「カテニン」の版間の差分

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 β–カテニンとγ–カテニン(プラコグロビンとも呼ばれる)がこのグループに属する。ヒトにおいて両者は高い相同性(76%以上の相同性)をもつ。また、ショウジョウバエのアルマジロとも高い相同性をもつ。
 β–カテニンとγ–カテニン(プラコグロビンとも呼ばれる)がこのグループに属する。ヒトにおいて両者は高い相同性(76%以上の相同性)をもつ。また、ショウジョウバエのアルマジロとも高い相同性をもつ。
===構造===
===構造===
 &beta;&ndash;カテニンの一次構造についてはショウジョウバエのアルマジロで見つかった42アミノ酸残基の繰り返し配列(アルマジロ反復配列)が分子のN末端とC末端を除いた大部分を占める。この反復配列のほぼその全体にカドヘリンの細胞質領域の細胞膜より遠い部分が結合する。&beta;&ndash;カテニンタンパクの立体構造はアルマジロ反復配列の領域だけでなく、ゼブラフィッシュにおいて全長で近年、解かれた<ref name=ref_><pubmed> 18334222 </pubmed></ref>。E&ndash;カドヘリンは、細胞質領域の細胞膜より遠い部分を介して、&beta;&ndash;カテニンのアルマジロ配列のほぼ全体に結合する<ref><pubmed> 15112230 </pubmed></ref>。&alpha;&ndash;カテニンとは、そのアルマジロ反復配列のもっともN末よりの部分で結合する<ref><pubmed> 15112230 </pubmed></ref>。他にも、アルマジロ反復配列領域では、転写因子であるTCF/LEFに結合することで、Wntシグナル伝達における転写制御に、また、APC、Axinもその反復配列へ結合することで、&beta;&ndash;カテニンの分解に関与している。また、アルマジロ反復配列よりもN末側の領域とGSK3&beta;との結合も存在し、&beta;&ndash;カテニンの分解促進に重要であると考えられている。
 &beta;&ndash;カテニンの一次構造についてはショウジョウバエのアルマジロで見つかった42アミノ酸残基の繰り返し配列(アルマジロ反復配列)が分子のN末端とC末端を除いた大部分を占める。この反復配列のほぼその全体にカドヘリンの細胞質領域の細胞膜より遠い部分が結合する。&beta;&ndash;カテニンタンパクの立体構造はアルマジロ反復配列の領域だけでなく、ゼブラフィッシュにおいて全長で近年、解かれた<ref><pubmed> 18334222 </pubmed></ref>。E&ndash;カドヘリンは、細胞質領域の細胞膜より遠い部分を介して、&beta;&ndash;カテニンのアルマジロ配列のほぼ全体に結合する<ref><pubmed> 15112230 </pubmed></ref>。&alpha;&ndash;カテニンとは、そのアルマジロ反復配列のもっともN末よりの部分で結合する<ref><pubmed> 15112230 </pubmed></ref>。他にも、アルマジロ反復配列領域では、転写因子であるTCF/LEFに結合することで、Wntシグナル伝達における転写制御に、また、APC、Axinもその反復配列へ結合することで、&beta;&ndash;カテニンの分解に関与している。また、アルマジロ反復配列よりもN末側の領域とGSK3&beta;との結合も存在し、&beta;&ndash;カテニンの分解促進に重要であると考えられている。
プラコグロビンは&beta;&ndash;カテニンの機能を相補しうるが、特徴としてそのN末端部分を介してデスモソームカドヘリンの細胞質部分に結合する。プラコグロビンも&beta;&ndash;カテニンと同様にその中央部分にアルマジロ反復配列をもち、その領域はデスモプラーキンと呼ばれる中間径フィラメント結合タンパクとの結合サイトをもつ。このデスモプラーキンとの結合はデスモソームと中間径線維との連結役として機能していると考えられている<ref><pubmed> 17854763 </pubmed></ref>。
プラコグロビンは&beta;&ndash;カテニンの機能を相補しうるが、特徴としてそのN末端部分を介してデスモソームカドヘリンの細胞質部分に結合する。プラコグロビンも&beta;&ndash;カテニンと同様にその中央部分にアルマジロ反復配列をもち、その領域はデスモプラーキンと呼ばれる中間径フィラメント結合タンパクとの結合サイトをもつ。このデスモプラーキンとの結合はデスモソームと中間径線維との連結役として機能していると考えられている<ref><pubmed> 17854763 </pubmed></ref>。


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