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また、細胞体には、[[滑面小胞体]]が多量に分布しており、[[カルシウム]]の貯蔵庫としての役割を有している。これらの特徴以外、[[ミトコンドリア]]、[[ゴルジ装置]]、[[粗面小胞体]]、[[リボゾーム]]、[[リソゾーム]]など多くの[[細胞内小器官]]が見いだされる。鋤鼻腔直下では、支持細胞との間で、上皮組織の特徴である[[接着複合体]]が築かれている<ref name=ref07 />。 | また、細胞体には、[[滑面小胞体]]が多量に分布しており、[[カルシウム]]の貯蔵庫としての役割を有している。これらの特徴以外、[[ミトコンドリア]]、[[ゴルジ装置]]、[[粗面小胞体]]、[[リボゾーム]]、[[リソゾーム]]など多くの[[細胞内小器官]]が見いだされる。鋤鼻腔直下では、支持細胞との間で、上皮組織の特徴である[[接着複合体]]が築かれている<ref name=ref07 />。 | ||
フェロモンの受容体は鋤鼻受容細胞に存在する。[[フェロモン受容体]]は[[I型フェロモン受容体|I型]]および[[II型フェロモン受容体|II型]](V1RとV2R)に分けられる。両者とも、[[7回膜貫通型受容体]]であるが、それぞれ全く相同性がない。これらフェロモン受容体は[[Gタンパク質共役型受容体]]のうち、I 型に[[Gi2]]がII型に[[Go]]が共役している(フェロモンの受容体の詳細ついては[[フェロモン受容体]]の項目を参照)。また、I型受容体を有する細胞は感覚上皮の浅層に、II型受容体を有する細胞は深層に分布する。すなわち、鋤鼻受容細胞は、I型フェロモン受容体を有しGタンパク質Gi2を共有し浅層に位置するもの(V1R-Gi2型鋤鼻受容細胞)と深層に位置しII型受容体とGoを共有するもの(V2R-Go型鋤鼻受容細胞)の2種類が存在する<ref name=ref08><pubmed>7585937</pubmed> <ref name=ref09><pubmed>9288755</pubmed | フェロモンの受容体は鋤鼻受容細胞に存在する。[[フェロモン受容体]]は[[I型フェロモン受容体|I型]]および[[II型フェロモン受容体|II型]](V1RとV2R)に分けられる。両者とも、[[7回膜貫通型受容体]]であるが、それぞれ全く相同性がない。これらフェロモン受容体は[[Gタンパク質共役型受容体]]のうち、I 型に[[Gi2]]がII型に[[Go]]が共役している(フェロモンの受容体の詳細ついては[[フェロモン受容体]]の項目を参照)。また、I型受容体を有する細胞は感覚上皮の浅層に、II型受容体を有する細胞は深層に分布する。すなわち、鋤鼻受容細胞は、I型フェロモン受容体を有しGタンパク質Gi2を共有し浅層に位置するもの(V1R-Gi2型鋤鼻受容細胞)と深層に位置しII型受容体とGoを共有するもの(V2R-Go型鋤鼻受容細胞)の2種類が存在する<ref name=ref08><pubmed>7585937</pubmed></ref> <ref name=ref09><pubmed>9288755</pubmed></ref> <ref name=ref010><pubmed>9288756</pubmed></ref> <ref name=ref011><pubmed>9292726</pubmed></ref>。 | ||
鋤鼻受容細胞は、嗅器官の匂い受容細胞である嗅細胞同様、みずから軸索を有し、脳内(副嗅球)に投射しており、このことから、感覚受容細胞であると同時にニューロンでもある。したがって、これらは鋤鼻ニューロンとも呼ばれる。さらに、この鋤鼻受容細胞は嗅細胞同様上皮細胞としての特性をもつ。したがって、動物が成熟した後にも[[幹細胞]]から再生産する。このことにより、鋤鼻受容細胞はニューロンの発生および再生の研究に役立っている。鋤鼻受容細胞は、嗅細胞と同様、感覚細胞であり、上皮細胞であり、さらにニューロン(神経細胞)であるという3種の細胞種の特徴を有する希有な細胞である。 | 鋤鼻受容細胞は、嗅器官の匂い受容細胞である嗅細胞同様、みずから軸索を有し、脳内(副嗅球)に投射しており、このことから、感覚受容細胞であると同時にニューロンでもある。したがって、これらは鋤鼻ニューロンとも呼ばれる。さらに、この鋤鼻受容細胞は嗅細胞同様上皮細胞としての特性をもつ。したがって、動物が成熟した後にも[[幹細胞]]から再生産する。このことにより、鋤鼻受容細胞はニューロンの発生および再生の研究に役立っている。鋤鼻受容細胞は、嗅細胞と同様、感覚細胞であり、上皮細胞であり、さらにニューロン(神経細胞)であるという3種の細胞種の特徴を有する希有な細胞である。 |