「抑制性シナプス」の版間の差分

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<GABA放出の調節による抑制性LTP(iLTP)とLTD(iLTD)モデル>
<GABA放出の調節による抑制性LTP(iLTP)とLTD(iLTD)モデル>
・内因性カンナビノイド(eCB)を介したiLTD
・内因性カンナビノイド(eCB)を介したiLTD
シナプス後膜のグループI代謝型グルタミン酸受容体(mGluR-I)の活性化によって、内因性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生、放出される。これにより抑制性シナプス前終末のカンナビノイド受容体I型(CB1R)が活性化すると、プロテインキナーゼA(PKA)活性が低下し、アクティブゾーンタンパク質であるRIM1αのリン酸化が減少する。同時に、細胞内Ca2+上昇によってカルシニューリン(CaN)が活性化すると、RIM1αの脱リン酸化が促進され、結果的にRIM1α依存的なGABAの放出が減弱する。(PLC:ホスホリパーゼC、DAG:ジアシルグリセロール、DGL:ジアシルグリセロールリパーゼ、VGCC:電位依存性カルシウムチャネル、RIM1α:Rab3相互作用分子1α)
シナプス後膜のグループI代謝型グルタミン酸受容体(mGluR-I)の活性化によって、内因性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が産生、放出される。これにより抑制性シナプス前終末のカンナビノイド受容体I型(CB1R)が活性化すると、プロテインキナーゼA(PKA)活性が低下し、アクティブゾーンタンパク質であるRIM1αのリン酸化が減少する。同時に、細胞内Ca2+上昇によってカルシニューリン(CaN)が活性化すると、RIM1αの脱リン酸化が促進され、結果的にRIM1α依存的なGABAの放出が減弱する。(PLC:ホスホリパーゼC、DAG:ジアシルグリセロール、DGL:ジアシルグリセロールリパーゼ、VGCC:電位依存性カルシウムチャネル、RIM1α:Rab3相互作用分子1α)


・BDNFを介したiLTP
・BDNFを介したiLTP
細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後細胞から脳由来神経栄養因子(BDNF)が放出される。それによりシナプス前終末に発現するTrkB受容体が活性化することで、GABA放出が増加する。また、シナプス後細胞におけるGABAB受容体の活性化は、細胞内カルシウムストアからのカルシウムイオンの放出を誘導する。
細胞内のカルシウムイオン濃度上昇によってシナプス後細胞から脳由来神経栄養因子(BDNF)が放出される。それによりシナプス前終末に発現するTrkB受容体が活性化することで、GABA放出が増加する。また、シナプス後細胞におけるGABAB受容体の活性化は、細胞内カルシウムストアからのカルシウムイオンの放出を誘導する。


・一酸化窒素(NO)を介したiLTP
・一酸化窒素(NO)を介したiLTP
細胞内のカルシウム濃度上昇によって一酸化窒素合成酵素(NOS)が活性化し、一酸化窒素(NO)が産生される。細胞膜を透過したNOは、シナプス前終末のグアニル酸シクラーゼ(GC)に作用してグアノシン一リン酸(cGMP)を増加させ、その結果GABA放出を増加させる。一方、NOによるcGMPの上昇は、ミューオピオイド受容体(μOR)の活性化によって阻害される。
細胞内のカルシウム濃度上昇によって一酸化窒素合成酵素(NOS)が活性化し、一酸化窒素(NO)が産生される。細胞膜を透過したNOは、シナプス前終末のグアニル酸シクラーゼ(GC)に作用してグアノシン一リン酸(cGMP)を増加させ、その結果GABA放出を増加させる。一方、NOによるcGMPの上昇は、ミューオピオイド受容体(μOR)の活性化によって阻害される。


・NMDA型受容体を介したiLTDおよびiLTP
・NMDA型受容体を介したiLTDおよびiLTP
抑制性神経前終末に発現したNMDA型受容体の活性化は、細胞内カルシウム濃度を上昇させる。これによって、GABA放出の減弱(iLTD)、あるいはプロテインキナーゼA(PKA)の活性化とアクティブゾーンタンパク質であるRab3相互作用分子1α(RIM1α)のリン酸化を介してGABA放出の増強(iLTP)を誘導する。
抑制性神経前終末に発現したNMDA型受容体の活性化は、細胞内カルシウム濃度を上昇させる。これによって、GABA放出の減弱(iLTD)、あるいはプロテインキナーゼA(PKA)の活性化とアクティブゾーンタンパク質であるRab3相互作用分子1α(RIM1α)のリン酸化を介してGABA放出の増強(iLTP)を誘導する。


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