「細胞外マトリックス」の版間の差分

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==== シナプス可塑性 ====
==== シナプス可塑性 ====


 リーリンが[[Very–low-density lipoprotein receptor]](VLDLR)や[[Apolipoprotein E receptor type2]](APOER2)のリポタンパク質受容体に結合することで細胞内アダプタータンパク質[[Disabled1]](DAB1)を活性化する<ref name="ref10" />。それが[[Src family tyrosine kinase]](SFK)を活性化し、[[NMDA受容体|NMDA型グルタミン酸受容体]]の[[チロシンリン酸]]化を引き起こす<ref name="ref10" />。これにより、NMDAグルタミン酸受容体のCa<sup>2+</sup>の流入量が増え、シナプス可塑性を誘導する<ref name="ref10" />。  
 リーリンが[[Very–low-density lipoprotein receptor]](VLDLR)や[[Apolipoprotein E receptor type2]](APOER2)のリポタンパク質受容体に結合することで細胞内アダプタータンパク質[[Disabled 1]]([[DAB1]])を活性化する<ref name="ref10" />。それが[[Src family tyrosine kinase]](SFK)を活性化し、[[NMDA型グルタミン酸受容体]]の[[チロシンリン酸]]化を引き起こす<ref name="ref10" />。これにより、NMDAグルタミン酸受容体のCa<sup>2+</sup>の流入量が増え、シナプス可塑性を誘導する<ref name="ref10" />。  


 テネイシンCやヒアルロン酸が、[[電位依存性カルシウムチャネル|L型電位依存性カルシウムチャネル ]](L-type voltage-dependent Ca<sup>2+</sup> channel, LVDCC)の活性をサポートし、LVDCCのCa<sup>2+</sup>流入量が増えることでLTPが誘導されると考えられている<ref name="ref10" />。しかし、テネイシンCもしくはヒアルロン酸のLVDCCへの直接的結合はまだ示されていない<ref name="ref10" />。  
 テネイシンCやヒアルロン酸が、[[電位依存性カルシウムチャネル|L型電位依存性カルシウムチャネル ]](L-type voltage-dependent Ca<sup>2+</sup> channel, LVDCC)の活性をサポートし、LVDCCのCa<sup>2+</sup>流入量が増えることでLTPが誘導されると考えられている<ref name="ref10" />。しかし、テネイシンCもしくはヒアルロン酸のLVDCCへの直接的結合はまだ示されていない<ref name="ref10" />。  


 ヒアルロン酸を骨格としたPNが[[AMPA型受容体|AMPA型グルタミン酸受容体]]のシナプス外の膜領域への移行を妨げ、シナプス領域の区画化の役割を果たすことが示されている<ref name="ref4" /><ref name="ref6" />。テネイシンRは、LTPの誘導を[[GABA]]作動性[[介在ニューロン]]による[[海馬|海馬]][[CA1]][[錐体細胞]]の[[細胞体周辺抑制]](Perisomatic inhibition)のレベルを設定することによって起こす<ref name="ref10" />。  
 ヒアルロン酸を骨格としたPNが[[AMPA型グルタミン酸受容体]]のシナプス外の膜領域への移行を妨げ、シナプス領域の区画化の役割を果たすことが示されている<ref name="ref4" /><ref name="ref6" />。テネイシンRは、LTPの誘導を[[GABA]]作動性[[介在ニューロン]]による[[海馬|海馬]][[CA1]][[錐体細胞]]の[[細胞体周辺抑制]](Perisomatic inhibition)のレベルを設定することによって起こす<ref name="ref10" />。  


 神経可塑性においてCSPGは、形態の安定性に関わっていると考えられる。[[単眼遮蔽]]により成体において生じた[[眼優位性]]の固定は、[[Chondroitinase ABC]](ChABC)よりCSPGを酵素消化によって可塑的になる<ref name="ref6" />。海馬スライスをChABCで処理すると、CA1の[[LTP]]や[[LTD]]が阻害される<ref name="ref10" />。[[恐怖記憶実験]]では、CSPGは記憶の安定性に関わる<ref name="ref10" />。  
 神経可塑性においてCSPGは、形態の安定性に関わっていると考えられる。[[単眼遮蔽]]により成体において生じた[[眼優位性]]の固定は、[[Chondroitinase ABC]](ChABC)よりCSPGを酵素消化によって可塑的になる<ref name="ref6" />。海馬スライスをChABCで処理すると、CA1の[[LTP]]や[[LTD]]が阻害される<ref name="ref10" />。[[恐怖記憶実験]]では、CSPGは記憶の安定性に関わる<ref name="ref10" />。


=== 再生とECM ===
=== 再生とECM ===

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