「認知症」の版間の差分

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=== その他の治療アプローチ ===
=== その他の治療アプローチ ===
==== 漢方療法 ====
==== 漢方療法 ====
 保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら釣藤散、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。
 保険適応外ではあるが、最もエビデンスレベルが高いのは周辺症状に対する抑肝散である。本邦の認知症疾患治療ガイドライン2010コンパクト版2012にも記載があり、実臨床でも頻用されている。抑肝散には[[甘草]]が多く含まれるので、[[wikipedia:ja:偽アルドステロン症|偽アルドステロン症]]や[[wikipedia:ja:低カリウム血症|低カリウム血症]]に注意を要する。また他にも保険適応外ながら[[釣藤散]]、[[抑肝散加陳皮半夏]]や[[柴胡加竜骨牡蠣湯]]、[[黄連解毒湯]]、[[加味温胆湯]]、[[加味帰脾湯]]、[[八味地黄丸]]、[[当帰芍薬散]]など複数の漢方薬の報告がある。
==== 日常生活動作障害への対応 ====
==== 日常生活動作障害への対応 ====
 認知症の初期には[[日常生活動作]](activities of daily living:ADL)のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作(instrumental ADL:IADL)から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL(basic ADL:BADL)が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用(メモや日毎の内服分包、タイマー使用など)で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。
 認知症の初期には[[日常生活動作]](activities of daily living:ADL)のうち家事動作・服薬管理・買い物・電話・交通機関の利用など社会的活動に必要な、複雑で高度な手段的日常生活動作(instrumental ADL:IADL)から障害される。その後、中等度以降に進行すると食事・排泄・入浴・更衣・整容・移動などの基本的ADL(basic ADL:BADL)が障害される。IADL障害に対しては記憶の代償手段の活用(メモや日毎の内服分包、タイマー使用など)で対応する。症状が進行してBADL障害も出現するようになったら、「できるADL」を評価しながら段階的に介護量を調整し、安全面や負担も考慮して「していくADL」を検討する。また環境設定を統一し、同じ動作・方法を繰り返して[[手続き記憶]]を活用して学習したり、目印や着衣の容易な服への変更など環境整備により自立度を高める。
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