「カテニン」の版間の差分

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 &beta;&ndash;カテニンは、発生における遺伝子発現の制御にも重要な役割がある。Wntシグナルがない状態では、細胞質の&beta;&ndash;カテニン(カドヘリン・カテニン複合体中のものとは別である)はGSK3&beta;によりリン酸化され、それを標的としたユビキチン化により、プロテアソームによるタンパク質分解をうけることで、その量が低く保たれている。WntシグナルがやってくればGSK3&beta;によるリン酸化が抑制され、&beta;&ndash;カテニンは核内へ移行し、TCF/LEFと複合体を形成し、細胞周期関連因子や体軸決定因子などの標的遺伝子を活性化する<ref><pubmed> 22617422 </pubmed></ref>。これは、ウニの発生を初めとし無脊椎動物、脊椎動物両方において報告されている<ref><pubmed> 22617422 </pubmed></ref>。神経系においても、シナプス形成と可塑性や神経幹細胞の未分化状態の維持など多岐にわたる寄与が報告されている<ref><pubmed>'''Elkouby, Y. M., Frank, D. '''<br>Wnt/beta-Catenin Signaling in Vertebrate Posterior Neural Development<br>''Developmental Biology (San Rafael (CA))'':2010</ref> <ref><pubmed> 23377854 </pubmed></ref>。また、プロコグロビンも先に挙げたTCF/LEFと結合でき、核内への局在がみられる状況では、Wnt/&beta;&ndash;カテニンシグナル伝達の抑制が同時にみられていることから、実際にはプロコグロビンは&beta;&ndash;カテニンと相互排他的にTCF/LEFへ結合しうり、その結果としてWnt/&beta;&ndash;カテニンシグナル伝達の制御を実現していると解釈できる。
 &beta;&ndash;カテニンは、発生における遺伝子発現の制御にも重要な役割がある。Wntシグナルがない状態では、細胞質の&beta;&ndash;カテニン(カドヘリン・カテニン複合体中のものとは別である)はGSK3&beta;によりリン酸化され、それを標的としたユビキチン化により、プロテアソームによるタンパク質分解をうけることで、その量が低く保たれている。WntシグナルがやってくればGSK3&beta;によるリン酸化が抑制され、&beta;&ndash;カテニンは核内へ移行し、TCF/LEFと複合体を形成し、細胞周期関連因子や体軸決定因子などの標的遺伝子を活性化する<ref><pubmed> 22617422 </pubmed></ref>。これは、ウニの発生を初めとし無脊椎動物、脊椎動物両方において報告されている<ref><pubmed> 22617422 </pubmed></ref>。神経系においても、シナプス形成と可塑性や神経幹細胞の未分化状態の維持など多岐にわたる寄与が報告されている<ref><pubmed>'''Elkouby, Y. M., Frank, D. '''<br>Wnt/beta-Catenin Signaling in Vertebrate Posterior Neural Development<br>''Developmental Biology (San Rafael (CA))'':2010</ref> <ref><pubmed> 23377854 </pubmed></ref>。また、プロコグロビンも先に挙げたTCF/LEFと結合でき、核内への局在がみられる状況では、Wnt/&beta;&ndash;カテニンシグナル伝達の抑制が同時にみられていることから、実際にはプロコグロビンは&beta;&ndash;カテニンと相互排他的にTCF/LEFへ結合しうり、その結果としてWnt/&beta;&ndash;カテニンシグナル伝達の制御を実現していると解釈できる。


==p120;&ndash;カテニン==
==p120&ndash;カテニン==
 p120&ndash;カテニンと&delta;&ndash;カテニンがこのグループに属する(p120&ndash;カテニンファミリーにはその他複数のタンパクがあるが、ここでは比較的研究歴史の長い2つのカテニンについてのみ紹介する。それ以外のタンパクについては総説<ref><pubmed> 15489912 </pubmed></ref>や<ref><pubmed> 17175391 </pubmed></ref>を参照していただきたい。)。(PSD-95やGRIPとも相互作用すると思います。これらの点についても御願い致します)
 p120&ndash;カテニンと&delta;&ndash;カテニンがこのグループに属する(p120&ndash;カテニンファミリーにはその他複数のタンパクがあるが、ここでは比較的研究歴史の長い2つのカテニンについてのみ紹介する。それ以外のタンパクについては総説<ref><pubmed> 15489912 </pubmed></ref>や<ref><pubmed> 17175391 </pubmed></ref>を参照していただきたい。)。(PSD-95やGRIPとも相互作用すると思います。これらの点についても御願い致します)
===構造===
===構造===
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