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==ファミリー分子== | ==ファミリー分子== | ||
[[image:semaphorin 1.jpg|thumb|300px|'''図1.セマフォリンファミリータンパク質と受容体の関係'''<br>[[TIM-2]]:[[T cell immunoglobulin and mucin-domain-containing 2]], CSPG: [[コンドロイチン硫酸プロテオグリカン]], HSPG: ヘパラン硫酸プロテオグリカン]] | [[image:semaphorin 1.jpg|thumb|300px|'''図1.セマフォリンファミリータンパク質と受容体の関係'''<br>[[TIM-2]]:[[T cell immunoglobulin and mucin-domain-containing 2]], [[CSPG]]: [[コンドロイチン硫酸プロテオグリカン]], [[HSPG]]: ヘパラン硫酸プロテオグリカン]] | ||
[[image:semaphorin 2.jpg|thumb|300px|'''図2.セマフォリン受容体の細胞内伝達'''<br>PI3K: [[PI3K|ホスファチジルイノシトール3キナーゼ]]]] | [[image:semaphorin 2.jpg|thumb|300px|'''図2.セマフォリン受容体の細胞内伝達'''<br>[[PI3K]]: [[PI3K|ホスファチジルイノシトール3キナーゼ]], [[Akt]]: [[v-akt murine thymoma viral oncogene homolog]], [[GSK-3]]: [[glycogen synthase kinase 3]], [[FARP2]]: [[FERM, RhoGEF and pleckstrin domain protein 2]], [[Rac1]]: [[ras-related C3 botulinum toxin substrate 1]], [[PAK]]: [[p21 protein (Cdc42/Rac)-activated kinase]], [[Rnd1]]: [[Rho family GTPase 1]], [[R-Ras]]: [[related RAS viral (r-ras) oncogene homolog]], [[MICAL]]: [[microtubule associated monooxygenase, calponin and LIM domain containing 1]], [[Fyn]]: [[FYN oncogene related to SRC, FGR, YES]], [[Cdk5]]: [[cyclin-dependent kinase 5]], [[CRMP]]: [[collapsin response mediator protein]]/[[dihydropyrimidinase-like]]]] | ||
[[image:semaphorin 3.jpg|thumb|300px|'''図3.''']] | [[image:semaphorin 3.jpg|thumb|300px|'''図3.''']] | ||
セマフォリンは構造の違いにより、8つのサブファミリー ( | セマフォリンは構造の違いにより、8つのサブファミリー (セマフォリン1-7とV [ウイルス])に分類される(図1)<ref name=ref1 />。全てのセマフォリンの N末端側はセマドメインとなっており、C末端側の構造によって、[[分泌]]型、膜貫通型、 [[GPIアンカー]]型等の性質が付与される。この内、セマフォリン1aは[[線虫]]や[[ショウジョウバエ]]、セマフォリン2aはショウジョウバエ、[[wj:ハチ|ハチ]]等の[[wj:昆虫|昆虫]]に存在するセマフォリンである。 | ||
== 発現パターンと細胞内分布 == | == 発現パターンと細胞内分布 == | ||
脊椎動物に発現するセマフォリンセマフォリン3-7は各々固有の生体内分布を示す(表1)<ref name=ref6>http://biogps.org/#goto=welcome BioGPS</ref> <ref name=ref7>http://www.gensat.org/index.html The GENSAT Project at the Rockefeller University</ref>。セマフォリンは神経系に広く分布するのみならず、肺、消化器系、循環器系、免疫組織、骨組織を形成する細胞群にも発現し、その多彩な生理機能を有することを示唆している。セマフォリンの細胞内分布の詳細な解析は今後の課題である。 | |||
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| 非神経系 | | 非神経系 | ||
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| | | セマフォリン3A | ||
| [[大脳皮質]]、[[梨状葉]]、[[海馬]]、[[尾状核]]、[[被核]]、[[扁桃体]]、[[小脳]]、[[分界条]]、 [[脊髄]]、後根神経節 | | [[大脳皮質]]、[[梨状葉]]、[[海馬]]、[[尾状核]]、[[被核]]、[[扁桃体]]、[[小脳]]、[[分界条]]、 [[脊髄]]、後根神経節 | ||
| [[wj:肺|肺]]、[[wj:胎盤|胎盤]]、[[wj:胃|胃]]、[[wj:大腸|大腸]]、[[wj:小腸|小腸]]、[[wj:前立腺|前立腺]]、[[wj:骨芽細胞|骨芽細胞]]、[[wj:腎臓|腎臓]] | | [[wj:肺|肺]]、[[wj:胎盤|胎盤]]、[[wj:胃|胃]]、[[wj:大腸|大腸]]、[[wj:小腸|小腸]]、[[wj:前立腺|前立腺]]、[[wj:骨芽細胞|骨芽細胞]]、[[wj:腎臓|腎臓]] | ||
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| | | セマフォリン3B | ||
| [[嗅球]]、小脳、[[中脳]]、[[橋]]、[[延髄]] | | [[嗅球]]、小脳、[[中脳]]、[[橋]]、[[延髄]] | ||
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| | | セマフォリン3C | ||
| 大脳皮質、梨状葉、[[内嗅領皮質]]、海馬、[[淡蒼球]]、扁桃体、小脳 | | 大脳皮質、梨状葉、[[内嗅領皮質]]、海馬、[[淡蒼球]]、扁桃体、小脳 | ||
| [[wj:脂肪細胞|脂肪細胞]]、肺、[[wj:子宮|子宮]]、[[wj:卵巣|卵巣]]、[[wj:膀胱|膀胱]]、胃、大腸、骨芽細胞、[[wj:骨格筋|骨格筋]] | | [[wj:脂肪細胞|脂肪細胞]]、肺、[[wj:子宮|子宮]]、[[wj:卵巣|卵巣]]、[[wj:膀胱|膀胱]]、胃、大腸、骨芽細胞、[[wj:骨格筋|骨格筋]] | ||
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| | | セマフォリン3D | ||
| 嗅球、脊髄、後根神経節 | | 嗅球、脊髄、後根神経節 | ||
| 卵巣、膀胱、[[wj:臍帯|臍帯]]、[[wj:上皮|上皮]](何の上皮でしょうか?)、骨芽細胞、[[wj:脾臓|脾臓]]、[[wj:リンパ節|リンパ節]]、[[wj:角膜|角膜]]、[[wj: レンズ | レンズ]] | | 卵巣、膀胱、[[wj:臍帯|臍帯]]、[[wj:上皮|上皮]](何の上皮でしょうか?)、骨芽細胞、[[wj:脾臓|脾臓]]、[[wj:リンパ節|リンパ節]]、[[wj:角膜|角膜]]、[[wj: レンズ | レンズ]] | ||
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| | | セマフォリン3E | ||
| 嗅球、網膜、大脳皮質、海馬、腹側線条体、[[基底前脳]]、 [[視床]]、中脳、橋、延髄 | | 嗅球、網膜、大脳皮質、海馬、腹側線条体、[[基底前脳]]、 [[視床]]、中脳、橋、延髄 | ||
| 肺、胎盤、臍帯、上皮、胃、骨芽細胞 | | 肺、胎盤、臍帯、上皮、胃、骨芽細胞 | ||
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| | | セマフォリン3F | ||
| 大脳皮質、海馬、被殻、 腹側線条体、基底前脳、 扁桃体、視床、中脳、橋、延髄、小脳 | | 大脳皮質、海馬、被殻、 腹側線条体、基底前脳、 扁桃体、視床、中脳、橋、延髄、小脳 | ||
| 肺、胎盤、子宮、[[wj:下垂体|下垂体]] | | 肺、胎盤、子宮、[[wj:下垂体|下垂体]] | ||
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| | | セマフォリン3G | ||
| 後根神経節 | | 後根神経節 | ||
| 肺、胎盤、卵巣、[[wj:脂肪組織|脂肪組織]]、腎臓 | | 肺、胎盤、卵巣、[[wj:脂肪組織|脂肪組織]]、腎臓 | ||
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| | | セマフォリン4A | ||
| 大脳皮質、梨状葉、内嗅領皮質、海馬、被殻、淡蒼球、[[黒質]]、扁桃体、小脳 | | 大脳皮質、梨状葉、内嗅領皮質、海馬、被殻、淡蒼球、[[黒質]]、扁桃体、小脳 | ||
| 脂肪組織、膀胱、胃、大腸、小腸、[[wj:前立腺|前立腺]]、[[wj:T細胞|T細胞]]、[[wj:NK細胞|NK細胞]]、[[wj:肥満細胞|肥満細胞]]、[[wj:樹状細胞|樹状細胞]]、[[wj:網膜色素上皮|網膜色素上皮]]、角膜 | | 脂肪組織、膀胱、胃、大腸、小腸、[[wj:前立腺|前立腺]]、[[wj:T細胞|T細胞]]、[[wj:NK細胞|NK細胞]]、[[wj:肥満細胞|肥満細胞]]、[[wj:樹状細胞|樹状細胞]]、[[wj:網膜色素上皮|網膜色素上皮]]、角膜 | ||
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| | | セマフォリン4B | ||
| 後根神経節 | | 後根神経節 | ||
| 胎盤、小腸、[[wj:B細胞|B細胞]]、[[wj:形質細胞様樹状細胞|形質細胞様樹状細胞]] | | 胎盤、小腸、[[wj:B細胞|B細胞]]、[[wj:形質細胞様樹状細胞|形質細胞様樹状細胞]] | ||
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| | | セマフォリン4C | ||
| 後根神経節、小脳、嗅球、脊髄 | | 後根神経節、小脳、嗅球、脊髄 | ||
| 胎盤、子宮、膀胱、肥満細胞、形質細胞様樹状細胞、[[wj:ミクログリア|ミクログリア]]、[[wj:網膜|網膜]]、角膜、[[wj:虹彩|虹彩]] | | 胎盤、子宮、膀胱、肥満細胞、形質細胞様樹状細胞、[[wj:ミクログリア|ミクログリア]]、[[wj:網膜|網膜]]、角膜、[[wj:虹彩|虹彩]] | ||
|- | |- | ||
| | | セマフォリン4D | ||
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| B細胞、肥満細胞、[[wj:マクロファージ|マクロファージ]]、[[wj:破骨細胞|破骨細胞]]、ミクログリア、脾臓、リンパ節、骨髄、腎臓 | | B細胞、肥満細胞、[[wj:マクロファージ|マクロファージ]]、[[wj:破骨細胞|破骨細胞]]、ミクログリア、脾臓、リンパ節、骨髄、腎臓 | ||
|- | |- | ||
| | | セマフォリン4F | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、[[視床下部]]、小脳、側坐核、背側線条体、後根神経節 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、[[視床下部]]、小脳、側坐核、背側線条体、後根神経節 | ||
| 肺、胸腺細胞、T細胞、樹状細胞、[[wj:顆粒球|顆粒球]]、網膜 | | 肺、胸腺細胞、T細胞、樹状細胞、[[wj:顆粒球|顆粒球]]、網膜 | ||
|- | |- | ||
| | | セマフォリン4G | ||
| 扁桃体、海馬、嗅球、視床下部、小脳 | | 扁桃体、海馬、嗅球、視床下部、小脳 | ||
| 肝臓、腎臓、膀胱、胃、大腸、小腸 | | 肝臓、腎臓、膀胱、胃、大腸、小腸 | ||
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| | | セマフォリン5A | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体、後根神経節 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体、後根神経節 | ||
| 子宮、卵巣、膀胱、骨芽細胞、[[wj:水晶体|水晶体]] | | 子宮、卵巣、膀胱、骨芽細胞、[[wj:水晶体|水晶体]] | ||
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| | | セマフォリン5B | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、側坐核、後根神経節 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、側坐核、後根神経節 | ||
| [[wj:涙腺|涙腺]]、膵臓、[[wj:心臓|心臓]]、[[wj:肝臓|肝臓]]、ミクログリア | | [[wj:涙腺|涙腺]]、膵臓、[[wj:心臓|心臓]]、[[wj:肝臓|肝臓]]、ミクログリア | ||
|- | |- | ||
| | | セマフォリン6A | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、[[側坐核]]、線条体、後根神経節 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、[[側坐核]]、線条体、後根神経節 | ||
| 肺、胎盤、卵巣、小腸、膵臓、脂肪細胞、心臓、B細胞、肥満細胞、樹状細胞、脾臓、腎臓、網膜色素上皮、[[wj:毛様体|毛様体]]、水晶体 | | 肺、胎盤、卵巣、小腸、膵臓、脂肪細胞、心臓、B細胞、肥満細胞、樹状細胞、脾臓、腎臓、網膜色素上皮、[[wj:毛様体|毛様体]]、水晶体 | ||
|- | |- | ||
| | | セマフォリン6B | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体 | ||
| 膵臓、涙腺、唾液腺、マクロファージ | | 膵臓、涙腺、唾液腺、マクロファージ | ||
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| | | セマフォリン6C | ||
| 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体、後根神経節 | | 大脳皮質、扁桃体、海馬、嗅球、脊髄、視床下部、小脳、側坐核、線条体、後根神経節 | ||
| 肺、卵巣、心臓、樹状細胞、リンパ節、[[wj:虹彩|虹彩]]、[[wj:眼杯|眼杯]] | | 肺、卵巣、心臓、樹状細胞、リンパ節、[[wj:虹彩|虹彩]]、[[wj:眼杯|眼杯]] | ||
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| | | セマフォリン6D | ||
| 脊髄、小脳 | | 脊髄、小脳 | ||
| 胃、小腸、膵臓、骨芽細胞、[[wj:水晶体|水晶体]] | | 胃、小腸、膵臓、骨芽細胞、[[wj:水晶体|水晶体]] | ||
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| | | セマフォリン7A | ||
| 脊髄、小脳 | | 脊髄、小脳 | ||
| 胃、小腸、膵臓、心臓、樹状細胞、骨芽細胞、破骨細胞、水晶体、角膜 | | 胃、小腸、膵臓、心臓、樹状細胞、骨芽細胞、破骨細胞、水晶体、角膜 | ||
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セマフォリンの主要な受容体は[[プレキシン]]である。 | セマフォリンの主要な受容体は[[プレキシン]]である。 | ||
プレキシンはA-Dの四つのサブファミリーに分類される。N末端はセマフォリンと同様に[[セマドメイン]] | プレキシンはA-Dの四つのサブファミリーに分類される。N末端はセマフォリンと同様に[[セマドメイン]]となっており、それ以外の細胞外ドメインも各サブタイプでほぼ共通である。立体構造の解析から、セマフォリンとプレキシンのセマドメインは七枚の羽のようなユニットからなるβプロペラ構造を持っていることが明らかとなった。セマフォリンとプレキシンの結合はお互いのセマドメイン同士を介して行われる。セマフォリン3サブファミリーは直接プレキシンと結合しないが、ニューロピリンとの結合を介してプレキシンAのセマドメインと相互作用する。プレキシンの中には、膜貫通型チロシンキナーゼや[[免疫グロブリンスーパーファミリー]]等と会合するものがある。これらの分子はプレキシンによる情報伝達を修飾する役割を担っている。 | ||
====低分子量Gタンパク質==== | ====低分子量Gタンパク質==== | ||
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プレキシンAは低分子量Gタンパク質を介した情報伝達以外に、リン酸化酵素を介した情報伝達も行う。 | プレキシンAは低分子量Gタンパク質を介した情報伝達以外に、リン酸化酵素を介した情報伝達も行う。 | ||
プレキシンAは[[Src]]ファミリーチロシンキナーゼの一種である[[Fyn]] | プレキシンAは[[Src]]ファミリーチロシンキナーゼの一種である[[Fyn]]と相互作用する。セマフォリン3Aが結合するとFynによる[[チロシンリン酸化]]を介して[[Cdk5]]が活性化する。Cdk5は[[コラプシン反応媒介タンパク質]]([[collapsin response mediator protein]], [[CRMP]]) をリン酸化する(図2)。一旦Cdk5によりリン酸化されると([[プライミング]])、GSK3βによりCRMPが認識されるようになり、追加的なリン酸化が行われる。これらのリン酸化を受けたCRMPと細胞内の他の様々なタンパク質との相互作用が変化し、[[微小管]]を含む[[細胞骨格]]の再構成に関与する<ref name=ref11><pubmed>22351471</pubmed></ref>。また興味深いことに、[[アルツハイマー型認知症患者]]脳組織における[[神経原線維]]には、高度にリン酸化修飾を受けた[[CRMP2]]の集積が認められ、病態との関連が注目されている。 | ||
GSK3βの基質には、CRMPのようなprimed substrateと 予めのリン酸化修飾を必要としないunprimed | GSK3βの基質には、CRMPのようなprimed substrateと 予めのリン酸化修飾を必要としないunprimed substrateが存在する。セマフォリン3Aシグナルの下流にはunprimed substrateである[[Axin-1]]が関与し、GSK3β/Axin-1/[[β-カテニン]]複合体形成を経て[[エンドサイトーシス]]を誘起する<ref name=ref11 />。また、プレキシンAは[[wj:酸化還元酵素|酸化還元酵素]]である[[Molecules Interacting with CasL]] ([[MICAL]]) とも相互作用し、[[アクチン]]の重合を調節する。 | ||
[[wj:レーザー|レーザー]]照射による局所分子不活化技術を用いて、成長円錐片側の[[CRMP1]]と[[CRMP2]]の活性を消失させると、照射部位とは逆側と同側の方向への、各々全く逆の軸索回旋が起こる。この事からCRMPサブファミリー分子の役割には相違があると考えられるが、詳細な機構は明らかではない<ref name=ref12><pubmed>22378692</pubmed></ref>。 | [[wj:レーザー|レーザー]]照射による局所分子不活化技術を用いて、成長円錐片側の[[CRMP1]]と[[CRMP2]]の活性を消失させると、照射部位とは逆側と同側の方向への、各々全く逆の軸索回旋が起こる。この事からCRMPサブファミリー分子の役割には相違があると考えられるが、詳細な機構は明らかではない<ref name=ref12><pubmed>22378692</pubmed></ref>。 | ||
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例えば、リガンド分子としてVEGFのスプライス変異体[[VEGF165]]はニューロピリン1に結合し、セマフォリン3Aに拮抗的に作用する。[[プレキシン-A]]に直接結合するクラス6セマフォリンもセマフォリン3A作用を修飾する。 | 例えば、リガンド分子としてVEGFのスプライス変異体[[VEGF165]]はニューロピリン1に結合し、セマフォリン3Aに拮抗的に作用する。[[プレキシン-A]]に直接結合するクラス6セマフォリンもセマフォリン3A作用を修飾する。 | ||
ニューロピリン1と相互作用する細胞膜タンパク質として、[[L1]]や類縁の[[CHL1]]が報告されている。ニューロピリン1と複合体を形成したL1は、[[接着班キナーゼ]]と[[MAPキナーゼ]] | ニューロピリン1と相互作用する細胞膜タンパク質として、[[L1]]や類縁の[[CHL1]]が報告されている。ニューロピリン1と複合体を形成したL1は、[[接着班キナーゼ]]と[[MAPキナーゼ]]を活性化する。CHL1はセマフォリン3A/NRP1で制御される[[視床皮質路]]の軸索投射に関与する。 | ||
一方、プレキシン-Aは[[off-Track]]、[[VEGFR2]]、[[TREM2]]、[[DAP12]]などの膜タンパク質と相互作用する<ref name=ref9 />。これら相互作用分子の発現は組織や細胞により異なり、セマフォリンがそれぞれの細胞で引きおこす反応の違いに寄与する。細胞内分子[[cGMP]]はセマフォリン作用に影響する。セマフォリン3Aは末梢[[知覚]]神経軸索を反発するが、高濃度cGMPが存在する[[大脳皮質|皮質]][[錐体細胞]]の[[尖端樹状突起]]は、セマフォリン3A濃度勾配に沿って脳表方向へ誘引される。 | 一方、プレキシン-Aは[[off-Track]]、[[VEGFR2]]、[[TREM2]]、[[DAP12]]などの膜タンパク質と相互作用する<ref name=ref9 />。これら相互作用分子の発現は組織や細胞により異なり、セマフォリンがそれぞれの細胞で引きおこす反応の違いに寄与する。細胞内分子[[cGMP]]はセマフォリン作用に影響する。セマフォリン3Aは末梢[[知覚]]神経軸索を反発するが、高濃度cGMPが存在する[[大脳皮質|皮質]][[錐体細胞]]の[[尖端樹状突起]]は、セマフォリン3A濃度勾配に沿って脳表方向へ誘引される。 | ||
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==関連項目== | ==関連項目== | ||
*[[プレキシン]] | |||
==参考文献== | ==参考文献== | ||
<references /> | <references /> |