「ミトコンドリア」の版間の差分

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== 動態 ==
== 動態 ==
=== 生合成経路 ===
=== 生合成経路 ===
 ミトコンドリアの生合成は、ミトコンドリア局在タンパク質および脂質の供給、ならびにミトコンドリアDNAの複製を伴う複雑なプロセスである。ニューロンにおいては、ミトコンドリアの生合成は主に[[細胞体]]において行われるが、[[軸索]]内における生合成の存在も報告されている<ref name=Cardanho-Ramos2021><pubmed>34884861</pubmed></ref>。ミトコンドリアには約1,000-1,500種類のタンパク質が存在するとされ、その大部分は核ゲノムにコードされている。一方、電子伝達系を構成する13種類のタンパク質はミトコンドリアDNAにコードされており、これら核ゲノムとミトコンドリアDNAにコードされたタンパク質の発現が協調して制御されることにより、ミトコンドリアの生合成が行われる。この制御機構には、[[転写共役因子]][[PGC1-α]]の活性化により、転写因子[[NRF-1]]および[[NRF-2]]による核ゲノムにコードされたミトコンドリアタンパク質の遺伝子発現を増強させる経路が中心的な役割を果たす。ニューロンにおいては[[AMP依存性プロテインキナーゼ]] (AMPK)の活性化や、[[脳由来神経栄養因子]] ([[BDNF]])による[[cAMP応答配列結合タンパク質]] ([[CREB]])の[[リン酸化]]などが[[ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α]]([[peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-α]], [[PGC1-α]])の発現量を増加させることが知られる一方<ref name=Cardanho-Ramos2021><pubmed>34884861</pubmed></ref>、[[アストロサイト]]成熟の際には[[代謝活性型グルタミン酸受容体5]] ([[mGluR5]])の活性化がPGC1-αの発現量を増加させる<ref name=Zehnder2021><pubmed>33852851</pubmed></ref>。
 ミトコンドリアの生合成は、ミトコンドリア局在タンパク質および脂質の供給、ならびにミトコンドリアDNAの複製を伴う複雑なプロセスである。ニューロンにおいては、ミトコンドリアの生合成は主に[[細胞体]]において行われるが、[[軸索]]内における生合成の存在も報告されている<ref name=Cardanho-Ramos2021><pubmed>34884861</pubmed></ref>。ミトコンドリアには約1,000-1,500種類のタンパク質が存在するとされ、その大部分は核ゲノムにコードされている。一方、電子伝達系を構成する13種類のタンパク質はミトコンドリアDNAにコードされており、これら核ゲノムとミトコンドリアDNAにコードされたタンパク質の発現が協調して制御されることにより、ミトコンドリアの生合成が行われる。この制御機構には、[[転写共役因子]][[ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α]]([[peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-α]], [[PGC1-α]])の活性化により、転写因子[[NRF-1]]および[[NRF-2]]による核ゲノムにコードされたミトコンドリアタンパク質の遺伝子発現を増強させる経路が中心的な役割を果たす。ニューロンにおいては[[AMP依存性プロテインキナーゼ]] (AMPK)の活性化や、[[脳由来神経栄養因子]] ([[BDNF]])による[[cAMP応答配列結合タンパク質]] ([[CREB]])の[[リン酸化]]などがPGC1-αの発現量を増加させることが知られる一方<ref name=Cardanho-Ramos2021><pubmed>34884861</pubmed></ref>、[[アストロサイト]]成熟の際には[[代謝活性型グルタミン酸受容体5]] ([[mGluR5]])の活性化がPGC1-αの発現量を増加させる<ref name=Zehnder2021><pubmed>33852851</pubmed></ref>。


=== 分裂・融合 ===
=== 分裂・融合 ===