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Junko kurahashi (トーク | 投稿記録) 細 (→濃度勾配の形成と維持) |
Junko kurahashi (トーク | 投稿記録) 細 (→濃度勾配の形成と維持) |
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== 濃度勾配の形成と維持 == | == 濃度勾配の形成と維持 == | ||
[[Image:ichijoho3.png|thumb|right|350px|'''図3.''' <br /> | [[Image:ichijoho3.png|thumb|right|350px|'''図3.''' <br /> | ||
モルフォゲンの拡散と濃度勾配の形成・維持のメカニズム(<ref name=Schier2009><pubmed>19779439 | モルフォゲンの拡散と濃度勾配の形成・維持のメカニズム(<ref name=Schier2009><pubmed>19779439</pubmed></ref><ref name=YanD2009 />27,30をもとに作成)]] | ||
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一般に濃度勾配の形成は、分泌因子の拡散と、それを抑制(または制御)する効果のバランスによって成立している<ref name=Schier2009><pubmed>19779439 | 一般に濃度勾配の形成は、分泌因子の拡散と、それを抑制(または制御)する効果のバランスによって成立している<ref name=Schier2009><pubmed>19779439</pubmed></ref>27。まず、シグナリングセンターで産生されたモルフォゲンは、そこから組織内へと放出され、[[細胞間隙]]([[細胞外マトリックス]])に浸透して組織内へと拡散する(図3A)。しかし、モルフォゲンが産出され、湧出するだけでは、器官のように閉鎖された空間では一定時間の後には濃度が一定になってしまう。したがって、その濃度勾配を維持するために、モルフォゲンの拡散(遠くに伝えようとする作用)と、拡散を制限する(遠くに行かせない)作用のバランスが保持されている。そのメカニズムには以下のようなものが知られている。 | ||
まずモルフォゲンを遠くに伝えるための方策としては、モルフォゲンが細胞間隙を浸潤・拡散していくほかに、モルフォゲンが細胞内を通過して拡散する「[[トランスサイトーシス]](transcytosis)」の経路が知られている(図3)<ref><pubmed>22710177</pubmed></ref><ref><pubmed>23533171 </pubmed></ref><ref name=YanD2009><pubmed>20066107 </pubmed></ref><ref><pubmed>23637364</pubmed></ref><ref><pubmed>17255514 </pubmed></ref><ref><pubmed>18296653</pubmed></ref>28-33。[[ショウジョウバエ]]の羽の原基(wing disc)における分泌因子[[dpp]]の拡散様式は、この原則に従うことが知られている。一方、拡散を抑制する作用の1つとしては、たんぱく質の分解や[[エンドサイトーシス]]による細胞内への取り込みが挙げられる。タンパク質は一般に一定時間が過ぎると分解されるため、同時に産生されたたんぱく質の分子数(量)は時間とともに徐々に減少する。 | まずモルフォゲンを遠くに伝えるための方策としては、モルフォゲンが細胞間隙を浸潤・拡散していくほかに、モルフォゲンが細胞内を通過して拡散する「[[トランスサイトーシス]](transcytosis)」の経路が知られている(図3)<ref><pubmed>22710177</pubmed></ref><ref><pubmed>23533171 </pubmed></ref><ref name=YanD2009><pubmed>20066107 </pubmed></ref><ref><pubmed>23637364</pubmed></ref><ref><pubmed>17255514 </pubmed></ref><ref><pubmed>18296653</pubmed></ref>28-33。[[ショウジョウバエ]]の羽の原基(wing disc)における分泌因子[[dpp]]の拡散様式は、この原則に従うことが知られている。一方、拡散を抑制する作用の1つとしては、たんぱく質の分解や[[エンドサイトーシス]]による細胞内への取り込みが挙げられる。タンパク質は一般に一定時間が過ぎると分解されるため、同時に産生されたたんぱく質の分子数(量)は時間とともに徐々に減少する。 |