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細 (→鑑別診断) |
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| rowspan="6" style="background-color:#d3d3d3" |全般発作 | | rowspan="6" style="background-color:#d3d3d3" |全般発作 | ||
|''' | |A. | ||
#'''[[欠神発作]]'''<br> a.意識減損のみのもの<br> b.軽度の[[間代要素]]を伴うもの<br> c.[[脱力要素]]を伴うもの<br> d.[[強直要素]]を伴うもの<br> e.[[自動症]]を伴うもの<br> f.[[自律神経要素]]を伴うもの<br> (b~fは単独でも組み合わせでもあり得る) | |||
#[[非定型欠神発作]]<br> a.筋緊張の変化はA.1.よりも明瞭<br> b.発作の起始/終末は急激ではない | #'''[[非定型欠神発作]]'''<br> a.筋緊張の変化はA.1.よりも明瞭<br> b.発作の起始/終末は急激ではない | ||
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|'''B.[[ミオクロニー発作]]''' | |'''B.[[ミオクロニー発作]]''' | ||
145行目: | 145行目: | ||
| rowspan="5" |Ⅰ.全般性起始<br> | | rowspan="5" |Ⅰ.全般性起始<br> | ||
|A.強直もしくは間代性症状を有する発作 | |A.強直もしくは間代性症状を有する発作 | ||
#[[ | #[[強直間代発作]] | ||
#[[ | #[[間代発作]] | ||
#[[ | #[[強直発作]] | ||
|- | |- | ||
|B.欠神発作 | |B.欠神発作 | ||
211行目: | 211行目: | ||
| style="background-color:#d3d3d3" |青年期 | | style="background-color:#d3d3d3" |青年期 | ||
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|良性家族性新生児発作<br>早期ミオクロニー脳症<br>大田原症候群 | |[[良性家族性新生児発作]]<br>[[早期ミオクロニー脳症]]<br>[[大田原症候群]] | ||
|若年欠神てんかん<br>若年ミオクロニーてんかん<br>進行性ミオクローヌスてんかん | |[[若年欠神てんかん]]<br>[[若年ミオクロニーてんかん]]<br>[[進行性ミオクローヌスてんかん]] | ||
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| style="background-color:#d3d3d3" |乳児期 | | style="background-color:#d3d3d3" |乳児期 | ||
| style="background-color:#d3d3d3" |年齢と相関が低いもの | | style="background-color:#d3d3d3" |年齢と相関が低いもの | ||
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|早期乳児遊走性部分発作<br>West症候群<br>乳児ミオクロニーてんかん<br>良性乳児発作<br>Dravet症候群<br>非進行性ミオクロニー脳症 | |[[早期乳児遊走性部分発作]]<br>[[West症候群]]<br>[[乳児ミオクロニーてんかん]]<br>[[良性乳児発作]]<br>[[Dravet症候群]]<br>[[非進行性ミオクロニー脳症]] | ||
|常染色体優性夜間前頭葉てんかん<br>家族性側頭葉てんかん<br> | |[[常染色体優性夜間前頭葉てんかん]]<br>[[家族性側頭葉てんかん]]<br>海馬硬化による[[内側側頭葉てんかん]]<br>[[Rasmussen症候群]]<br>視床下部[[過誤腫]]による笑い発作 | ||
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| style="background-color:#d3d3d3" |小児期 | | style="background-color:#d3d3d3" |小児期 | ||
| style="background-color:#d3d3d3" |特殊なてんかん状態 | | style="background-color:#d3d3d3" |特殊なてんかん状態 | ||
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|rowspan="3" |早発良性小児後頭部てんかん<br> | |rowspan="3" |[[早発良性小児後頭部てんかん]]<br>中心・側頭部棘波を示す[[良性小児てんかん]]<br>ミオクロニー失立発作を持つてんかん<br>[[遅発小児後頭部てんかん]]<br>[[ミオクロニー欠神てんかん]]<br>[[Lennox-Gastaut症候群]]<br>[[Landau-Kleffner症候群]]を含む徐波睡眠期棘徐波を示すてんかん<br>[[小児欠神てんかん]] | ||
|特定化されない症候性焦点性てんかん<br>全般性強直間代発作のみを持つてんかん<br>反射てんかん<br>熱性けいれんプラス<br> | |特定化されない症候性焦点性てんかん<br>全般性強直間代発作のみを持つてんかん<br>反射てんかん<br>[[熱性けいれんプラス]]<br>多様な焦点を示す[[家族性焦点性てんかん]] | ||
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| style="background-color:#d3d3d3" |てんかん診断を必要としないてんかん発作状態 | | style="background-color:#d3d3d3" |てんかん診断を必要としないてんかん発作状態 | ||
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|良性新生児発作<br>熱性発作 | |[[良性新生児発作]]<br>[[熱性発作]] | ||
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|} | |} | ||
235行目: | 235行目: | ||
てんかんの診断に脳波検査は欠かせない。同じパターンを示す発作の確認と発作間歇期に発作波([[棘⋯徐波結合]]、[[鋭波―徐破結合]]、[[棘波]]、[[鋭波]]、[[徐波]]の群発などが記録されるとてんかんと考えられるが、てんかんであっても脳波異常が記録されないときもあるため、発作症状からてんかんが疑われる場合には時間をおいて繰り返し、脳波を記録する必要がある。24時間連続して記録するビデオ脳波同時記録は服薬をしない状態で記録するため、発作時脳波を記録できる可能性が高く、鑑別診断の有力な手段である。 | てんかんの診断に脳波検査は欠かせない。同じパターンを示す発作の確認と発作間歇期に発作波([[棘⋯徐波結合]]、[[鋭波―徐破結合]]、[[棘波]]、[[鋭波]]、[[徐波]]の群発などが記録されるとてんかんと考えられるが、てんかんであっても脳波異常が記録されないときもあるため、発作症状からてんかんが疑われる場合には時間をおいて繰り返し、脳波を記録する必要がある。24時間連続して記録するビデオ脳波同時記録は服薬をしない状態で記録するため、発作時脳波を記録できる可能性が高く、鑑別診断の有力な手段である。 | ||
てんかんの原因として[[脳奇形]]、[[脳腫瘍]]、[[脳出血]]、[[脳萎縮]]など脳の器質性疾患を見出すには MRI検査が有力であり,[[PET]] | てんかんの原因として[[脳奇形]]、[[脳腫瘍]]、[[脳出血]]、[[脳萎縮]]など脳の器質性疾患を見出すには MRI検査が有力であり,[[PET]]あるいはSPECTを併用し代謝、血流の変化する部位同定も焦点部位決定に役立つ。一部のてんかん類型では遺伝子検査が行われる。特に生後間もない時に発病するてんかん類型('''表3''')では鑑別診断に有力な検査手段となる。てんかんの発病を防止しようとする動きがあり、これには発病前の治療が必要性であり、ハイリスク児同定に遺伝子検査が有力な手段となる<ref name=ref11>'''兼子直、他'''<br>新しい抗てんかん薬の開発とてんかんの発病防止戦略<br>''最新医学'' 70;1044-1050, 2015.</ref>。 | ||
==病態生理== | ==病態生理== |