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==== 非古典的シグナル伝達経路 ==== | ==== 非古典的シグナル伝達経路 ==== | ||
SMAD非依存的シグナル伝達経路である。TGF-βは[[ | SMAD非依存的シグナル伝達経路である。TGF-βは[[細胞外シグナル調節キナーゼ 1]]/[[細胞外シグナル調節キナーゼ 2|2]] ([[Erk1]]/[[Erk2|2]]) 、[[c-Jun N末端キナーゼ]] ([[JNK]])、[[p38 MAPK]]を含む[[分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ]] ([[MAPKs]])、[[nuclear factor-kappa B]] ([[NF-κB]])、[[Rho-like GTPases]]、[[ホスファチジルイノシトール3キナーゼ]] ([[PI3K]])/[[AKT]]も活性化させる<ref name=Mu2012><pubmed>21701805</pubmed></ref><ref name=Choi2012><pubmed>22835455</pubmed></ref><ref name=Freudlsperger2013><pubmed>22641218</pubmed></ref>。これらのシグナル伝達分子のうち、JNKとp38 MAPKはセリン/スレオニンタンパク質リン酸化酵素である[[TGF-β-activated kinase1]] ([[TAK1]]) 活性の経路によって活性化される。TAK1は[[TAK1結合タンパク質2]] ([[TAB2]]) および[[ユビキチンリガーゼ]]である[[腫瘍壊死因子受容体関連因子 6]] ([[tumor necrosis factor receptor associated factor 6]]; [[TRAF6]]) との複合体を形成することでTβRIと結合しているが、TGF-β1の受容体への結合によってTAK1は[[TβRI]]から遊離される。遊離したTAK1はTAB1と相互作用することで自己リン酸化を引き起こし、活性状態となる。活性化したTAK1は[[MKK3]]-p38や[[MKK4]]-JNKカスケードなどの下流のシグナル伝達経路を活性化することで、細胞内にTGF-βの刺激を伝達する<ref name=Choi2012></ref>。 | ||
このように、TAK1の活性を起点とするMAPKs経路の活性化はSMAD依存経路とは異なり、TGF-β受容体であるTβRIキナーゼ活性に依存せずに生じる。TGF-βによるTAK1の活性は[[IκB kinase]] ([[IKK]])を介してNF-κBシグナル伝達を活性化し、IκBαのリン酸化、NF-κBサブユニット[[p65]]の核移行およびリン酸化、ならびにNF-κB下流標的の活性化をもたらす<ref name=Freudlsperger2013><pubmed>22641218</pubmed></ref>。 | このように、TAK1の活性を起点とするMAPKs経路の活性化はSMAD依存経路とは異なり、TGF-β受容体であるTβRIキナーゼ活性に依存せずに生じる。TGF-βによるTAK1の活性は[[IκB kinase]] ([[IKK]])を介してNF-κBシグナル伝達を活性化し、IκBαのリン酸化、NF-κBサブユニット[[p65]]の核移行およびリン酸化、ならびにNF-κB下流標的の活性化をもたらす<ref name=Freudlsperger2013><pubmed>22641218</pubmed></ref>。 | ||