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<font size="+1">[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]</font><br> | <font size="+1">[http://researchmap.jp/bakakyoudai 松村 晃寛]、[http://researchmap.jp/phoca 川又 純]、[http://researchmap.jp/read0012356 下濱 俊]</font><br> | ||
''札幌医科大学 医学部 神経内科学講座''<br> | ''札幌医科大学 医学部 神経内科学講座''<br> | ||
DOI:<selfdoi /> | DOI:<selfdoi /> 原稿受付日:2016年2月5日 原稿完成日:2018年1月5日<br> | ||
担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真] | 担当編集委員:[http://researchmap.jp/read0141446 漆谷 真](滋賀医科大学 脳神経内科)<br> | ||
</div> | </div> | ||
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同義語:痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌 (いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない) | 同義語:痴呆、呆け、耄け、老耄、耄碌 (いずれも現在では歴史的名称であり、科学的用語として今日用いるべきではない) | ||
{{box|text= 認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。 | {{box|text= 認知症は、一度正常に達した認知機能が意識清明下で後天的に低下し日常生活や社会生活に支障をきたす状態を言う。原因疾患はアルツハイマー病などの神経変性疾患の他、血管性認知症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、感染症、各種内科疾患、薬物中毒など多彩である。高齢化の進展に伴い患者数は増加しており、また有効な根治療法が確立していないケースが多く経済的、社会的観点からも重大な課題となっている。}} | ||
== 認知症とは == | == 認知症とは == | ||
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== 診断 == | == 診断 == | ||
=== 診断基準 === | === 診断基準 === | ||
認知症の診断基準のうち、過去には[[wikipedia:ja:世界保健機関|世界保健機関]]による[[ICD-10]]や、[[wikipedia:ja:米国精神学会|米国精神学会]]による[[DSM-Ⅲ]]、[[DSM-Ⅳ]]-TRが国際的に広く用いられてきた。これらの診断基準を踏まえ、本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010では認知症を「一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言い、それが意識障害のないときに見られる。」と定義している。<br> | |||
その後、2013年5月に[[DSM-5]]が公開された。DSM-5ではdementiaという用語は消失し、代わりに「[[神経認知障害]]:neurocognitive disorders(ND)」と総称することを提唱している。dementiaという用語が廃止されたのは語源的に「de (without) + mentia (mind)」と構成されており、「mad」「crazy」「insane」「lunatic」など「狂」を意味する語と類義で差別的・侮蔑的なためとされる。認知症に該当するMajor NDの診断基準を'''表1'''に示す。<br> | |||
{| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="680" height="20"" | {| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="680" height="20"" | ||
|+ ''' | |+ '''表1.DSM-5による認知症(major neurocognitive disorder)の診断基準の要約''' | ||
| A.1つ以上の認知領域(複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知)において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。<br> | | A.1つ以上の認知領域(複雑性注意、遂行機能、学習と記憶、言語、[[知覚]]-運動、社会的認知)において過去の水準から明らかな認知の低下を来しているという以下に基づく証拠がある。<br> | ||
1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。<br> | 1) 本人、本人を良く知る情報提供者、もしくは臨床医による認知機能の明らかな低下があるという懸念。<br> | ||
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== 病態生理 == | == 病態生理 == | ||
認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する(''' | 認知症の原因疾患は非常に多岐にわたるため、個々の疾患の病態生理について本項目に記すことは困難である。認知症の診断基準・定義は先述の通り種々あるが、概ね意識清明下で後天的に認知機能が過去の水準より低下した状態を包含する。必ずしも認知機能障害イコール認知症ではないが、認知機能障害は認知症の構成要素であるとはいえる。認知機能は「情報を脳内に取り入れ、各種処理過程を経て表出するまでに関わる脳の全機能」と考えられ、各認知機能はそれぞれ大脳の特定の部位に局在し、脳の障害部位により特徴的な認知機能障害を呈する。また、脳疾患における認知機能障害は局在の他に疾患に特有のメカニズムが関与する場合もある。そこで、認知機能障害の病態生理について解剖学的見地と各種脳疾患ごとの見地から以下にそれぞれ記載する('''表2、3''')。 | ||
{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
|+ | |+ 表2.解剖学的見地からの病態生理 | ||
!障害部位!!症状 | !障害部位!!症状 | ||
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{| class="wikitable" | {| class="wikitable" | ||
|+ | |+ 表3.各種脳疾患ごとの見地から病態生理 | ||
!疾患!!病態 | !疾患!!病態 | ||
|- | |- | ||
227行目: | 159行目: | ||
認知症の50%を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]](cholinesterase:ChE)[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]([[acetylcholine]]:[[ACh]])作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。 | 認知症の50%を占めるアルツハイマー病に対し本邦で承認されているのは[[コリンエステラーゼ]](cholinesterase:ChE)[[阻害薬]]と[[NMDA型グルタミン酸受容体|N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体]][[拮抗薬]]である。ChE阻害薬は「アルツハイマー病において[[Meynert核]]の[[アセチルコリン]]([[acetylcholine]]:[[ACh]])作動性神経細胞の脱落とACh合成系の活性低下が病態に関連する」という[[コリン]]仮説を基に開発され、[[シナプス]]間隙のACh量を増加させる。 | ||
一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa<sup>2+</sup>が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して(シナプティックノイズ)記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca<sup>2+</sup>流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。''' | 一方、NMDA型[[グルタミン酸受容体]]拮抗薬は「アルツハイマー病において、脳内[[グルタミン酸]]濃度の持続的上昇やNMDA型グルタミン酸受容体への[[アミロイド]]βの結合によりCa<sup>2+</sup>が細胞内に過剰流入し、[[シナプス後膜電位]]変化が増大して(シナプティックノイズ)記憶・学習の形成を阻害したり、[[酸化ストレス]]増大や[[神経細胞死]]を招く」という[[グルタミン酸仮説]]に基づき開発されている。本剤は持続性の病的な低濃度グルタミン酸刺激に対してはNMDA型グルタミン酸受容体に結合して過剰Ca<sup>2+</sup>流入による神経毒性を防ぐが、生理的な神経興奮による一過性の高濃度グルタミン酸刺激に対しては電位依存性にNMDA型グルタミン酸受容体から解離するため、正常な神経伝達や記憶形成には影響しない。'''表4'''に各薬剤の特徴を示す。<br> | ||
{| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="850" height="20"" | {| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="850" height="20"" | ||
|+ ''' | |+ '''表4.アルツハイマー病治療薬の特徴''' | ||
! style="width:14%" | 一般名 !! style="width:12%" | 作用機序 !! style="width:14%" | 適応 !! style="width:23%" | 副次的効果 !! style="width:13%" | 剤型 !! style="width:12%" | 用法(回/日) !! style="width:12%" | 代謝・排泄 | ! style="width:14%" | 一般名 !! style="width:12%" | 作用機序 !! style="width:14%" | 適応 !! style="width:23%" | 副次的効果 !! style="width:13%" | 剤型 !! style="width:12%" | 用法(回/日) !! style="width:12%" | 代謝・排泄 | ||
|- | |- | ||
256行目: | 188行目: | ||
=== 周辺症状=== | === 周辺症状=== | ||
かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]] | かつて認知症の問題行動や異常行動とよばれた概念で行動症状と心理症状に二分される。前者は[[不穏]]、[[多動]]、[[徘徊]]、[[攻撃性]]、興奮、[[拒絶]]、[[拒食]]・[[異食]]、[[不潔行為]]、[[つきまとい]]、[[概日リズム障害]]、[[社会的逸脱行動|社会的]]・[[性的逸脱行動]]が、後者は抑うつや[[不安]]、[[アパシー]]、[[幻覚]]、[[妄想]]などがあげられる。認知症患者の約60〜90%が少なくとも1つ以上の周辺症状を呈し、特に無関心、興奮、[[易刺激性]]、抑うつなどの頻度が高いとされる。 | ||
==== ケアと環境整備による対応 ==== | ==== ケアと環境整備による対応 ==== | ||
264行目: | 195行目: | ||
==== 薬物療法 ==== | ==== 薬物療法 ==== | ||
ChE阻害剤など中核症状を改善する薬剤により周辺症状も軽減されることが多く、認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012でも焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制、体重減少、レビー小体型認知症における幻覚・妄想や[[REM睡眠期行動異常]](RBD)などに記載が見られる。また抑肝散など漢方療法も示唆される(詳細は後述)。 | |||
[[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]] | [[抗精神病薬]]では[[非定型抗精神病薬]]が使われやすいが、米国食品衛生局(FDA)より「認知症高齢者の臨床治験において非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群に比べ死亡率が増加する」という警告が出ており要注意である。2013年7月には「かかりつけ医のための周辺症状に対する[[向精神薬]]使用ガイドライン」が厚生労働省により公表されている('''表5''')。<br> | ||
{| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="965" height="20"" | {| cellspacing="1" cellpadding="1" border="1" width="965" height="20"" | ||
|+ ''' | |+ '''表5.周辺症状に対する向精神薬治療''' | ||
! style="width:9%" | 分類 !! style="width:12%" | 作用機序など !! style="width:13%" | 薬物名 !! style="width:21%" | 想定される<br>認知症への使用 !! style="width:43%" | 特徴・注意点 !! style="width:2%" | 用量 | ! style="width:9%" | 分類 !! style="width:12%" | 作用機序など !! style="width:13%" | 薬物名 !! style="width:21%" | 想定される<br>認知症への使用 !! style="width:43%" | 特徴・注意点 !! style="width:2%" | 用量 | ||
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319行目: | 250行目: | ||
<small>厚生労働省 かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用</small><br> | <small>厚生労働省 かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドラインより改変引用</small><br> | ||
<small>SDA:[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB:レビー小体型認知症、MARTA:[[多受容体作用抗精神病薬]]</small><br> | <small>SDA:[[セロトニン]]・[[ドーパミン]]拮抗薬、DLB:レビー小体型認知症、MARTA:[[多受容体作用抗精神病薬]]</small><br> | ||
<small>FTD:[[前頭側頭型認知症]]、SSRI:[[ | <small>FTD:[[前頭側頭型認知症]]、SSRI:[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬]]、SNRI:[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬]]、NaSSA:[[ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬]]</small><br> | ||
=== その他の治療アプローチ === | === その他の治療アプローチ === | ||
==== 漢方療法 ==== | ==== 漢方療法 ==== | ||
保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]] | 保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら[[釣藤散]]、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。 | ||
==== 日常生活動作障害への対応 ==== | ==== 日常生活動作障害への対応 ==== | ||
認知症の初期には[[日常生活動作]](activities of daily living:ADL)のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作(instrumental ADL:IADL)から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL(basic ADL:BADL)が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用(メモや日毎の内服分包、タイマー使用など)で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。 | 認知症の初期には[[日常生活動作]](activities of daily living:ADL)のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作(instrumental ADL:IADL)から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL(basic ADL:BADL)が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用(メモや日毎の内服分包、タイマー使用など)で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。 | ||
==== 非薬物療法 ==== | ==== 非薬物療法 ==== | ||
認知機能、周辺症状、ADLの改善を目指して行う。米国精神医学会の治療ガイドラインによると、標的とされるのは「認知」「刺激」「行動」「感情」の4つで、「認知」に関しては、見当識について他者とコミュニケーションをとりながら繰り返し学習する[[リアリティオリエンテーション療法]]、「刺激」については[[音楽療法]]などの各種[[芸術療法]]、「行動」に関しては行動異常を観察・評価して介入法を導き出すアプローチが、「感情」については過去の思い出について聞き手が受容・[[共感]]的に傾聴する[[回想法]]などが試みられる。また他にも[[認知刺激療法]]、[[運動療法]]などが試みられる。 | |||
== 疫学 == | == 疫学 == |