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 胚発生期の器官の[[形態形成]](morphogenesis)においては、[[前駆細胞]]が器官内で様々な細胞へと分化し、それらが一定のルールに従って配置される。この細胞の配置はどの個体でも同じであり、このことを「[[パターン形成]](pattern formation)」という<ref><pubmed>21044633</pubmed></ref><ref><pubmed>26970003</pubmed></ref>1,2。器官内の種々の細胞が正確に配置されることは、器官が機能体として固有の機能を発揮するために重要である。器官が正確にパターン化されるためには、各前駆細胞が器官内における自らの相対的位置を認識する必要があるが、それを与えるのが位置情報である。
 胚発生期の器官の[[形態形成]](morphogenesis)においては、[[前駆細胞]]が器官内で様々な細胞へと分化し、それらが一定のルールに従って配置される。この細胞の配置はどの個体でも同じであり、このことを「[[パターン形成]](pattern formation)」という<ref><pubmed>21044633</pubmed></ref><ref><pubmed>26970003</pubmed></ref>1,2。器官内の種々の細胞が正確に配置されることは、器官が機能体として固有の機能を発揮するために重要である。器官が正確にパターン化されるためには、各前駆細胞が器官内における自らの相対的位置を認識する必要があるが、それを与えるのが位置情報である。


 器官発生の初期には、組織は[[未分化細胞]]の塊だが、やがて細胞塊の一部に[[シグナル]]の源である細胞群([[シグナリングセンター]](signalling centre))が出現する<ref><pubmed> 22570373</pubmed></ref>3。この領域からは細[[胞外因子]]が分泌され、この[[分泌因子]]は多くの場合器官内で濃度勾配を形成する。器官内の各細胞(前駆細胞)はこの濃度によって自分が何の細胞に分化するのか(つまりどのような機能を分担するのか)の情報を獲得するのである。
 器官発生の初期には、組織は[[未分化細胞]]の塊だが、やがて細胞塊の一部に[[シグナル]]の源である細胞群([[シグナリングセンター]](signalling centre))が出現する<ref><pubmed> 22570373</pubmed></ref>3。この領域からは[[細胞外因子]]が分泌され、この[[分泌因子]]は多くの場合器官内で濃度勾配を形成する。器官内の各細胞(前駆細胞)はこの濃度によって自分が何の細胞に分化するのか(つまりどのような機能を分担するのか)の情報を獲得するのである。


== モルフォゲンモデル ==
== モルフォゲンモデル ==

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