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| シナプス シナプス ・可塑性関連タンパク質 || [[アセチルコリンエステラーゼ|AchE]], [[Arc]], [[Bdnf]], [[Inhba]], [[Homer1]], [[Ntrk2]], [[Nptx2]], [[シナプシン|Syn1]] | | シナプス シナプス ・可塑性関連タンパク質 || [[アセチルコリンエステラーゼ|AchE]], [[Arc]], [[Bdnf]], [[Inhba]], [[Homer1]], [[Ntrk2]], [[Nptx2]], [[シナプシン|Syn1]] | ||
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| シグナル伝達 || [[Cdk5]], [[Nf1]], [[ | | シグナル伝達 || [[Cdk5]], [[Nf1]], [[Nos1]], [[Pgs2]]/[[Cox2]], [[Sgk1]] | ||
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| 神経ペブチド・神経伝達物質関連 || [[Adcyap1]], [[Adrb1]], [[Adrb2]], [[Avp]], [[Crh]], [[Ddh]], [[GABA受容体#GABAA.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|Gabra1]], [[Gal]], [[Galr1]], [[Pdyn]], [[Penk]], [[Pnoc]], [[Sst]], [[Sstr2]], [[Tacr1]], [[Vip]] | | 神経ペブチド・神経伝達物質関連 || [[Adcyap1]], [[Adrb1]], [[Adrb2]], [[Avp]], [[Crh]], [[Ddh]], [[GABA受容体#GABAA.E5.8F.97.E5.AE.B9.E4.BD.93|Gabra1]], [[Gal]], [[Galr1]], [[Pdyn]], [[Penk]], [[Pnoc]], [[Sst]], [[Sstr2]], [[Tacr1]], [[Vip]] | ||
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== 長期シナプス可塑性および長期記憶形成 == | == 長期シナプス可塑性および長期記憶形成 == | ||
神経系におけるCREBの生理機能は、様々な生物種において様々なCREB機能阻害実験によって解析されている<ref><pubmed>9530494</pubmed></ref>。[[アメフラシ]]において[[エラ引き込み反射]]の長期増強には長期促通(long-term facilitation)と呼ばれる長期シナプス可塑性が関与しているが、この時、神経細胞に抗CREB抗体やデコイとなるCRE配列を注入すると[[長期促通]]が阻害される<ref><pubmed>2141668</pubmed></ref><ref><pubmed>9428516</pubmed></ref>。[[ショウジョウバエ]]においては、[[ドミナントネガティブ型]]CREBを過剰発現させることによってCREBの機能阻害を引き起こすと、匂いと電気ショックの[[連合学習]]後に短期記憶は獲得できるものの、長期記憶は障害される<ref><pubmed>7923376</pubmed></ref>。同様に、CREB欠損マウスにおける[[文脈依存的な恐怖条件付け課題]]では短期記憶は形成されるが長期記憶に障害があることが報告されている<ref><pubmed>7923378</pubmed></ref>。[[ラット]]を用いた[[空間学習]]課題の実験では、CREBのアンチセンスオリゴを[[海馬]]に局所注入してCREBの発現を抑制すると、短期記憶は正常に形成されるが、長期記憶には障害が生じる<ref><pubmed>9122258</pubmed></ref>。 | 神経系におけるCREBの生理機能は、様々な生物種において様々なCREB機能阻害実験によって解析されている<ref><pubmed>9530494</pubmed></ref>。[[アメフラシ]]において[[エラ引き込み反射]]の長期増強には長期促通(long-term facilitation)と呼ばれる長期シナプス可塑性が関与しているが、この時、神経細胞に抗CREB抗体やデコイとなるCRE配列を注入すると[[長期促通]]が阻害される<ref><pubmed>2141668</pubmed></ref><ref><pubmed>9428516</pubmed></ref>。[[ショウジョウバエ]]においては、[[ドミナントネガティブ型]]CREBを過剰発現させることによってCREBの機能阻害を引き起こすと、匂いと電気ショックの[[連合学習]]後に短期記憶は獲得できるものの、長期記憶は障害される<ref><pubmed>7923376</pubmed></ref>。同様に、CREB欠損マウスにおける[[恐怖文脈条件づけ|文脈依存的な恐怖条件付け課題]]では短期記憶は形成されるが長期記憶に障害があることが報告されている<ref><pubmed>7923378</pubmed></ref>。[[ラット]]を用いた[[空間学習]]課題の実験では、CREBのアンチセンスオリゴを[[海馬]]に局所注入してCREBの発現を抑制すると、短期記憶は正常に形成されるが、長期記憶には障害が生じる<ref><pubmed>9122258</pubmed></ref>。 | ||
マウスやラットにおいて海馬神経細胞におけるシナプスの[[長期増強]](long-term potentiation, LTP)は海馬依存的な学習および記憶形成に重要な役割を果たしていると考えられている。特に、数時間以上持続する[[後期LTP]](late-phase LTP)は長期記憶形成との関連が強く示唆されている。海馬神経細胞に活性化型CREBを発現させると、通常は後期LTPが起きない刺激条件でも後期LTPが成立することから、CREBあるいはCREBによって発現制御される遺伝子産物は海馬における後期LTPの成立に重要な役割を果たしていると考えられる<ref name=Barco2002/>。 | マウスやラットにおいて海馬神経細胞におけるシナプスの[[長期増強]](long-term potentiation, LTP)は海馬依存的な学習および記憶形成に重要な役割を果たしていると考えられている。特に、数時間以上持続する[[後期LTP]](late-phase LTP)は長期記憶形成との関連が強く示唆されている。海馬神経細胞に活性化型CREBを発現させると、通常は後期LTPが起きない刺激条件でも後期LTPが成立することから、CREBあるいはCREBによって発現制御される遺伝子産物は海馬における後期LTPの成立に重要な役割を果たしていると考えられる<ref name=Barco2002/>。 |