385
回編集
細 (→シンタキシンとは) |
細 (→構造) |
||
214行目: | 214行目: | ||
[[ファイル:Syntaxin Fig1.png|300px|サムネイル|右|'''図2. 代表的なシンタキシンのドメイン構造''']] | [[ファイル:Syntaxin Fig1.png|300px|サムネイル|右|'''図2. 代表的なシンタキシンのドメイン構造''']] | ||
シンタキシンは、約250から300アミノ酸からなる膜タンパク質(膜貫通ドメインを欠くアイソフォーム11を除く)である。非常にαへリックに富む複数のドメインがリンカーでつながれた構造をしている(図2)。カルボキシ末端の一箇所の膜貫通ドメイン(アイソフォーム7は二箇所)が膜に埋め込まれ、分子の大部分を細胞質に向けて存在している。 | |||
アイソフォーム6、8、10以外のシンタキシンは、アミノ末端に[[Munc-18]] | アイソフォーム6、8、10以外のシンタキシンは、アミノ末端に[[Munc-18]]との結合に関わる約20のアミノ酸残基からなるNペプチドモチーフをもつ(後述)<ref><pubmed>21139055</pubmed></ref>。 | ||
アミノ末端側のHabcと呼ばれるドメインでは、3本の[[wikipedia:ja:αへリックス|αへリックス]]が逆平行に結合し束になっている<ref name=ref1><pubmed>9753330</pubmed></ref><ref><pubmed>10913252</pubmed></ref>。Habcに続くリンカーは非常にフレキシブルで<ref><pubmed>12680753</pubmed></ref>、Habcは次のH3ドメインに折り重なることよりシンタキシンの膜融合能を制御する負の調節ドメインとして働く<ref><pubmed>10535962</pubmed></ref>。 | アミノ末端側のHabcと呼ばれるドメインでは、3本の[[wikipedia:ja:αへリックス|αへリックス]]が逆平行に結合し束になっている<ref name=ref1><pubmed>9753330</pubmed></ref><ref><pubmed>10913252</pubmed></ref>。Habcに続くリンカーは非常にフレキシブルで<ref><pubmed>12680753</pubmed></ref>、Habcは次のH3ドメインに折り重なることよりシンタキシンの膜融合能を制御する負の調節ドメインとして働く<ref><pubmed>10535962</pubmed></ref>。 | ||
シンタキシンのカルボキシ末端側3分の1は、膜融合能を発揮するのに必要最小限の領域である。SNAREモチーフを含むH3ドメインは対になる他のSNAREと結合し、膜融合能をもつ[[SNARE複合体]]を形成する<ref name=ref9100028><pubmed>9100028</pubmed></ref>。実際、H3ドメインと膜貫通ドメインからなるシンタキシン1の組換えフラグメントを[[SNAP-25]]ととともに再構成した人工脂質小胞は、[[シナプトブレビン]]2を再構成した人工脂質小胞と自発的に融合する<ref><pubmed>9529252</pubmed></ref>。 | |||
単量体のシンタキシンは、活性化状態と不活性状態を移行する<ref><pubmed>14668446</pubmed></ref>。活性化状態では、HabcとH3が解離したいわゆる開いた構造をとり、対になるSNAREと結合できる。これに対し、HabcがH3に折り重なった閉じた構造になると不活性型となり、SNARE複合体を形成できない<ref><pubmed>18458823</pubmed></ref><ref><pubmed>10449403 </pubmed></ref>。 | 単量体のシンタキシンは、活性化状態と不活性状態を移行する<ref><pubmed>14668446</pubmed></ref>。活性化状態では、HabcとH3が解離したいわゆる開いた構造をとり、対になるSNAREと結合できる。これに対し、HabcがH3に折り重なった閉じた構造になると不活性型となり、SNARE複合体を形成できない<ref><pubmed>18458823</pubmed></ref><ref><pubmed>10449403 </pubmed></ref>。 |
回編集