「オリゴデンドロサイト前駆細胞」の版間の差分

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=== 視神経 ===  
=== 視神経 ===  


 O-2A前駆細胞は、新生児ラットの培養視神経細胞から見出されたものである。上述の通り、視神経のO-2A細胞もしくはオリゴデンドロサイト前駆細胞は当初から前脳からの移民細胞であると予想されており、ニワトリではその起源や移動様式が明らかにされている。[[齧歯類]]の視神経におけるPDGFRαをマーカーとした解析では、これを発現する細胞が出生直後に(P0からP2にかけて)視神経の[[視交叉]]側から[[網膜]]側に向かって急速に分布が拡がる。これは、オリゴデンドロサイト前駆細胞の移動を反映しているものと考えられている<ref name=ref49><pubmed>1425339</pubmed></ref>。しかし、マウスやラットの視神経でgenetic fate mappingなどを用いたオリゴデンドロサイト前駆細胞の移動や系譜解析は、前脳や脊髄に比較して少なく、直接的に示した報告はほとんどないのが現状である。Olig2-CreERマウスを用いたgenetic fate mappingから、E12.5のOlig2陽性細胞をGFPで標識すると、前脳基底部では視索前野とその周辺領域から出現し、E13.5、E14.5ではすべてPDGFRα陽性となる。GFP陽性細胞は、出世前後から視神経に入り、成体ではすべてOLとなる。PDGFRαに対する抗体を用いて胎仔期の前脳をwhole-mountで免疫染色すると、視索前野から陽性細胞が出現して後方に広がることから、この領域が視神経OLの起源領域であるとみなされた<ref name=Ono2017><pubmed> 28293728 </pubmed></ref>。
 O-2A前駆細胞は、新生児ラットの培養視神経細胞から見出されたものである。上述の通り、視神経のO-2A細胞もしくはオリゴデンドロサイト前駆細胞は当初から前脳からの移民細胞であると予想されており、ニワトリではその起源や移動様式が明らかにされている。[[齧歯類]]の視神経におけるPDGFRαをマーカーとした解析では、これを発現する細胞が出生直後に(P0からP2にかけて)視神経の[[視交叉]]側から[[網膜]]側に向かって急速に分布が拡がる。これは、オリゴデンドロサイト前駆細胞の移動を反映しているものと考えられている<ref name=ref49><pubmed>1425339</pubmed></ref>。しかし、マウスやラットの視神経でgenetic fate mappingなどを用いたオリゴデンドロサイト前駆細胞の移動や系譜解析は、前脳や脊髄に比較して少なく、直接的に示した報告はほとんどないのが現状である。Olig2-CreERマウスを用いたgenetic fate mappingから、E12.5のOlig2陽性細胞をGFPで標識すると、[[前脳基底部]]では[[視索前野]]とその周辺領域から出現し、E13.5、E14.5ではすべてPDGFRα陽性となる。GFP陽性細胞は、出生前後から視神経に入り、成体ではすべてオリゴデンドロサイトとなる。PDGFRαに対する抗体を用いて胎仔期の前脳をwhole-mountで免疫染色すると、視索前野から陽性細胞が出現して後方に広がることから、この領域が視神経オリゴデンドロサイトの起源領域であるとみなされた<ref name=Ono2017><pubmed> 28293728 </pubmed></ref>。


=== 終脳 ===  
=== 終脳 ===  

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