrRNA、PolIIが働くクラスIIのプロモーターからはmRNA、PolIIIが働くクラスIIIのプロモーターからはtRNAを中心とする低分子RNAが転写される1)。特に、mRNAの転写制御を担うクラスIIのプロモーターに関しては、各遺伝子がそれぞれ異なる転写制御を受けるため、多様な転写調節機構が存在している。コアプロモーターの上流あるいは下流には様々な転写調節因子が結合して正負の転写制御が行われる調節エレメントが存在している。 | ||