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不注意および/または多動性―衝動性が持続的に認められて、機能または発達の妨げとなっている場合、ADHDと診断される。DSM-5の診断基準は、以下のとおりである。 | 不注意および/または多動性―衝動性が持続的に認められて、機能または発達の妨げとなっている場合、ADHDと診断される。DSM-5の診断基準は、以下のとおりである。 | ||
*不注意の症状としては、注意を持続することが困難である、すぐ気が散ってしまうなどの9つがあげられており、そのうち6つ以上が6ヶ月以上持続すると基準を満たす。多動性―衝動性としては、席を離れる、じっとしていない、順番を待つことが困難であるなどの9つがあげられており、そのうち6つ以上が6ヶ月以上持続すると基準に満たす。但し、17歳以上であれば、それぞれ6つ以上ではなくて5つ以上でよい。 | |||
*症状のいくつかが12歳以前から存在している。 | |||
*症状のいくつかが家庭、学校、職場など2つ以上の状況において存在する。 | |||
*症状が、社会的、学業的または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある。 | |||
以上に加えて、統合失調症などが鑑別対象としてあげられているが、[[DSM-IV-TR]]までと異なり、[[自閉症スペクトラム障害]]/自閉スペクトラム症(ASD)は鑑別対象となっていない。すなわち、[[自閉症]]状を有していても、上記の診断基準を満たしていれば、ADHDと診断される。 | 以上に加えて、統合失調症などが鑑別対象としてあげられているが、[[DSM-IV-TR]]までと異なり、[[自閉症スペクトラム障害]]/自閉スペクトラム症(ASD)は鑑別対象となっていない。すなわち、[[自閉症]]状を有していても、上記の診断基準を満たしていれば、ADHDと診断される。 | ||
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==疫学== | ==疫学== | ||
ADHDの頻度は、DSM-5では子どもで約5%、成人で約2.5%とされている。アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の報告によると、ADHDと診断された4~17歳の子どもが2011年に11.0%であり、2003年に7.8% | ADHDの頻度は、DSM-5では子どもで約5%、成人で約2.5%とされている。アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)の報告によると、ADHDと診断された4~17歳の子どもが2011年に11.0%であり、2003年に7.8%であったのと比べて大きく増加している[http://www.cdc.gov/ncbddd/adhd/prevalence.html]。日本では通常の学級に在籍する児童生徒に関する質問紙調査でADHD症状を有する割合が3.1%との報告があり、アメリカよりも若干低いかもしれない[http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2012/12/10/1328729_01.pdf]。性別では、女性よりも男性に多く、子どもでその傾向が強い。女性では男性より不注意が目立つ。 | ||
==病因・病態== | ==病因・病態== |