「CRMP」の版間の差分

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4 バイト追加 、 2021年12月15日 (水)
 
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 CRMP4をノックアウトすると、海馬[[CA1]]の[[錐体細胞]]の[[尖端樹状突起]]が二分枝化する表現型が増加し<ref name="ref23"><pubmed> 22234963 </pubmed></ref>、これはSema3Aのノックアウトマウスにおいても観察される<ref name="ref5" />。Sema3Aにより樹状突起の伸長や枝分かれが促進されるが、CRMP4ノックアウトマウスの培養海馬神経細胞においては、Sema3Aを加えてもこれらの促進が認められない<ref name="ref23" />。これらのことから、Sema3AシグナルがCRMP4に伝わり、海馬CA1における錐体細胞の尖端樹状突起の二分枝化を負に制御することが示唆されている<ref name="ref5" /><ref name="ref23" />。  
 CRMP4をノックアウトすると、海馬[[CA1]]の[[錐体細胞]]の[[尖端樹状突起]]が二分枝化する表現型が増加し<ref name="ref23"><pubmed> 22234963 </pubmed></ref>、これはSema3Aのノックアウトマウスにおいても観察される<ref name="ref5" />。Sema3Aにより樹状突起の伸長や枝分かれが促進されるが、CRMP4ノックアウトマウスの培養海馬神経細胞においては、Sema3Aを加えてもこれらの促進が認められない<ref name="ref23" />。これらのことから、Sema3AシグナルがCRMP4に伝わり、海馬CA1における錐体細胞の尖端樹状突起の二分枝化を負に制御することが示唆されている<ref name="ref5" /><ref name="ref23" />。  


 CRMP4 mRNAのマウス脳での詳細な発現分布、発現強度の生後変化が報告された <ref name=Tsutiya2012><pubmed>22816653</pubmed></ref>。視床下部 (AVPV) でのCRMP4の発現が、視床下部性差形成時期において雌雄で異なり、CRMP4はメス特異的にAVPVに存在するドーパミンニューロン (THニューロン) の数を調節することが報告された<ref name=Iwakura2013><pubmed>23420586</pubmed></ref>。CRMP4欠損仔マウスの嗅球において 、グルタミン酸受容体1 (GluR1) とGluR2の発現が増加すること、嗅球ニューロンの興奮が亢進すること、匂い識別能力が低下することが示された <ref name=Tsutiya2015><pubmed>26118640</pubmed></ref>('''表2''')。
 CRMP4 [[mRNA]]のマウス脳での詳細な発現分布、発現強度の生後変化が報告された <ref name=Tsutiya2012><pubmed>22816653</pubmed></ref>。視床下部 (AVPV) でのCRMP4の発現が、視床下部性差形成時期において雌雄で異なり、CRMP4はメス特異的にAVPVに存在するドーパミンニューロン (THニューロン) の数を調節することが報告された<ref name=Iwakura2013><pubmed>23420586</pubmed></ref>。CRMP4欠損仔マウスの嗅球において 、グルタミン酸受容体1 (GluR1) とGluR2の発現が増加すること、嗅球ニューロンの興奮が亢進すること、匂い識別能力が低下することが示された <ref name=Tsutiya2015><pubmed>26118640</pubmed></ref>('''表2''')。


 CRM4欠損あるいはノックダウンした神経細胞では、樹状突起の分岐点の数が増加し、樹状突起伸長が促進されること、CRMP4を過剰発現した神経細胞では樹状突起伸長が抑制されることから、CRMP4は樹状突起の分岐および伸長を抑制することが示唆されている<ref name="ref23" /><ref name=Tsutiya2016><pubmed>26739921</pubmed></ref>
 CRM4欠損あるいはノックダウンした神経細胞では、樹状突起の分岐点の数が増加し、樹状突起伸長が促進されること、CRMP4を過剰発現した神経細胞では樹状突起伸長が抑制されることから、CRMP4は樹状突起の分岐および伸長を抑制することが示唆されている<ref name="ref23" /><ref name=Tsutiya2016><pubmed>26739921</pubmed></ref>

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